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春、桜、ヒロメ。

春の海の日常。


桜が所々に咲いている。

野生の桜は日本に十種類。
山桜はそのひとつに過ぎない。

桜は桜でもいろいろあって、
できればちゃんとフルネームで呼びたいのだけれど。

海から集落を眺めている。

ここの地域の沿岸沿いは落葉樹ははえてない。
だから年中景色は大して変わるものじゃない。

けれども毎日少しず緑の色が変化する。
春は鮮やかな緑だ。

山の話のついで。

沿岸部では塩に強い塩生植物しか生き残れない。
風が強くあたる斜面の木々は茶色く塩枯れしている。

マツ・ウバメガシ……。
あとはなにがあるのだろう。

今まで発見された地球上の生物は約175万種で、
植物に限っても約27万種だと聞いている。

とてもじゃないけど覚えきれないのだ。


山から海に視線を変えてみると、
足下になにやらユラリユラリ。

これがヒロメ。

食べ方はワカメとほぼ同じ。
ワカメの三重県版といったところ。

採るタイミングがとても重要で、
遅すぎると「たけっている」と言って、
硬くてあんまりな感じ。

触り心地がヌルッとしていて柔らかいときに、
さりげなく採って袋に入れておく。

それを持ち帰って真水でひたすら洗う。
そして食べやすいサイズにちぎっておいてから、
鍋に入れて茹でる。

茹でると色が変わるのも、楽しむ。

余ったら冷凍しておけば、
年中ヒロメが食べられる。

モズク・アオサノリ・ヒロメ・アカモク・ヒジキ。
このへんの海で採れる春の味覚が、食卓に賑わせてくれる。

春とは、豊かな季節なものですね。

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