Mame

読んだ本の感想など。

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最近の記事

コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト

  コンサル出身の筆者が体験した、コンサル思考と心得を紹介。分かりやすいインパクトも意識されていると思うが、99個の〇〇vs〇〇(二項対立)形式で紹介している。 冒頭にも書かれている通り、つまみ読みでも各人に刺さる技術が見つかると思うので、特に社会人経験が短い人は目を通しておいて損はないと思う。 自分はコンサルではない為、普段使いという観点で、個人的に残したい技術は以下。 まず論点(質問)に答える 答えから質問に返ってくることができなければならない。 How are

    • 知略の本質 戦史に学ぶ逆転と勝利

      著者は失敗の本質を始めとして戦史における戦略分析を通して得られる示唆を体系化することを目的として複数の刊行を行っている。4冊目となる本書は「知略」たる戦争を例に挙げ、知略を実践するための必要要件の解析を試みている。 戦略 現象 を「 二項 動態」 的 に 把握 し た うえ で、 情況 と 文脈 の 変化 に 応じ て 具体的 な 戦略 を 実践 し て いく こと が 重要 なので ある。 その よう な 戦略 を、 本書 では「 知略( Wise Strategy)」

      • アマゾンと物流大戦争

        https://www.amazon.co.jp/dp/B01M0ENAHF 物流コンサルタントの視点で書かれたアマゾンの持つロジスティクス機能の成長戦略と他社との差別要因を説明。最終章では巨人となったアマゾンに真っ向から立ち向かう競合企業の戦略を物流の視点から解説。本書は2016年時点の情報なので、アマゾンによるホールフーズ買収等の最新動向は記載されていない点は注意。(それだけアマゾンが日々歩みを進めていることの証左とも言える) アマゾンは自前ロジスティクス機能を持ち、

        • 徹底攻略 板読みデイトレード 板読みスキャルピングと価格帯別出来高の極意

          https://www.amazon.co.jp/dp/B00KPEW1YE/ 業務繁忙期とプライベート多忙で中々読書時間が取れず。。デイトレーディングのエントリーポイントをたくさんの例示で解説。セオリーは大口の動きに倣え、と簡単には言える。しかし板読みを通して様々なシグナルを読み取って、理解し、適切なタイミングで流れに乗る必要があり、これは素人が片手間に参入できる市場ではないと改めて感じた。 デイトレをやるつもりは全く無いが、特に為替相場需給に限定した動きとして何らかの

        コンサルが「最初の3年間」で学ぶコト

        • 知略の本質 戦史に学ぶ逆転と勝利

        • アマゾンと物流大戦争

        • 徹底攻略 板読みデイトレード 板読みスキャルピングと価格帯別出来高の極意

          もみあげ流 米国株投資講座

          https://www.amazon.co.jp/dp/4800720869/ 長期で見て上がり続けているアメリカ株への投資をすすめる本書。あくまで自己責任ではあるが、様々なセクターでの推奨銘柄を紹介しており、この本が発刊された直後にテスラ株を購入していれば、という後悔が立たない。(前々からではあるが、今は更にPERが青天井に上がり続けており、怖くて購入できない) 株式購入のきっかけとして勇気を与えてくれる本だと思います。 また、筆者はSNSで毎日米国株の動向をレポート

          もみあげ流 米国株投資講座

          CFO最先端を行く経営管理

          https://www.amazon.co.jp/dp/4502341312/ 欧米の経営管理や組織論から生まれたCFO、並びにCFO配下の組織のあるべき姿や欧米の類型、CFOとして具備すべきスキル等を筆者達の経験やアカデミックな文献から説明。 キャリアの関係ありなしに関わらず、財務会計、経営管理のマネジメント層が意識されるマインドを理解する一助となる。 日本では護送船団方式にて銀行との深い付き合いが長く続いていたため、PLに重きをおき資本コストへの着目が少ない経営管理を

          CFO最先端を行く経営管理

          脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方

          https://www.amazon.co.jp/dp/B00JDLBEFW/ 適度な運動を行うことが脳の働きを良くすることを科学的に説明されている。具体的には、運動による刺激が脳細胞の生成を促し、ニューロン感の結び付き(神経伝達物質の生成)を強化する。本書では従来見落とされがちであった脳と運動の関わりについて、多数の論文の成果を引き合いに出しており、納得性の高いものと感じました。 本書では運動による脳の刺激による脳への影響が、うつ病やADHD,はたまた老化防止に効果があ

          脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方

          戦略プロフェッショナル シェア逆転の企業変革ドラマ

          https://www.amazon.co.jp/dp/B009S7CDN8/ 物語形式と随所に差し込まれる解説にて、事業戦略の立案から実行までの意思決定プロセスを追体験できる。本書の後書きに書かれているが筆者の実体験に基づいているそう。戦略コンサルタントが使うフレームワークをツールとしてどう活用するのか、イメージも湧きました。 企業戦略を考え抜く難しさと、遣り遂げるための胆力の重要性を少しは理解できたと思う。本書を仕上げるにあたって結果的にストーリーとしてきれいに纏めら

          戦略プロフェッショナル シェア逆転の企業変革ドラマ

          両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」

          https://www.amazon.co.jp/dp/B084VLRLBQ/ 事業にはライフサイクルがあり、ライフサイクルの衰退期には破壊的イノベーションを携えた新規事業に駆逐される運命にある。その為、企業組織は既存事業を育て賞味期限を延ばしつつも、絶えず新規事業を追い求めることになる。本書は企業が成長し続けるために備えるべき組織体系として攻めと守りの両輪での経営を提唱している。 どのような組織でも過去の成功体験に従って経営スタイルが固まっているものではあるが、既存事業

          両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」

          メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

          https://www.amazon.co.jp/dp/B07KF9PMF5/ メルカリの創業からマザーズ上場までの5年間を追体験する。 スタートアップで成功するためには正に何でもやる、時流を掴みアクションを起こす、リファラルに優秀な人をピンポイントで集める必要があると感じた。 本書の構成については個人的に残念。追体験をするには良いが、それぞれの章がブツ切りになっていること、現経営陣を巡る人事の話が多く、プロダクト視点の描写があまりない(勿論書かれていることもあるが相対

          メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間

          最高の脳で働く方法 Your Brain at Work

          https://www.amazon.co.jp/dp/B07SL953JR/ 脳の働き方を科学的に分析し、パフォーマンスを高める方法を説明している。パフォーマンスとは仕事だけでなく、人生あらゆるシーンでの自身の行動と認知の質を高めることができるようになると感じた。 本書は4章から成り、1,2章は自己の内面に閉じたシーンに対して、3,4章は他者と協調するシーンに対しての脳の働き方のクセと改善策を説明している。 とても要約することはできないが、2点だけ、一生心に留めたいと

          最高の脳で働く方法 Your Brain at Work

          プロジェクトファイナンスの実務―プロジェクトの資金調達とリスク・コントロール

          https://www.amazon.co.jp/dp/432211136X プロジェクトファイナンスの概要を理解する為によく推薦されている本書。 ファイナンススキームや手続きの流れ、ステークホルダー毎のリスクとリターンを構造的に説明しており、実務に置き換えて直ぐ実践できるほど甘くはないにせよ、事業推進関係者にとってプロファイを組成するに当たって最低限把握すべきことを俯瞰的に勉強できる。(少なくとも起こり得るリスクに対してのチェックポイントは抑えた方が良さそう) 本書は

          プロジェクトファイナンスの実務―プロジェクトの資金調達とリスク・コントロール

          THE MODEL

          https://www.amazon.co.jp/dp/B07M5W8GCQ/ セールスフォース・ドットコムの日本拡大の際に検討された売上を最大化するためのマーケティング、インサイドセールス、商談、サービス提供のプロセスフレームワークを紹介。 帯で紹介されているSaaSモデルだけに限らず、比較的マス層にアプローチするパッケージを売る企業にて参考にすべき内容。マーケティングや営業担当や管理者は、客観的に自社のプロセスとの違いを測るだけでも有意義になると感じた。 製品購入の

          THE MODEL

          アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界

          https://www.amazon.co.jp/dp/B00LMB0F4M/ アダム・スミスが生涯に刊行した2冊の書物の概要を紹介している。世界史の教科書では経済界に与えた影響の大きさからか、国富論に触れることが多いように感じ、「神の見えざる手」という表現も馴染みが深い。 本書にて最初に提言があるのは、国富論の土台として道徳感情論があるということ。この本質を見誤り、国富論で語られる自由経済の推奨だけをスミスの主張と捉えると、大きくミスリードを起こすと説く。 『道徳感情

          アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界

          IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ

          https://www.amazon.co.jp/dp/B00976FDDM/ 産業再生機構のCOOを経て、経営競争基盤(IGPI)社を設立した著者による経営分析手法の照会に当たる本。 画一的な財務分析指標を物差しとすることで実態を見誤ると説き、1社1社違う血の通っている企業実態をとらえる為に注視すべきポイントを産業再生機構時代の案件を例に説明しており、他の財務分析本と比べて生々しいポイントを知ることができる。 各項目のチェックポイントに挙げられている事項を振り返るだけ

          IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ

          プライマリー・バランス亡国論 日本を滅ぼす「国の借金」を巡るウソ

          https://www.amazon.co.jp/dp/B0719C4T3F/ 日本の財政再建の為に政府が掲げるプライマリーバランス(政府歳入と政府歳出の差額: PB)改善の目指すところが、財政再建とは真逆の財政難並びに経済緊縮を招くということをマクロ経済データを基に解き明かす本となっている。 著者の本流は経済学ではないも、安倍内閣のもとで公共政策に参与されている都市社会工学の教授とのこと。経済学者ではない為に、経済学での通説に囚われずにファクトに基づいての提言が行われて

          プライマリー・バランス亡国論 日本を滅ぼす「国の借金」を巡るウソ