好きなことを仕事にするチャンスは絶対に逃してはいけない
たとえば働く場所を選ぶとき。
たとえば異動の希望を出すとき。
あなたが自身の仕事を選択する機会は思っているよりも少なくない。
そしてそんなときには、さまざまなアドバイスや忠告を受けるものだ。
よく言われる言葉がある。
好きなことを仕事にすると辛いことも多いし大変だよ。
好きなことも嫌いになってしまうかもしれないよ。
だから好きなことを仕事にするのはやめておいた方がいいよ。
典型的なアドバイスだろう。自分も言われたことがあるし、正直、そう言ってしまったこともある。
確かにそういうこともあるだろう。
ものごとが思うように進まないとき、あなたが正しいと思うことができなかったりということはある。しかも、あなたよりもソレを好きでもなくどうでもいいと考えている者の声によって。
あなたが好きなことだからこそ、胸のうちにある矜持を曲げなければならなかったとき、心が折れそうになる。実際に折れてしまうこともあるだろう。
だから、自身の『好き』を守るために、それを大事に安全な場所にとどめておこう。『好き』は趣味の範囲にしておこう。という判断は、選択肢としてはあるし、それはそれで賢いのかもしれない。
しかし、それはあなたにとって最高で最適な選択だろうか。
もうひとつよく言われる言葉がある。
しない後悔はした後悔の何倍も悔いが残る。
つまりはそういうことだ。
歳をとって人生を振り返ったとき、
「もしかしたらあなたの『好き』が仕事となって、苦しくとも充実した宝物となっていたかもしれない」
というチャンスを自ら捨ててしまったことに対して後悔はしないのか。
だからはっきり言おう。
チャンスがめぐってきたらそれを逃してはいけない。チャンスを得るためのチャンレンジはしたほうがいい。
好きなことを仕事にするチャンスを手にするために足掻くことは間違っていない。
幸運の女神の前髪をつかむために手を伸ばせ。
自分はかつて一度幸運なことに、本当にやりたい仕事をやる機会があった。
数年間のプロジェクトの中では、外からの横槍、内部の横暴、どうしようもない不運など、当然のようにあり、本当にいつ心が折れても、いつそれが嫌いになっても、おかしくない日々だった。
プロジェクトがなんとか着地完結したとき、自分は心の底からやってよかったと思った。
その仕事が世間に爪痕を残せたのかはわからない。プロジェクトの事後分析をみる限りでは、たぶん残せなかったのだろうと思う。それはそれで悔しいことではあるが、現実とはそんなものである。
だが少なくとも自分の中ではその仕事が煌めく宝物として生涯の誇りとなって残っている。あのとき諦めなくてよかった。心底そう思う。
だから繰り返し言おう。
好きな仕事を手にするチャンスは逃すべきではない。
もしその結果、好きなことが嫌いになってしまっても、それはそれでいいのではないか。
そもそも、ちょっとやそっとで嫌いになるようなら、それは本気の『好き』ではなかったのではないか?
そして残念ながら好きが嫌いになってしまったときは、また別の『好き』を見つければいい。
第一、一度嫌いになったとしても焼け木杭に火がつくことだってあるではないか。時をおいてまたあなたの『好き』に対する想いが戻ってくることだってあるのだ。
だから。『好き』を求めるためのチャンスを手放さないで欲しい。
実のところ、ここまで書いてきたことは、今まさに自分に対して言いきかせているものなのだ。
いつだって、いつまでだって諦める必要はない。自分の『好き』を手放さないように何度だってチャレンジしていこう。これはそんな自分に対する意思の宣言である。
24年3月22日 初出
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