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深刻な問題ほど明るくロジカルに描こう

四十過ぎになるまで奨学金を返し終わらなかった者がまさに身近にいる身としては、放ってはおけない映画がこのほど公開されたので、しっかりと観てまいりました。社会派の硬派なテーマを扱っている割には、予告編から受ける印象はむしろ明るく前向きであり、最後まで楽しく観られそうな予感はしていたのですが、果たしてその通り。僕の見た回には監督がいらっしゃっており、映画終わりでパンフレットにサインもいただけたのですが、そのことを印象として伝えると「僕の性格ですネ」と笑って挨拶をされるほどの気さくな方であって。肩に力を入れることなく、問題を問題として捉えながら、問題に「囚われてしまう」ことなく、見終わった後もロジカルに考えられる姿勢をきちんと持ち続けていけるような、そんな映画になっていました。

社会人生活を約二十年続けてきて思うのは、「知らないのをいいことに黙っている」人々が意外とそこかしこにいるということ。政治家にしても政党にしても、企業にしても政府にしても実際そうなのであって、自ら学び、調べ、発信するということをしない限りは、「騙されっぱなし」のまま、人生を送らなければならないという、厳しい現実が、そこにありました。

*** ここから少しだけネタバレ ***

映画でも描かれていたように、今の世代は18歳になった時点で、一人前の大人としての権利を手にし、こうした世界にこの年齢で船出するということになっています。彼らはまさに自らが破綻してしまわない程度のリスクを時々で背負いながら、世間というものを学び、学んだものを共有し合い、どうにかしてこの世の中で自らの理想とするものを手に入れるべく、試行錯誤しながら、進んでいかなければいけない「運命」を背負っており。その意味で、この映画における主人公たちの描写は的確で、またリアリティのあるものであったと思いました。(若い世代と話す機会がそうそうない自分ですが、そのリアリティの一端をこの映画から知ることができました)。

*** ネタバレは以上 ***

コロナ禍を機に始められたという、青春社会派映画シリーズのこれが第3弾であり、第1弾、第2弾にも興味があったので調べてみると、やはり(特に第2弾は)、社会が僕らにあまり知らせないようにしている内容ではないかと思われるものであったので、こちらもしっかり見ておこうと思います。

皆さんもよろしければ映画館にお運びになるなり、配信で探すなりして、見ていただければいいのではないかなと思いました。

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