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ホロライブとにじさんじの方向性の違いが明確となった2021年

これからのホロライブはVtuberかつCtuberなのかもしれない

 先日、大手Vtuber事務所であるホロライブのイベントであるhololive IDOL PROJECT 1st LIVE.『Bloom,』にて大型メディアミックスプロジェクトである「ホロライブ・オルタナティブ」が発表されました。

ホロライブ・オルタナティブ PV

ホロライブ・オルタナティブ公式サイト

ホロライブ・オルタナティブ」プロジェクト始動!

 PVはものすごい作り込み用で名だたるプロのアニメーターの方々が制作していますね。

 ホロライブ・オルタナティブの内容はまだ抽象的にしか発表されていないのでよく分かっていませんが、詳細を見たところ、ホロライブ独自の世界観でライバー達が登場するゲーム、アニメ、漫画、3Dコミュニティアプリなどのメディア展開プロジェクトらしいです。

 元々は2019年の冬コミで頒布された公式ブック「ホロアースクロニクルズ」に収録された設定を大幅に拡張した企画との事。

 ホロライブの運営であるカバーはVtuberの運営事務所のみではなくVR技術を使ったエンターテインメントの体験を提供する事を事業にしていたのである種の原点に立ち返ったのかなと思いました。

 Youtubeのみをプラットフォームとして活動する事業形態の脆弱性は前々から指摘されていました。コロナ渦の影響もあって2021年に大躍進したライバー達を活躍の場をホロライブ自らが創り上げるという事ですね。

 ホロライブ・オルタナティブで登場するライバーは、現在Youtubeで活動するライバーとは少しずれた世界線らしいです。つまりVtuberの公式設定を生かした世界観という事でしょう。これはかつてゲーム部が目指したCtuberのさらに発展形だと考えています。

Ctuberについて

 ホロライブのライバー(Vtuber)がホロライブ・オルタナティブにてVtuerの公式設定を生かしたCtuberを演じるという形になるのではないでしょうか。

 Youtubeで躍進したホロライブというVtuberブランドを東方やアイドルマスター、ラブライブ、Fateといったオタク界隈の一大コンテンツを目指しているのでしょう。もしかしたら二次創作が活発に進むかもしれません。

HOLO/ALTの需要の高さと熱量はムーブメントの起こりを感じさせる 

これまでホロライブを『ストリーマー事務所』という小さい枠組みで見ていましたが、最終的にCOVERが目指しているのはもっと大きな枠組み、最近一緒に手を組んでいる『ブシロードグループ』みたいなIPデベロッパーなのかなと思いました。

 ただし疑問点はいくつかあります。これほど大きなプロジェクトを動かすのは運営であってライバーではありません。 

ホロライブオルタナティブ、更地に立った巨大看板

なら当然、その「キャラクター」を使ってどういうグッズ製作や企画立ち上げなどをやるかもカバー株式会社側が持ちうる権利であり、相談という形はあるかもしれませんが報告する義務はありません。
極論言えば、演者がいないところで企画を進めたところで何の問題もありません。道義上どうなの御社とかそういうのは横に置いといて。
んで上記が本当であればこの企画においてホロライブ・オルタナティブに必要なのは「キャラクター」であって「ホロメン」では無いという事実が見えてきます。

 元々、ホロライブはライバーの個性を生かした配信活動をしていたものの、にじさんじよりも箱としての一体感を重視していました。運営の方針が先にあって、その方針上にライバーが配信活動を行うという体でした。

 今回のホロライブ・オルタナティブは完全に運営が主体になっています。ライバーが活動のメインになる事は少ないと思います。今のホロライブはライバーの配信活動の収益、それも再生数による広告料と、スパチャ、メンバーシップによって成り立っている部分が多いです。その収益は、プロジェクトが安定してオタク界隈に定着するまでは、ライバー活動に還元されにくいものに使われる可能性が高いでしょう。

 そして何より、これほど大きなプロジェクトが動くとなると時間、人員、経費など莫大なリソースが必要なはずです。2020年、ホロライブは海外にまで手を広げて大躍進しましたが、あまりの急成長に社内体制が追い付かず、大なり小なり炎上騒動も起きていました。未だ火種がくすぶっているライバーもいます。自分はホロライブは切り抜き程度でしか見ていませんが、外から見ていても中々安定している運営が出来ているとは言い難いという現状だと思います。

 こうした素人の自分が思いつける程度の問題をカバーが想定しているとは言えませんが、優秀な中途採用の即戦力相当の人材は、このご時世、どこの会社でも欲しています。いかに安定した社内体制を揃える事が出来るか、この事業にかかる資金をどうやって調達するのか。疑問は尽きませんが、今はこの壮大なプロジェクトを見守る事しか出来ません。運営からの続報を待ちましょう。

一方、にじさんじはライバーが様々な舞台で活躍するためのサポートをする場となる

 ホロライブが明確に独自のホロライブ世界を作り出す方針をするならば、にじさんじはライバーの芸能事務所としてライバーが様々な舞台で活躍させる場をサポートしていく方針になっていくと思います。

 にじさんじの運営であるいちからは、ゲーム配信者、アイドル、バラエティー、芸人、クリエイター、歌い手などライバーのそれぞれの個性を伸ばして、ライバーが活躍できる舞台を用意したり、活動においてのマネジメントをしていくという事になるでしょう。

 いわば、ライバーがにじさんじを飛び出してVtuber界隈からも飛び出し多数のライバーが活躍して、その結果、外の舞台でファンを増やしてにじさんじ界隈が大きくなるという方針なのでしょう。

Youtube以外での活動を視野に入れたホロライブとにじさんじの図

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 元々AKBや坂道系アイドルの路線を進んでいたホロライブと、男女混合でバラエティ豊かの人材がいるにじさんじではファン層が明らかに食い違ってきたように見えます。

 コアな二次元オタクにはホロライブ、様々な界隈のファンから流れてくるのがにじさんじという棲み分けが出来てくると思います。

 どちらの方針も一長一短で有利不利などありませんが、どちらもヴァーチャル技術を使ったエンタメ体験の発展という目標に違いはないでしょう。2021年もこの2つの箱の行く末を見守る事にしましょう。

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