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「クローン・ウォーズ」シーズン4の見所紹介

「スター・ウォーズ」ファンの間でも難所となっている「クローン・ウォーズ」をシーズンごとに、私なりの見所や楽しみ方と合わせて紹介しています。

昨今、ドラマシリーズでもクロスオーバーの機会が増え、より深くドラマ作品を楽しみたいという方には特にお薦めしたい傑作アニメシリーズです。

なるべく「結末は見てのお楽しみ」という形で物語のさわりを紹介していますが、完全なネタバレ回避にはなっていませんのでその点ご注意ください。

非常にシリアスな展開が連続するシーズン4では、様々な惑星国家の政治思想や共和国とジェダイの機能的限界が描かれていきます。そして人気のヴィランが13年(劇中では12年)の時を越えて復活を果たします。

本シーズンもストーリーアーク単位でどこから見ても楽しめるので、紹介する見所を参考に気になったアークからでもぜひ。

1話から10話までの見所

レックスの覚醒はサルラックから生還したボバやフィンにも通じる?

1話》からは反乱軍のアクバー提督の故郷モン・カラでの水中の激戦が描かれています。カートゥーン版「クローン大戦」チャプター5のリメイク的な内容ですが、君主制国家の継承権争いというディテールが加わり、その政治思想の問題と理想の両方が示されているように感じました。
君主制の問題については《4話》も共通したテーマと言えます。

人気のドロイドコンビC3POとR2D2が主役の《5話》と《6話》のアークでは、「ドロイドの大冒険」を思わせる少し不思議な旅が展開します。個人的には藤子・F・不二雄のSF短編のような印象を受けました。訪れた惑星での微妙なバランスで成り立つ共存関係、民主主義の勃興、独裁政治、騙され支配される民衆の姿をドロイド達の視点でシニカルに描いており、個人的にお気に入りのアークです。

River run ・・・ 川が流れる
River mouth ・・・ 河口
River head ・・・ 水源
River bed ・・・ 川床/川の底となる地面

オーフニの「なぞなぞ」の意味

シーズン5前半の大きな見所となるのが《7話》からの「アンバラの戦い」です。クローン戦争で数々の戦果を上げる名将クレルがアナキンに代わって急遽501大隊の指揮を任されることになりますが、実のところ彼はクローン達の人格を無視する傲岸不遜なジェダイでした。ジェダイ・シス関わらず勝ったほうに従属するという打算的な思考で、敗北を予期した共和国を見限って裏切ります。

「エピソード3 シスの復讐」における「シスとジェダイには本質的な違いなど存在しない」というパルパティーンの台詞を裏付けるように、彼らはフォースを使いこなせる人間に過ぎず「ジェダイ=善、シス=悪」という単純な構図では表せない事が分かりやすく示されます。

11話から14話までの見所

11話》からのストーリーアークでは、奴隷制復活を目指すザイゲリア帝国が登場します。富裕層が群がる奴隷オークションにはシーズン3《10話》で戦争継続派にいたインターギャラクティック銀行グループ幹部ニクス・カードの姿も。

「奴隷」は「スター・ウォーズ」では度々登場する要素です。法律で禁じているものの中央政府の手の及ばないところで横行し、それが共和国の政治システムの限界と「自由」の暗黒面と言えます。これが銀河帝国の時代になると奴隷制が一般的なものとなり、更には全ての人々が平等に皇帝の奴隷となってしまいます。
ドロイドも人間に隷属する奴隷の代替品のようなもので、ドロイドに対してどういう態度を取っているかもキャラクターを見るポイントになっていると思います。

奴隷救出に大活躍のコバーン提督のクルーザー
モフ・ギデオンのクルーザーはこの艦の後継型

オイシイ場面で活躍するウルフパックのマーキングは総監督デイブ・フィローニがオオカミ好きである事に因んでいます。104大隊は実質フィローニの艦隊ですね。

続く《14話》は単体エピソードですが、デス・ウォッチの状況が大きく変わっている様子が描かれています。ドゥークーへの反目は後に新たな同盟を生み出します。
アソーカの恋、ボ=カターン・クライズ初登場なども見所になっています。

15話から22話+S5の1話までの見所

厳ついシス二人を前にしても堂々と張り合うホンドー

15話》からはオビ=ワンが殺し屋に変装し、ドゥークーの企みを暴きます。映画「フェイス/オフ」のような少し無茶苦茶なお話ですが、オビ=ワンに対し「あなたは僕を騙した!評議会は他にどれだけの嘘をついているんですか!」と激昂するアナキンのジェダイ評議会への不信が顕わに。
この事件ではジェダイの平和維持機能が麻痺しつつあることも分かってきます。「ジェダイの多くが戦争に駆り出され、犯罪組織の手綱を締める者が居ない」というオビ=ワンの悲痛な言葉にパルパティーンが笑みを浮かべます。

劇中、ハーディーンに扮したオビ=ワンが拾うヘルメットはラルフ・マクォーリーによるボバ・フェットの初期コンセプトアートからの転用です。

19話》でアサージ・ヴェントレスは暗殺未遂に怒り心頭のドゥークーによる総攻撃を受け、迎え入れてくれたナイトシスターの仲間をいきなり喪失。この事件はゲーム「ジェダイ:フォールン・オーダー」のダソミア編に繋がります。《20話》では少し成長したボバ・フェットに遭遇し一緒に仕事を遂行します。ヴェントレスは賞金稼ぎとして別の人生を歩み始めます。

真っ赤なタイトルロゴで始まる《21話》からのシーズンフィナーレでは遂に復讐に燃えるダース・モールが復活。(逃げたマザー・タルジンもついでに復活)
2013年の放送当時は新三部作屈指の人気キャラということもあり大きな反響があった反面、アニメでの復活には賛否もあったり、胴体を真っ二つにしたのに生き延びたのは無理があるなど反応は様々だったように思い返します。

シーズン5の《1話》の次は時系列的には《14話》悪の同盟に繋がり、以降のマンダロアを巡る展開にも大きく関わって来るのでシーズン5以降を観る上では必須の重要ストーリーアークとなります。

ルーカスの引退と打ち切り

シーズン4の放送期間中にジョージ・ルーカスが引退を表明します。
翌2014年にはディズニーがルーカスフィルムを買収し、シーズン5は放送中に打ち切りが発表され、制作が進んでいたシーズン6のいくつかのエピソードは後に「ロスト・ミッションズ」という形でDVDでリリースされることになります。
ですから実質的にシーズン5が”最初のファイナルシーズン“となりました。

打ち切りは「新しい映画三部作制作のため」という理由でしたが、次々露呈する共和国やジェダイの汚点、ジワジワとバッドエンドに向かう展開はやはり観ていて辛いものもあり、当時の人気低迷や「クローン・ウォーズ」が敬遠される理由の一因だったようには感じます。

事実「クローン・ウォーズ」に代わって2014年から放送された「反乱者たち」は子供向け路線で明るく希望を感じさせるような導入でした。
だから「クローン・ウォーズ」がダメだったという意味ではなく、結果的に二つのアニメ作品は互いの魅力を引き立たせる良い対称性を生んだように思います。

そんなシーズン5では昨今のスピンオフで重要度が一層増した「マンダロア編」と「オンダロン篇」に加えて、人気キャラとしての地位を確立したアソーカがジェダイを辞めてしまうという衝撃の展開でフィナーレを迎えます。

見所紹介、更に続きます。