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ブルバスター!

10月4日からTVアニメ「ブルバスター」が放送開始となりました。
出雲重機の名でメカニックデザインという肩書きで参加させていただいています。

原作は「タイムスクープハンター」「岸辺露伴は動かない(ドラマ)」「オッドタクシー」で知られる映像制作会社 PICS(ピクス)所属の中尾浩之さん。代表作は「タイムスクープハンター」「『簡単なお仕事です。』に応募してみた」など。アニメーション制作は「幼女戦記」「BLUE GIANT」などを手掛けた株式会社ナットです。

原作の企画がスタートしたのは2017年初春でした。6年半越しで映像化が実現しました。最終的には実写作品化を目指しています。

中尾さんが2006年にMTV JAPANのコンテンツとして制作した「昭和ダイナマイト」という作品があるのですが、本作の源流はそれになると思います。企画初期にひな形となり、そこから想像を膨らませていった感じです。

企画スタートから年月が経ち、ロボット・AI事情も急激に進化してしまって当時のアイデアは若干古くなりつつもあるのですが・・・。


ブルバスターの設定補足

アニメ第1話の補足をちょっとだけ。(詳しい設定情報は小説に!)
ブルバスターはパワードスーツ=パイロットの動作を拡大する外骨格型の最新鋭ロボットです。旧型機のブルローバーがこの世界/時代では普及している一般的なロボティクス重機(建機)の改造型で、これまで2〜3mの巨獣を相手にしていたのでそれで事足りていました。(ブルバスターの大腿の装甲が大きいのはそのサイズを想定していたため。)

パイロットスーツはパワーアシストスーツで、1人で重い備品を運んだりメンテしたりする用途のほか、AIと連動して操縦動作の補佐(多層化外骨格市システム)やパイロットの保護(非常時の生命維持)をしたり操縦データのモニタリングやヘルストラッキングも行います。

必殺武器は「スタンショットミサイル」。充電チャージされた誘導弾が目標に弾着すると電撃を与えます。なぜそのような武器なのか、なぜ自衛隊が介入しないのか・・・そのほか波止工業の活動や社員、巨獣、龍眼島を取り巻く様々な謎がストーリーを追う毎に明らかになっていきます。

追記:
7〜8話の時点で市が国に自衛隊出動を要請するも法的な事情で無理だったという描写が省略されてしまいました。現実も国がスムーズに問題解決ってなかなか無いですからね。アニメは波止メンバーのドラマに絞り込んでいるという事だと思います。興味持たれた方はぜひ原作もどうぞ!

シリーズ序盤の人物・組織相関図
龍眼島のモデルは北九州市の藍島(あいのしま)


コスト重視

本作は怪獣退治モノに経済的な視点をプラスしたテーマの作品です。
それはメカデザインも然り。ミサイル一発デザインするにもお金がかかるのです。後に続く者のために安請負はしたくないが、実写化を目標にする以上ハリウッド映画並に品質の高いものは目指したい。同人企画的に始まったものなのでかなり厳しい制約の中で工夫を重ねて作りました。生々しい話で恐縮です。具体的なデザイン制作のプロセスは放送終了後に公開できたらと考えています。

ブルバスター/ブルローバーはツノも翼もなければ剣も持たず、色もオレンジ一色でケレン味の無い重機然としたロボットデザインですが私はこれがいまの時代、そしてこの作品の世界においては正しいリアルと思っています。
子供向けの玩具として売る事よりSF舞台装置であることが目的なので、ただの道具として描いて欲しいとも現場にリクエストさせていただきました。

主役はあくまで人間キャラクターたちです。働く大人たちに向けた作品です。彼らの活躍にご期待下さい。

原作小説は現在3巻まで発売中です。こちらもよろしくお願いします。
アニメはテンポ優先しているのでかなり早足の展開です。第3話までの間に3週間近くが経過しています。キャラクター個々の心情、メカの設定や組織の情報をより深く楽しむには小説版もオススメです。ぜひご検討下さい。

見逃し配信はLeminoで!

放送情報
AT-X 10/4 21時〜
TOKYO MX 10/4 23時〜
BS日テレ 10/4 25時〜
カンテレ 10/5 26時55分〜
TVQ 10/5 26時〜