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「クローン・ウォーズ」シーズン2の見所紹介

「スター・ウォーズ」ファンの間でも難所となっている「クローン・ウォーズ」をシーズンごとに、私なりの見所や楽しみ方と合わせて紹介しています。
シーズン1の記事はこちら

昨今、ドラマシリーズでもクロスオーバーの機会が増え、より深くドラマ作品を楽しみたいという方には特にお薦めしたい傑作アニメシリーズです。

なるべく「結末は見てのお楽しみ」という形で物語のさわりを紹介していますが、完全なネタバレ回避にはなっていませんのでその点ご注意ください。

シーズン2はシーズン1と打って変わり、ゾンビ、怪獣、黒澤明、オビ=ワンの秘めた恋路などバラエティに富んだラインナップでどれも面白いストーリーアークです。映画「エピソード2 クローンの攻撃」に登場した惑星や出来事に因んだエピソードも登場。
本シーズンもストーリーアーク単位でどこから見ても楽しめるので、紹介する見所を参考に気になったアークからでもぜひ。

シーズン2のいくつかのエピソードは時間を前後に跳躍します。
当時混乱を招いたようでシーズン3以降はこうした演出は無くなっていきます。

1話から10話までの見所

キャド・ベインの造形は『続・夕陽のガンマン』のセテンサと
旧三部作の不使用コンセプトスケッチに影響を受けている

1話》からのアークではシーズン1の22話で初登場したキャド・ベインがダース・シディアスの恐ろしい計画のためにジェダイ公文書館から記憶ストレージである「ホロクロン」を盗むという内容。相変わらず後先考えずに突っ込んでキャド・ベインに捕まりホロクロンと天秤に掛けられるアソーカを使命よりも優先する優しきアナキン。続く《4話》からの第二次ジオノーシス戦においても仲の良い様子やルミナーラ師弟との在り方の差異は注目ポイントになっています。

《1話》でいきなり悲惨な目にあうトドはその後も再登場するのですが、公式サイトのトリビアギャラリーによればアナキンが修理したそう。

「クローン・ウォーズ」でも素晴らしいデザインのメカが多数登場しますが、個人的に大好きなのがT字型の翼が特徴的なトレント・スターファイターです。
2003年のカートゥーン版から引き続いての登場です。

劇中、アナキンが「セッピー」と言っているのは分離主義者セパレイティストの蔑称です。とはいえバトル・ドロイドの事を指しているのだとは思いますが。

アナキンの言葉はドラマ「ボバ・フェット」6話でアソーカの台詞に😢

元カレへのスパイ任務を要請されたパドメに随行するアナキンのヤキモチが見所の《4話》に続いて《5話》からは「エピソード2 クローンの攻撃」に登場したジオノーシスが再び戦場に。分離主義勢力の新ドロイド工場破壊のため歴戦のジェダイ・マスター達が結集します。このアークで初登場するパダワンのバリス・オフィーは続く「ブレインワーム編」でアソーカと親睦を深めますが、二人の関係はシリーズ終盤の重要な伏線になっていきます。

その《7話》からはジオノーシスの戦いのエピローグ的なお話ですが、一転して「ゾンビ」や「エイリアン」のようなホラーな内容に。放送前月には「デス・トルーパーズ」というゾンビ化したストームトルーパーの恐怖を描く小説が出ているのですが、どちらも欧米のゾンビ需要に対応した企画と言えるかもしれません。

当時のファンの間では「スター・ウォーズ」らしくないという事で物議を醸しましたが、本作の「ブレインワーム」という設定はギリギリ世界観の枠内に収まっているように感じます。「クローン・ウォーズ」はこうした匙加減が本当に見事です。

8話》では象徴的なBGMとともにアナキンがアソーカを救うため初めて「あの技」を使ってしまう場面も見逃せないポイントです。

9話》からの「逃亡者編」はシリーズでは度々登場するクローンの自由意志をテーマにしたアークですが、昨年放送の「バッド・バッチ」とのクロスオーバーで意味と重要度が増しました。


11話から16話までの見所

シーズン2の最重要アークが《12話》からのマンダロアを舞台にした3エピソードです。ドラマ「マンダロリアン」でも取り沙汰される「デス・ウォッチ」や「彼らの故郷が何故失われてしまったのか」について「クローン・ウォーズ」のファイナルシーズンにまで渡って描かれる事件の導入部となります。

マンダロアの統治者であり絶対的な平和主義者サティーンとオビ=ワンの知られざる関係も明らかに。現在「正史」からは外されていますが、このエピソードの約20年前のマンダロリアン内戦で長期間に渡ってオビ=ワンとクワイ=ガン・ジンがサティーンを護衛していた事がスピンオフ作品で描かれています。当時からのオビ=ワンの秘めた想いはオビ=ワンがアナキンのパドメへに向ける感情への共感と、それを見て見ぬ振りをしていた理由にもなっていると言えます。

「マンダロリアン」+「ボバ・フェット」まとめと今後の展開を予想』でも紹介していますが、マンダロリアン内戦では真マンダロリアン(True Mandalorian)という滅ぼされた派閥もあり、ジャンゴ・フェットはその2代目リーダーだった事がこの事件の前日譚の一部として2002年のコミックとゲームで語られています。これまでのドラマ作品が「マンダロア」を中心に展開していることを考えると5月放送の「オビ=ワン・ケノービ」でも何かしらクロスオーバー要素として台詞などにマンダロアに関わる情報が登場するかもしれません。(※ありませんでした(笑)追記)

15話》のアークはシーズン3の紹介で改めて、また《16話》はこちらの記事でも紹介していますので参照下さい。


17話から22話までの見所

賞金稼ぎエンボを演じるのはデイブ・フィローニ
ジェダイVS怪獣の戦いは見物

そのタイトル(邦題)が示す通り《17話》はジョージ・ルーカスが敬愛する黒澤明監督の傑作「七人の侍」をオマージュした内容です。とはいえプロット面の踏襲にとどまりキャラクターや映像的にはいつもの「クローン・ウォーズ」です。

個性的な賞金稼ぎたちが登場しますが、私のお気に入りはセリパスです。シーズン5のガスコン大佐もそうですが、セリパスのようなアプローチでロボット物を描く「ビジョンズ」のエピソードがあっても日本的で良かったのにな、と思います。

18話》からはコルサントで怪獣が大暴れするシリーズ随一の異色のアークです。こちらは往年の怪獣特撮へのオマージュが見て取れるユニークなエピソードです。

シーズン2のクライマックスが、《20話》からのボバ・フェットのストーリーアークです。こちらの記事で詳しく紹介しています。


シーズン3では泥沼化するクローン戦争と悪化するマンダロアの状況、映画「クローン・ウォーズ」後日談の結末、ダソミアの魔女の登場、そして謎の領域モーティスを舞台にしたミステリアスなアーク「フォースの惑星編」など物語が更に大きく動いていきます。