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今週の気になった決算 vo.1

今回は、「アイティメディア株式会社(2024/05/01)」を分析しました。
今週気になった企業をピックアップして、決算書を使いながら企業分析をします。「売上、営業利益、EBITDAを継続的に成長させていくためには?」という視点で、「業績」、「ビジネスモデル」、「注力テーマ」、「気になるポイント」「疑問点」の5つの項目で分析します。

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アイティメディア株式会社 2024/05/01

✔️業績

・昨対比で、減収減益。
・売上収益は-9%、営業利益は-24%、営業利益率は33.5%から27.8%へ、-5.7%。

✔️ビジネスモデル

・4つの収益源がある。メディア事業を祖業にしながら、リードジェン事業、デジタルイベント事業、運用型広告事業に拡大。
*2024年度第1四半期連結会計期間より、「リードジェン事業」および「メディア広告事業」の区分から、「BtoBメディア事業」および「BtoCメディア事業」の区分へ変更あり。

✔️注力テーマ

(全体方針)
・BtoBメディアが基幹であることには変わりないが、FY25~29にかけて構成比の見直し。

(BtoBメディア領域)

・FY29にかけて、顧客数+26%、顧客単価+10%の成長率を目標に設定。
・強みは、「月間4億PVを超えるメディア」「会員データ130万超え」がベースにあること。読者の行動データを蓄積し、いかに企業が営業活動に活用できるプロダクトを仕上げるかが肝になりそう。
・顧客数が「顧客継続率向上」「新規顧客獲得」、顧客単価が「データドリブン型プロダクト確立」「アップセル」をテーマに掲げる。

(発注ナビ)

・システム開発会社のカバー率を30%→50%に引き上げ。
・このための注力テーマとしては、SaaSやAIなどの新規領域の立ち上げ。

(BtoCメディア領域)

・FY29にかけて、PV+61%、広告単価-1%を目標に設定。
・広告単価は市況の影響を受け、見立てが難しいため、PV側をドライバーに設定。「コンテンツ領域拡充」×「コンテンツ生産手法改善」を優秀人材とAI活用により拡大していく想定。

✔️気になるポイント①

Q:売上収益が悪化している要因は何か?これらは継続的に発生するのか?

A:セグメント別に売上収益の増減と要因を見ると、以下の通り。
  ・リードジェン:横ばい→外資系顧客からの収益減少&フィジカルの揺り戻し。
  ・広告(運用型広告収益&広告収益):減少→米国景況懸念による外資系顧客からの収益減少
  ・デジタルイベント:減少→フィジカルの揺り戻し。通期で減少も4Qはプラス転換。

4Qの実績を見るとフィジカルの揺り戻しは、少し落ち着いてきそう。リードジェンとデジタルイベントは、回復傾向になるのか?一方で、広告収益のマイナス幅が一番大きいため、米国景況懸念が落ち着くまでは、マイナス要因の方が大きい可能性あり。次回の決算のタイミングで、フィジカルの揺り戻しと米国景況懸念による影響のバランスを確認。

✔️気になるポイント②

Q:営業利益の下げ幅が多いが、要因は何か?今後継続的に悪化する可能性はないのか?

A:営業利益の下げ要因は、①売上減少②人件費増加。外注費やオフィス縮小などでコストを抑制しているが、間に合わず。売上減少が継続すれば、営業利益が悪化する構造になってしまっているので、コスト最適化も模索し続ける必要がありそう。

✔️疑問

・「BtoBメディア事業」の成長戦略の中で、読者データの有効活用を掲げているが、ここに対しての開発投資はどのような状況なのか?会社の1番の強みだが、適切に投資をできているのか?また、売上収益にインパクトするのはどのタイミングか?

・「発注ナビ」は、ここまでフリーミアムモデルで加盟者数を拡大してきたとのことだが、今後の営業戦略は?現時点で加盟していただけていない企業は、単純にアプローチができていないことが要因?

・「BtoCメディア事業」では、まずはコストをかけてコンテンツ数を増やしにいく戦略であるため、人件費や外注費などが増加し、短期的にBtoCメディア事業内の営業利益が悪化する可能性がある?もしその場合、いつまで投資を継続するのか?またその場合、全社の営業利益に影響は与えるのか?事業別に売上、コストを説明できた方が投資対効果を適切に説明できるのではないか?

・売上収益の構成比が、国内と外資でそれぞれ半分の割合。外資系顧客からの収益が減少することで、全社の売上収益にも影響が出てしまうということはポートフォリオを見直す必要があるのではないか?その場合どのように見直すと良いのか?

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