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電波戦隊スイハンジャー

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神も仏も小人も天使も異星人も暴れるヒーロー戦隊もの
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#アメノウズメ

電波戦隊スイハンジャー#166 渦女、岩戸を開ける

電波戦隊スイハンジャー#166 渦女、岩戸を開ける

第九章 魔性
渦女、岩戸を開ける

山梨県甲州市勝沼町の㈱勝沼酒造本社敷地内にある小さな神社、
蔓草弁財天は大正10年、創業者の勝沼徳之助によって造営された。

da.dadada.dadadada.da.dadada.dadadada…

吉祥天女の衣装を身に纏った銀髪銀目の女がスネアドラムの細かい旋律に合わせてゆっくりと右腕を振り上げると、羽衣の端が空中に舞い上がる。

天女が裸足で跳躍し、右

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電波戦隊スイハンジャー#171 役白専女

電波戦隊スイハンジャー#171 役白専女

第9章 魔性、イエロー琢磨のツインソウル役白専女1

中学教師、七城正嗣は学校の帰りに温泉ドームの浴槽にあごまで浸かり、凝った筋肉が湯の中でほぐれていくのを感じて、

うん日常捨てたな。

と自覚するまで大浴場、サウナ、水風呂、ジェットバス、露天風呂を二巡する。それが週に1~2回の彼のストレス解消のひとときである。

気分よく鼻歌歌いながら軽自動車を運転して、自宅である泰安寺の駐車場に3台の原付を

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電波戦隊スイハンジャー#172 役白専女2

電波戦隊スイハンジャー#172 役白専女2

第9章 魔性、イエロー琢磨のツインソウル役白専女2

苦しみの根源は自分が自分であり続けることで、唯一の後悔といえば、
生まれて来てしまったことだ。

青く輝く水の中に自分は横たわっていて、時折目覚めては水面に輝く光のかたまりをただ見つめていた。

自我も無く、生きるために必要な情報を「学習」するために様々な夢を見させられている内に

…生まれることがとても恐ろしくなったのだ。

やがて、自分は栄

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電波戦隊スイハンジャー#173 役白専女3

電波戦隊スイハンジャー#173 役白専女3

第9章 魔性、イエロー琢磨のツインソウル役白専女3

本当の魔性の正体とは、
電波の箱から綺麗ごとを述べて笑顔を振りまいて人々を心酔させ、お金を剥がしとる華やいだ存在なのかもしれない。

と思いながら紺野蓮太郎は京都北区の上賀茂にある大田神社の拝殿の鈴を鳴らし、柏手を打つ。

蓮兄ちゃまは東京でのチャリティイベントから帰ってからなんか様子がおかしい。

と従妹の四宮蓬莱も隣で一緒に拝みながらちら、

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電波戦隊スイハンジャー#174 役白専女4

電波戦隊スイハンジャー#174 役白専女4

第9章 魔性、イエロー琢磨のツインソウル役白専女4

目の前で差し出されるのは
指環をはめた手、ふくよかな手、痩せて筋張った手、そして、

全てを掴もうとするかのような大きな手。

世界的指揮者クラウス・フォン・ミュラーは50年近いの音楽人生の中で一体何万人もの人々と握手してきただろう?
と振り返る。

名も知れぬ聴衆8割、世に知られた何者かである有名人。芸能人、富豪、王族、政治家等が2割。

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電波戦隊スイハンジャー#176 役白専女6

電波戦隊スイハンジャー#176 役白専女6

第9章 魔性、イエロー琢磨のツインソウル役白専女6

ここは一体どういうところなんだい?

役一族の長老、白専女は困惑していた。

それまで籠められていた牢から出された白専女は目隠しをされてしばらく歩かされている間、やっと新鮮な外の空気を吸えたかと思ったら、今度は別のお邸の一室に籠められてしまった。と背後で戸が閉まる音で気づき、多少なりとも落胆した。

どんなに無抵抗を貫いても叛徒の疑いは解けない

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電波戦隊スイハンジャー#209 真•渦女、岩戸を開ける

電波戦隊スイハンジャー#209 真•渦女、岩戸を開ける

第10章 高天原、We are legal alien!真•渦女、岩戸を開ける

人間の認識にとっては破壊と創造を意味するその楕円形の白い閃光を目視で観測できたのはこの銀河系でも彼一人だった。

「高天原銀河で超新星爆発発生。
質量は太陽の80億倍。王子の予測通りの刻限に起こりましたわね」

ここは高天原銀河から二億光年離れた天の川銀河外縁部に位置する太陽系第三惑星、地球の月の軌道内。

自律式有

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