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白浜維詠
2021年12月12日 07:58
第二話・五条の干瓢僕と光る君の17歳の夏。あれは五条の家の干瓢の花が開いていた頃でした。「んもう、光る君がお見舞いに来て下すったお陰であたしったら病気が治るどころか若返っちゃうかも〜」なーんて、光る君を前に調子のいい事を言っているおばさんは…僕の母です。ここは平安京の五条にある僕の実家。病気がちになって臥せっている僕の母の見舞いに源氏の大将こと光る君が来て下さったので、母を
2021年12月12日 17:56
程なくして光る君は夕顔の花をくれた女主人と逢瀬を重ねるようになりました。夕顔の君との逢瀬から帰った光る君のデレデレしたにやけ顔といったら!あれを脂《や》に下がっている。って言うんだな。って僕は思いましたよ。「で、さ~あの人が頼りなく僕の胸にもたれるところなんて男としてはもうたまんないんだよねえ…ちょっと惟光くん聞いてる?」「はいはい聞いてますよ」こっちは雑用が立て込んでいて忙