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福岡2日目と、私なりの展示の楽しみ方



朝ごはん

2023年10月31日快晴。
福岡旅行2日目のAM7:55。
朝の爽やかな空気の中、福岡市赤煉瓦文化館の横を通り、近くのパン屋さんへ。
8時の開店前に着いたのだけれど、人気店ということもありすでに20人ほどが並んでいた。
ただ回転は早く10分ほどの待ち時間で入店でき、パンの芳しい香りが充満する店内で、レジに向かう流れ(店内は一方通行)に従って目につくパンを取っていく。
ハード系のパンが多く、そのどれもが美味しそうで全部食べたかった。
毎日でも通いたいくらい魅力的なパンが勢揃いする中、選んだパンを手にレジへ向かう。
その後併設されるコーヒー屋さんでお土産用のコーヒー豆とカフェラテを注文。
受け取ったカフェラテを片手にホテルへ戻り、コンビニで買ったサラダと一緒に朝ご飯にした。
時間に追われることなく、朝から美味しいものを食べられる幸せ。

パンストック天神店さん、COFFEE COUNTY stockさんより


福岡市博物館

AM10:00
ホテルを出て、天神駅から西新駅へ向かう。
知らない街を公共交通機関を使って移動するのは、車内の雰囲気やアナウンスが新鮮でとても楽しい。
西新駅から福岡市博物館へは徒歩10-15分くらいかかったけれど、途中国民的アニメの銅像があったりして、徒歩での移動は苦にならなかった。

サザエさん通り

AM10:30
今回の旅の目的地である、福岡市博物館に到着。
市の博物館なのでこじんまりしているのかと思っていた私の想像を裏切る、とても大きい博物館が聳え立っていた。

福岡市博物館

神殿みたいなアーチ状のエントランスを抜け、2階の展示室へ。

「黒田侯爵家の名品」展

今回の展示は、大政奉還後の黒田家当主と、保有していた家宝にスポットを当てたもの。
「黒田侯爵家の名品展」は2023年11月5日までなので、来れて良かった。
近代黒田家御当主の略歴とともに展示される家宝の数々の素晴らしさといったら!
甲冑や刀剣もさることながら、絵画や文献、手紙、工芸品などの幅広い文化財が展示されていて、とても見応えがある展示内容。
しかも嬉しいことに、一部の展示を除いて写真撮影が可能。
私が伺った時の来場者数は、写真を撮るのに気を使わなくても良いくらいだったので、他の人を気にすることなく自分のペースで堪能できたのが最高。
さらに「黒田家名品展」のチケットで、企画展と常設展も拝見出来たのが嬉しい。
特に常設展では、縄文時代から現代に至るまでの時系列順での展示をされており、福岡の辿ってきた遍歴と現代に伝えわる風習がとても分かりやすかった。
金印:倭奴国王印を始めとする、教科書に出てきた品々を実際に見ることができ、とても充実した時間を過ごせた。


私なりの展示の楽しみ方

私は残念ながら私歴史や美術品に詳しくないので、甲冑を見ても「私より小柄…」とか、立派な兜の前立てに「重さで頚椎痛めそう」とか、寿老人が描かれた二幅の掛け軸を見て「こちらの方がより好々爺な感じ」とか、人に言ったら怒られそうな楽しみ方しかしないのだけれど、やはりその精密な仕立てには感動する。
今でこそショーケースに厳重に保管されている展示品が、実際に使われていたという不思議。
明確な意図を持ち確かな技術で作製され、使われることで時代の一役を担い、そして色んな人の手を介し大切に保管され、現在は貴重な資料として存在している。
現存するものは時代の変遷の中で淘汰されずに残された「価値のある」とされたものだけれど、その途方もない時間の流れに思いを馳せる楽しさ。
どれだけの熱量と時間をかけて作品が誕生したのかとか、この作品は長い年月で何を見てきたのだろうかとか考えるとワクワクする。
何より、昔の人の美意識とデザイン性が高い!
植物の図面化もそうだけれど、柄の合わせ方や色彩の組み方、屏風に描かれる構図などセンスが光る。
また、額装されている書跡が縦にまっすぐな文字の羅列ではなく、書き進めるごとにだんだんと斜め右に寄っている様に、なんとなく人となりが出ているようで勝手に親近感が湧いたりもする。
なんなら縄文時代の石の鏃だって、なんで今も原型を留めていられるのか不思議だし、土器だって模様が描かれて洒落っ気があったりする。
それが私好みかと言われれば、そうでは無いのもあるけれど。
例え武具であっても、ショーケース越しに鑑賞できる状況にあること。
また、世が世なら見ることができない貴重な品々を、時代も素材も多様な資料を良い状態で拝見出来ることが、とても贅沢に思える。


福岡タワー

PM13:30
福岡市博物館を後にし、徒歩5分程にある福岡タワーへ向かう。

福岡タワー
展望室より

福岡タワーは全長234m、日本一の海浜タワーなのだそう。
この日は雲ひとつ無い晴天だったので、博多市内や博多湾を一望できた。
眼下に広がる海の青さに、どこかリゾート地にでも来たかのような錯覚になる。
ガラス張りの展望室内は、太陽光で温められた空気で若干暑いくらいだったのが、また常夏感があった。
夕暮れ時や夜景でも、とても美しい景色が見えるのだろうな。


帰路へ

福岡タワーを堪能したあとは、路線バスが高速を走るという普段経験しない路線に乗車し、一路博多駅へ。
高速道路使用のため特別料金がかかるのかと心配したけれど、通常料金でちょっと安堵した。
そして、せっかくだからと博多駅側のパン屋さんへ。
実は朝ごはんに調子に乗ってパンを食べすぎたため、ほとんどお腹は減っていなかったのだけれど、欲には勝てず。

DACOMECCAさん

ケークサレとレモンティーをいただき、心もお腹も満たされる。
大きな窓から入る西陽に暖まりながら、のんびりとした時間を過ごした。

福岡博多はとても見所がある街だった。
観光地ではあるけれど、観光客で渋滞になるわけでもなく、急かされることなく自分のペースで巡ることができる。
公共交通機関も不足なく網羅されており、旅初心者には優しい街なのかも。
食べ物も魅力的だしね。

パン屋さんを出たあとは博多駅から福岡空港に行き、家族用のお土産を買い込んでから帰路に着いた。
帰りのフライトは欠航せず定刻通りに飛んでくれた。


夕景のいまの一部なる飛行機にこころ広げてぼくは飛ぶ人

初恋


[引用]
書名: 初恋 (現代歌人シリーズ37) 「福岡」より
著者: 染野太朗
発行: 株式会社 書肆侃侃房
ISBN: 978-4-86385-580-9
                                                                (敬称略)


[今回伺った場所]

             ※「黒田侯爵家の名品」展は2023年11月5日まで開催


これまでお読みいただき、ありがとうございます。
どうか皆様が秋の良い時間を過ごせますように。

Izumi

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