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出雲重機ワークス 1/12アートトイ(2)

アートトイ開発記録の第2回です。長いので記事を3回に分けています。

2014年頃、最初にデザインしたのはRoverでした。当時はまだ名前が無くて「中型機」と呼んでいました。組換え構造については「メインフレームとなるパーツを中心に様々なパーツを付け替えてシルエットがガラリと変わる」ことが方針でした。このアイデアには1984年のアニメ「OKAWARI-BOY スターザンS」の「オカワリメカ」の玩具で遊んだ記憶が影響しています。

出雲2x

Roverはこの企画で生まれたオリジナルでしたが「やはり出雲重機の看板機である「20WT」を」という提案もいただいて、「中型機」に対する「小型機」についてはオリジナルではなく旧アート本の既存の重機デザイン群を更新してラインナップに加える事になりました。ちなみに「Probe20WT」はCADの段階でボリュームが120%拡大され、合わせて設定も一回り大きく変更しています。

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中型機=インタークラスについてはメインフレーム自体に変形機構を設け、また小型機=ミジェットクラスとはヘッドユニットに互換性を持たせて幅広いバリエーションができるように検討しました。
ミジェットクラスでも変形するメインフレームを計画しましたが、そちらは発売中の「出雲重機 INDUSTRIAL DIVINITIES 2017」に詳細があります。

当時は「魔法科高校の劣等生」「オーバーロード」などのアニメの設定作業を進めながら、その合間でデザイン作業を進めていました。メインフレームの構造が固まって以降はその仕様に合わせて既存デザインをリファインしていく形でパーツ単位のデザイン拡充を進め、複数の機体バリエーションを検討しました。

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出雲重機アートトイで目指したのは、もとのアートワークのコンセプト同様に兵器的なものやヒーロー的なもののような(特に男児に向けた)同一視を訴求するタイプの商品ではなく、工事現場や街での用途不明な重機との遭遇/または自律型のロボットや重機が普及した未来の風景、そうした感覚を喚起させるようなものです。

2016年2月のワンダーフェスティバル[冬]にて、3D出力されたテストショットに彩色が施された試作品が初公開されました。ショーケースに飾られた「出雲重機」を多くの人に観ていただくことができました。

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そして、同年のワンダーフェスティバル[夏]において生産資金を募る2つのクラウドファンディングが発表となります。

(3)へ続きます。