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親和、調和、ユニークさ。清水九兵衞 《江戸簪》(江戸川橋)

近隣に大学や博物館、庭園が所在し、どことなく文化的な香りがする江戸川橋。この駅近くのビル脇広場に朱色のオブジェが登場する。

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作品名は《江戸簪》だが、何の形かはよく見てもわからない。《江戸簪》は簡単な水路で囲われており、水路には作品と同じ朱色の金魚や鯉が泳ぐ。作品の色合いと金魚・鯉の調和により、なんとなく古風で雅な雰囲気が漂う一角が形成されている。

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作者の清水九兵衞は「affinity」(親和)をテーマとした作品を数多く手掛けた彫刻家・陶芸家、《江戸簪》と同様に朱色を基調としたパブリックアートアートを全国各地に残している。
割と派手な色、それなりの大きさにして何かはわからない形状、といった主張の強そうな要素を持ちながら程よい異質感にとどまっている様は、確かに文京区のこの土地との「親和」を感じさせてくれる。

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住所:東京都文京区関口1-45-15 日火江戸川橋ビル第一

【参考】
三栄金属工業所. 「モニュメント」. 三栄金属工業所HP
『日本美術年鑑』平成19年版. 「清水九兵衞」. 東京文化財研究所

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