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先生と僕

僕はその人を常に先生と呼んでいた。
だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。

夏目漱石の『こゝろ』のような書き出しとタイトルにしてみた。

幼稚園のかなりや組、そう年長さんの時、
有線放送で「ぼくのゆめ わたしのゆめ」で
夢を生まれて5.6年程で考えさせられた。

おもちゃやゲームを考える人か、
学校の先生かで悩んだ結果、
同級生で校長先生になりたい子がいたため、
前者を口にした。

小学校は小学校の先生
中学校は中学校の先生
高校は高校の先生
になりたかった。

鉄板ネタは
小2の校長室で昼休みに給食を食べた話。
中学時代、僕だけいない集合写真が卒業アルバムに載っている話。
大学受験の滑り止めで女子校を勧められた話。
の3本といったところか。

ちなみに一瞬、本屋さんとか小説家とかにも
憧れたけど。
結局すぐに戻ってきた。

そして第一次大学時代
国立に落ち、仮面浪人を考える中、
幼稚園の男の先生はバスの運転手になると言われ、
小学校と中学校社会の免許をとった。

教育実習では、
中学校は母校へ。
小学校は大学1年の時からお世話になっていた学校にいけないことから狂い始め、
教員採用試験も受けず、
99%受かると言われたセミナーに落ち、
毎週カウンセリングを受けることになる。

そして人生で初めて先生の夢を捨てる。

それから年月が経ち、
上手くいかない人生に嘆き、
LINEのタイムラインの呟きにコメントをくれた
高校の国語の先生にタメ口で返してしまう。

その2ヶ月後、先生と母校で再会し、
国語の先生はどうかという話になる。
時を同じく、同じ塾で働く先生の彼女が、
通信で免許をとる話を耳にする。

期限が迫っていたこともあるが、
1週間足らずで入学を決める。

第二次大学時代は、
2年計画であったが、
母校での教育実習を受けるのに1年前の申請が必要となり、3年計画となる。
しかし、2年に満たない期間で必要な単位を全てとると、
教育実習免除の可能性が浮上した。

年末年始に大学を行き来した結果、
2年であっさりと卒業することになり、
中高国語の免許、学校図書館司書の免許をとることができた。

そこからの一年間が、まさに今終わろうとしている。

公立の採用試験を一次だけ受け、
合格したことが自信に繋がった。

コロナは寧ろ追い風で、
勉強時間の確保ができた。

自己開拓しつつ、派遣先からの紹介があり、
学校採用となった2021年春。

まもなく28歳を迎える僕が、
社会人一年生として、
教壇に立とうとしている。

夢の実現まで20年以上かかっちゃったけど、
昔の僕、ひとまず叶ったよ。
だから努力はムダだとか散々言われても、
頑張ってきた成果が出たんだよ。
きっと。

生徒に負けないくらい、
これからも勉強していきたいと思います。

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