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9月と6月はダメな月


自分の中で、9月と6月はダメな月。やっとそう自覚できるようになった。


2021年も9月に入り、自分は普段通りTwitterを見ていると、フォロイーがリツイートした「September」の動画がTLに流れてきた。Earth, Wind & Fireが軽快なリズムとともに踊り奏でているその有名曲は、自分に懐かしさと焦りをぞんぶんに与えた。もうそんな時期!?という焦りと、去年もTwitterで見たなあ、という懐かしさだった。去年自分が目にしたのはEarth, Wind & Fireの動画ではなく、俳優・コメディアンであるポール・ラッドがTV番組などで踊っている様子を切り貼りし、Septemberの音源に合わせて踊っているように見せる動画がTL上に流れてきたのだった。なぜそんなものを覚えているかと言うと、去年の自分も今の自分と似たような感情でSeptemberを聴いたからだ。

2020年9月の自分も疲れて、嫌気がさして、投げやりな気持ちで、上手に踊るポール・ラッドを眺めた。沈んだ気持ちがポール・ラッドの茶目っ気とEarth, Wind & Fireの音楽ですら完全に救われることはなかったが、どこか心がほぐれるのを感じてブックマークに入れた。辛い時には見返そう、と何度か動画を観に行ったら、気づいたら10月に入っていて自分に小さく呆れたのを覚えている。

そして約一年が経ち、2021年の自分はなぜか普段より重い生理、突然の低気圧、終わらないどころか激しさを増すコロナ禍、そして試験の疲れによって不意にグラスを落として割り、部屋で一人呆然とするなどしていた。グラスは百均で買ったとはいえ、愛用していた物との別れはさみしいものだし、その原因が自分の注意不足であれば自責の念も湧く。ただただ自分をがっかりさせるイベントが立て続けに起こる中、おおよそ一年ぶりにSeptemberを聴いた。ああ、落ち込みはするけどこれ去年と同じだな。9月ってそういうものなのか。そう思ってしまえば多少諦めもつく。

9月はそういう月なのだ、と捉えるようにすると、もう一つ自分には思い当たることがある。自分は毎年6月も、お約束のように上手く行かない月なのだ。なんだか言いようもなく重苦しい気分が続くし、失敗が目立つし、体調も優れない気がして、とにかく元気が出ない。ここ最近でようやく6月はそういった「何をやってもなんだかダメな月」と捉えられるようになった。9月も同じことだ。急激な気温の変化だとか、気圧が低いからだとか、周囲の環境の変化もあるかもしれない。

6月に加えて9月も「何をやってもなんだかダメな月」に新規加入させることにしたが、この傾向はもしかして年々増えていくものなんだろうか。6月と9月に限らず毎年「4月もダメかも」「やっぱ12月もダメ」と、歳を重ねるごとにダメな月が増えていったりして。でもいいか。自分にはポール・ラッドがSeptemberのリズムに乗りながら踊る動画を思い出すことができる。そしてEarth, Wind & Fireのあの歌は例え9月以外の月に聴いたとしても、どこも素晴らしさが欠けることはない。もちろんポール・ラッドのダンスも。


【追記】

大抵何をやっても上手くいかない9月だが、温かい紅茶を入れて本を読むと多少やって行ける気になってくる。そのうちまたうっかり手を滑らして、紅茶を入れるマグカップを割るまではこれで乗り切れるはず。

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