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うちのみえこさん(14)

地図との格闘

 歌姫町のところの奈良案内にも書いたが、奈良市の地名は過去の歴史的町名と現在の都市政策によって作られた町名が入り混じって複雑な構造になっている。そのことは選挙にどう関係するのか。

 みえこさんの選挙も31日が告示日だが、その時にはもう戦いはほぼ決着がついている。公職選挙法は法としてあるが、実際の票固めはそれ以前に熾烈を極めている、というのが誰が見ても明白な事実だろう。

 票固めの方法のひとつとして支援者への「訪問」というのがある。リストを作って順番に政策や支持を訴えて回る。投票を訴えるとアウトだ。このリストの充実度は当落の重要な要因になる。

 支援者の住所を地図に落として効率的に回る順路を決めるのが大事な準備作業。ところが奈良の地名事情はこれを著しく困難にしている。
 どういうことかというと、たとえば「○○町」という歴史的に由緒正しい町名があるとする。すると同じ名前の「○○町1丁目、○○町2丁目・・・」というのが混在しているという状況になっていることがよくあるのだ。

 しかも「○○町1丁目××番地」は新しい地名だから比較的わかりやすく並んでいて、地図で追跡しやすい。しかし「○○町」のほうは1番地から数千番地まであるということがしばしばあり、並び方もお隣さんから順番にということではなかなかない。「○○町512番地」と「513番地」がとてつもなく離れているということもある。「25番地」の道路を隔てた向かいの家が「1863番地」などということもざらにある。奈良市の郵便屋さんは達人としかいいようがない。

 住宅地図の文字は極めて小さいので、スタッフがするこの仕事は神経衰弱的作業になる。他方でみえこさんは車で連れて行ってもらい、あとはてくてく歩いて訪問する。体力自慢のみえこさんもこの頃膝が痛いと言い出した。 

 戦いはまだまだ続く・・・

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