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It's a new day 【映画:PERFECT DAYS】

2024年
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。


新しく物事が始まる瞬間は、気持ちの高揚と少しの不安が入り混じります。
お正月になると、自分がリニューアルした気分になって、何者にでもなれる気さえする。
けれど、どうも今までの染みついた習慣に則った生活になってしまう。
毎日同じ時間に起きて、同じ手順で身支度を整え、同じ時間に家を出る。
同じように家に帰り、同じように夜の時間を過ごし、眠りにつく。
旅先で迎えるような刺激的な時間を過ごすのも良いのだけれど、安定的な日常を送る。


そんな日常を描いた映画『PERFECT DAYS』を拝見しました。
主人公「平山」さんの数日を丁寧に切り取った映画です。
分かりやすい起承転結もなく、ヒーローもなく、派手なアクションもない。
ただ主人公の日常を、淡々と美しい映像と音楽で彩った作品。

主人公は物事の中心にいるような人柄ではなく、一歩離れたところにいる「傍観者」のような立ち位置で、ゆるやかに世間と関わっているように思う。
映画の中では主人公の経歴を示す描写も説明も何もない。
少しだけ、その背景が垣間見える場面があるのだけれど、全貌が見えない。
そもそも主人公がほとんど話さないから、考えていることが分からない。
そんな主人公が送る同じような毎日。
けれどそれは全く「同じ」毎日ではなくて、「平山」さんの日常はささやかな変化と新しいことに満ちている。

掃き掃除の音で目を覚まし、仕事をして、神社の木漏れ日をフィルムカメラで撮影し、銭湯に行き、本を読んで就寝する。
その習慣の中で、主人公は毎日何かを感じ、その変化を楽しんでいる。


うまく説明はできないのだけれど、映画に流れる空気感がいい。
とても好き。
最後に私の大好きな曲が流れたのも影響しているかもしれないけれど。

It's a new dawn
It's a new day
It's a new life
For me
And I'm feeling good

♪ Feeling Good (by Nina Simone)


新しい夜明け
新しい日
新しい人生
私のための

とてもいい気分なのだと思えるように、一瞬一瞬を過ごそう。
新しい年を、より良くしていくために。

何気ない日常に喜びを。



ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
皆様にとって、良き一年でありますように。

Izumi

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