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社会が便利になればなるほど、現代人が忙しくなる理由。

2019.08.05 21歳

今回は現代社会の仕組みがテーマである。僕が社会に抱く違和感の正体を徹底的に暴いていこう。はじめに今の社会はどのように成り立っているかを確認することにしよう。

【現代日本社会は資本主義制】

日本は資本主義を採用していて、利潤と効率性を上げることで人・モノ・お金の循環を活発にし、経済を発展させていく。

お金を稼ぐためにモノを生産する。モノを生産するために人を雇う。労働によって稼いだお金で労働者がモノを買い、消費する。

この生産消費活動が大規模化・活発化し、モノで溢れた物質的に豊かな国、そして雇用が充実した金銭的に豊かな国が、現在の日本である。

【なんのために経済発展するのか】

お金とモノと雇用が安定すれば衣食住に困る人は減るので、社会が発展するのは良いことだ。しかし日本はすでに物質的に豊かな国で、飢えて死ぬ人はいないどころか、むしろ大量のモノが捨てられている。社会保障の質が高いかはさておき、制度上の扶養もある程度充実している国である。

では、これ以上豊かになることで得られるものは何だろう。つまり、何のためにこれ以上経済を発展させるのかを考える段階に来ているのではないだろうか。京都にある限界集落で聞いた話を例に挙げる。

時代は50年以上前、一家に一台洗濯機が置かれるようになった。手洗いだった頃は、洗濯のために相当な手間と時間を割く必要があった。だからこそ洗濯機を見たときには、これからの時代はどれだけ便利で楽な生活ができるのだろうと想像したのだそうだ。

【なぜ忙しく働きつづけるのか】

たしかに現在では、ボタンひとつ押すだけで洗濯が終わる便利な時代になった。でもその短縮された時間を使って、人間は働き続けている。

全然生活は楽にならなかった

村民が期待した生活は成立しませんでした。

今、新幹線があることによって東京大阪間を3時間弱で移動できるようになった。昔何日もかけて移動していたのに比べれば、なんて楽な社会になったことだろう。そしておそらく、今後さらに短縮されていく。

でも、どんなに便利になったとしても、生活が楽になることはない。空いた時間で人間は働いてしまうからだ。

大いなる矛盾がこの社会には生じている。

どうしてこれほど発展した社会で、長時間労働が問題になっているだろう。便利になっているはずなのに、どうしてやることは増え続けるのだろう。

そもそも、人間が生きるために必要とされる仕事量が時代によって大きく変わることはないはずだ。それなのに仕事が増える理由は、さらに便利な社会にするためか、もしくは本当は必要のない仕事が増えているからだ。

経済活動のスピードを落とせば、この競争市場主義社会のなかで生き残ることはできない。だから競争相手に負けないために発展し続けることを余儀なくされている。

でも自分たち自身を消耗させて、地球環境をも消耗させて、それで手に入れられるものって一体何だろう。すでに充分便利なのにそれ以上の発展を求めれば、永遠に真の豊かな生活は訪れないのではないだろうか。

新しい社会の方向性を考える時がやってきている。

【これからの時代、どこに向かおう】

海外に目を向けると、日本とは真逆の出来事が進行しているということはよくあることだ。アフリカでは人口が増え続け、食糧不足が問題となっているのに、日本ではフードロスが問題視され、少子化が深刻化している。

同じように、途上国と日本を含めた先進国の発展の在り方を同じ土俵で考えるべきではない。経済発展は無意味だと主張するつもりもない。

しかし先進国だからこそ、これからの時代に適合した新しい価値を考えることが求められているのではないだろうか。

改めて問う。何のための経済発展ですか?

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