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就寝用布ナプキンショーツKAANEプロジェクト⑨〜なんでオーガニックコットンなのか〜

オーガニックコットンで解決につながる問題がある!?

素材はオーガニックコットンにこだわろう!と決めた私。
偶然にもOEM製作をご相談しているA社さんがオーガニックコットン製品を扱っている、ということが大きく、オーガニックコットンに出会い、学び、知れば知るほどどんどん恋に落ちていきました。

オーガニックコットンを選ぶことで解決につながる問題があるとすれば、今このアパレル業界ド新人の私が思いつくだけでも3つは思いつきます。

①地球にやさしい
②働く人にやさしい
③身に着ける人にやさしい

それぞれ見ていきたいと思います。

①地球にやさしい?
〜全世界の耕作地で使われる約16%もの殺虫剤が綿花畑で使われている〜

「コットンって実はすごい農薬使われているんだよ」
これについてなんとなく聞いたことはあったものの、あまりシビアに受け取っていませんでした。

だけど、改めて調べてみると・・・仰天。
この約16%が示す数字、どう見ますか?

全世界の耕作地で使われるって一言でいっても、全世界の耕作地のうちコットン栽培に使っている畑ってわずか2.5%しかないんですよ!

すっごい小さい面積の中にものっすごい量の農薬が使われているってことです。
しかも今、例にあげたのは殺虫剤だけですが、このほかにも化学肥料や除草剤も使われています。
なんでこんなに農薬を使わないといけなくなったのか、についてはもちろん理由がありますがそれはまた別の機会に触れることとして。

これがもし有機栽培であれば使用しなくて済む、ということなんです。端的に言ってしまえば。
昔は当たり前にどこもかしこも有機栽培だったんですよね、だって化学肥料が開発されていませんから。
私は農家どころか家庭菜園ですらやったことがありませんが、土が元気だと作物がよく育つことくらいはわかります。

日本のオーガニック基準であるJASに基づくと、3年以上化学肥料・化学農薬を使用しない土壌で育てることが必須条件として項目にあります。
農薬を使ってしまうと、「当たり前」に戻すまでに3年はかかるってことです。
汚染された土壌に雨が染み渡り、川に流れ、それを私たち人間も含む動物が体内に取り込んでいる、と考えた時にどう感じますか。

②働いている人にやさしい?
〜なんで多量の農薬使用がそんな危惧されるのか〜

今来ている服。
そんな農薬まみれの素材で作られているんだ〜ふーん。
でも、今さしあたって不便ないし、健康に問題を感じることもない。
あんまり私に関係ないかな〜。

って、恥ずかしながら私も思ってました。
そりゃ、肌に触れるものだしオーガニックコットンの方がいいに越したことはないでしょう、くらいに。

だけど、綿花畑で働いている人たちのことを想像したことがありますか?
綿花畑近くの地域の住民や、農家やその家族に健康被害が出ているということを。

もし、自分の家族がタバコの煙がもっくもくの部屋で仕事をさせられていたとしたら…?
ものすごく健康被害を心配するし、そんな環境で働かせている状況に腹が立ちますよね。

日本では綿花栽培が事実上0%。
100%を輸入に頼っています。

だから、他人事になってしまいがちなんですよね。身近なところで作っている人がいませんから。
でも今、着ているこの服。下着やタオル。
コットンでできていたとしたら、それは海の向こうの誰かが作ってくれたものなんですよ。
機械が作ったんじゃなくて、人が作ったもの。
人が作ったってのは間違いなく事実だし想像できます。

作ってくれている人たちが元気で、幸せであって欲しいなぁと思います。
だって、私たちはそれを身に着けるんですから。

③身に着ける人にやさしい
〜めぐりめぐってこれが一番最後にくる〜

オーガニックコットンを選ぶことが解決につながる問題が3つあると言いました。
私、最初にまったく逆の順番で書いたんです。

まず、身に着ける人にやさしいと。その後に、働く人にやさしく地球にやさしい、といった風に。
でも書き進めるうちに順番が入れ替わってきて、結果として最後にこの項目がやってくることになりました。

オーガニックコットン自体がどのくらい私たちの健康に貢献するのか、というデータは取れていません。
個体差があるし、個人の感覚の違いもあるし、不確定要素も多く、きっとわからないのでしょう。

本当にこれがオーガニックコットンなのか?というトレーサビリティの問題や、栽培方法は有機だったけれど、その後の加工の段階で薬品づけになる、なんてこともあります。
生粋のオーガニックコットンを生地にしたらゴワゴワすぎて使い物にならないよ、と言われたこともありました。

となると、オーガニックコットンにこだわる理由ってなんだろう?
身に着ける人にとっていい、というのはかなり不明瞭なことであり、カッコ付きで「いい(かもしれない)」ものにそこまでこだわるのって?

私は、自分の身の周りには、ハッピーなものをおきたいなと思いますが皆さんどうでしょう?

苦しみや不健康じゃなくて、幸せで元気なものがいい。
そうしてモノを選ぶことができる時って、やさしい時であり、なにより自分を大切にしていることに返ってくる。
そのひとつがオーガニックなのかなと思います。

現時点で私自身だって身の回りにあるものでオーガニックコットン製品のものってほんと数えるくらいしかありません。
全てをいきなり変えることはできない。
できることは、まず、今持っているものを大切に。
そして必要なものを買う時には、誰がどんな風に作ってくれたものなのか、というのを意識し始めるということでまずは十分なんだと思います。

そうして、意識し始めた人たちが手に取れるように、KAANEはオーガニックコットンにこだわった製品を準備して待っていたいなと強く感じています!

参考・引用文献:
葛西龍也(2021)『セルフ・デベロップメント・ゴールズ SDGs時代のしあわせコットン物語』双葉社
宮崎道男(2010)『オーガニックコットン物語』コモンズ
本オーガニックコットン協会"どうしてオーガニックコットン"https://joca.gr.jp/main/why-organic-cotton/(2021/12/3)

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