ネットの中の自分は本当の自分なのか?それは誰もわからないし、自分にもわからない
例えば手紙などのやりとりなど、直接会わない関係でのおつきあいをしていると、実際に会ったときなどに自分の思っていたイメージとのギャップに戸惑うことはよくある話である。
特にネット環境が充実した昨今では、公私問わずにメールでのやりとりで事足りてしまうわけで、文字ベースでの人間関係は否応もなく増えてきている。
で。メール上ではかなり長いつきあいでも、オフ会の席などで直接会うのは初めてだったりすると
「え、こんなヘンな人だったなんて」
とか
「あれ、意外とマトモな人やん」
とか、驚くことは日常茶飯事なのではないか。
まあ考えてみれば、無為に波風立てることなく社会に埋没し、フツーに生活することを是とする。そんな小市民たる我々である。マジでガチの素の自分を外に垂れ流すようなことはそうそうないわけで、要するにある程度は人当たりの良い仮面をつけるのはあたりまえなのだ。
そんな意識的な書きっぷりとは別に、普段よく会う親しい中でも文章でのやりとりになると、なぜか物言いがきつくなる人や、バカ丁寧で慇懃になる人、妙に堅苦しい文になる人もいたりする。
要するに自分の思いを文章化する際に、無意識のうちに自己演出してしまっているということなのだろう。
自分が思っているパーソナリティをうまく表現するのはなかなかに難しいという話である。
さて、この日々のぼやきのようなコラム、自分ではなるべくふつうに、言文一致を心がけて書いているつもりである。普段の素の自分に近いノーブルでノーマルな日常での会話そのままにやっていこうと思っている。ここまで読んで気づいたかもしれないが、自分は面白おかしい人間などではない。基本、陰の者であり、偏屈で捻くれ者の自分が出ている文だよなあ、と自分でも思っている。
が、あにはからんや。なぜかどうしてか知り合いに会うたびに、“本人の印象と全然違う”といわれてしまったりしているわけですよ。冒頭に書いた印象コメントがそれ。いいかげんなのか生真面目なのかどっちつかずのキャラ設定で、なんとも落ち着きどころがない感じじゃないか?
いったい自分をどういう人間と思っていたのだろう。不安になるんですけど。小心者の小市民だからさ!
そういえば、自分と直接面識があった人が、自分のことを「『愉快な人だったですよ』といっていたよ」といわれた記憶もあるぞ。そりゃ人に会うときは意識的にテンションのレベルを上げるようにしますけどね。そんなに自分を偽ってるつもりはないんですけれど。
ま、いいか。所詮、人生は誤解と勘違いの連続なのだ。
ともあれ、知り合いですらそういう印象なのだから、この記事をみてくれたかたが自分のことを、ほんとうの本人とはまったくかけ離れた突拍子もない人間だと思い込んでしまったとしても無理はない。
そして、それをわざわざ訂正するというのも芸がないようにも思ったりもする。そもそも訂正のしようもないけれど。意図的に別人格を演じるつもりはないのだが、結局のところ、読んで感じた印象がすべてってことでいいんだろう。
というわけで。以上、自己紹介のような、そうでもないような話からリブート版スタートします。
初出タイトル「ネットの中のワタクシ」99年5月30日 初出
24年1月6日 改稿
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