見出し画像

恒星空間 天体 宇宙の力・電氣           万象万物を表現するカムヒビキ(2)       【直観物理と相似象 その 14】


3 恒星空間の有様

 現代科学によれば、私たちの住む地球の物質組成は、ほとんどが、固体、液体、気体です。ところが、地球の大気圏上層の電離層より上空に拡がる、宇宙空間は、99.99%がプラズマで成り立つ世界、すなわち、マイナスに帯電した電子と、プラスイオンとの混合状態であり、電氣的に通電可能な空間の拡がる世界となります。プラズマ内を通過する電氣の電流密度は、地上の電氣に比べればずっと小さいのですが、プラズマ自体の拡がる空間が広大であるため、総体的にはフィラメント状の大電流が流れることになります。現代科学的にえば、通電が生じると、磁氣が発生し、電磁氣現象が生じ、それによるチカラの発生が見られるとしています。
 カタカムナ人は、直観により、宇宙の構成空間は、このようなプラズマに満たされた世界だということを知っていました。しかし、その構成の仕方や、プラズマの物理に関しては、現代物理とは考え方が異なっています。以下のカムヒビキは、その有様を伝えるものです。

  アマカムナ アマカムヒビキ
   タカマトコ ヤホチホ ウケクモ トヨチ カム
   イカツ ウキフヌ マクカラミ
   マカカ ハコクニ ヒフミタマ

現代語訳(「相似象」第4号による)
 「宇宙の虚空は、無限に拡がり、全く目には見えないが、ウケクモ(恒星空間物質)が充ち満ちている。そのウケクモが帯層に凝縮して、電氣とプラズマの濃密に集まっている場(電氣層)と稀薄なところとに分かれて、虚空に分布している。また、ウケクモが、磁氣や力の位相を示し、やはり帯層となって分布しているところがある。また、マの図象文字の形、すなわち、正・反の偶力の対向と、それによる運動によって、大小の物質、すなわちハコクニが発生している。このように、宇宙の虚空には、ウケクモが多量に凝縮した球状天体が数多く分布し、その外側には、球状に展開する力の、強く働く場、すなわち、引力斥力の場がある。光を放出するたくさんの恒星は、ヒフミヨイと、循環しつつ、新陳代謝している。」

「相似象」第4号 143ページ

 <タカマトコ>とは、宇宙の虚空の意。トコは宇宙に敷かれている、互換重合のトコ(床)の意です。
 
 <ヤホチホ ウケクモ>とは、「無限に拡がる虚空には、恒星空間物質(ウケ(宇宙の氣)のクモ)が、雲の如く充満している」と言う意味を表明しています。
 
 <トヨチ カム>とは、目に見えない虚空のウケが、無限遠に続く様子を表しています。

 <イカツ ウキフヌ>とは、「一般に電離層と呼ばれる、電氣とプラズマの層が、密度の多い所(フ)と、密度の稀薄な所(ヌ)の状態で、分布している。」という意味を表しています。
 
 <マクカラミ>とは、「虚空には、磁氣(マクミ)や力(カラミ)の位相を示す帯層が賦存している(「帯」はある幅をもち、「層」はある厚みをもっている)」と言う意味の表明です。
 
 <マカカ ハコクニ>において、図象文字で表したマのカタチを見れば、正・反のムカヒ(対向)によって、メグリ(旋転)のイゴキ(運動)が始まることが示されています。したがって、<マカカ ハコクニ>とは、「正・反の力がかかわり合って、ハコクニを成す」の意です。

マ の 図象文字

 この図象文字であらわされる現象が総てのハジマリであり、マのカタチであり、運動のカタチです。そして、そのようなカタチから、モノが発生するのです。ハコクニとは「箱のように囲われてクニになる」の意で、クの基底思念は自由、二のそれは固定であるので、「マから自由に固定されて、有限の物体が生成される。」という気持ちを表します。原子も、人間も、天体もハコクニです。すなわちマカカハコクニとは、すべての物(ハコクニ)は、マカカ(マが正反に関わり合う)の運動から発生する、というヒビキです。
 <ヒフミタマ>は、「光を放出するタマ、すなわち恒星が、虚空には、多数賦存している」と言う意味のヒビキです。

電離層

 電離層とは、科学では、「電離物のある層」のことを言います。電離物とは、「中性物質(分子原子)が、電子を分離したもの、すなわち、プラズマと電子の層」という解釈をしています。地上の電波は、この電離層によって反射されることは知られていますが、その機構に関しては、未だ不明です。また、電離層と、そうでないところができるのは何故か? ということも解明されていません。電離層という名前のいわれは、物質から電氣が離れて、それが地球上空に集まった、という考えからですが、カタカムナの直観物理では、そのような解釈はしていません。
 カタカムナ人の直観によれば、宇宙空間(タカマトコ)に充満している電氣の海は、物質から離れたものではなく、宇宙の氣(ウケ)が生産したものであり、宇宙には、電氣の密度の濃淡(イカツウキフヌ)や、磁氣や力の位相を示す層(マクカラミ)がある、ということなのです。このイカツ(電子)ウキフヌ(中性子陽子)が別々の層になっている所を、現代科学は、電離層と呼んでいるのです。イカツ、ウキフヌがマのカタチになれば、ハコクニ(種々の原子等)が発生します。
 電磁氣現象の考え方も、現代科学と直観物理とでは大きく異なっていて、科学では、電氣と磁氣を、直観物理のような集積位相として観る考えがないために、発電等における、電氣と磁氣が自由に関する周知の現象も、どうして変換するのか? という問いに対しては、説明ができない状況です。また、磁氣がある以上、磁氣のエレメントが存在する筈だと考えられているので、「電子」の存在は認められるのに、「磁子」は未だに見つからぬ理由もわかっていません。
 カタカムナ人は、磁氣はイカツ(電子)の位相と観じ、イカツを捲いて出ると言う意味で、「マクミ」と言っています。また、イカツミ、マクミにからんで発現するアマの力を、「カラミ」と言っています。つまり、磁氣(マクミ)も力(カラミ)も、イカツの位相であるから、自由に変換し得るものですが、ほとんど固定的に、電氣の面だけ、磁氣の相のみ、力だけの場を表すものがあることを観じていたのです。天然に磁石が存在するということは、その相似象として、巨大現象もあり得るということです。また、磁氣のNとSは、電氣の正と反の相似象と観ることが出来ます。
 イカツと電子とは、厳密には同一のものではありません。「電子」には、集積位相のイカツミ・マクミ・カラミといったものがないからです。イカツはアマのマリであり、位相の「カタヨリ」によって、電氣、磁氣、力を表します。あるいは、カタヨリが固定してしまって、他のものの位相が出にくいものもあります……。このような観方をする直観物理は、決して荒唐無稽なものではなく、現代物理学とは全く異なる、現代人にとっては新しい視点からのものなのです。その新たな観点が、電磁気学の根本的な疑問に対する回答を与えてくれる可能性が大きいとして、大いに参考になるものです。

参考 プラズマが銀河を形成する(プラズマ宇宙論)

 直観物理では、宇宙の電氣が生命現象を発生させていると観ています。さて、現代科学における宇宙論の中では、宇宙天体の運動に関して、宇宙空間に流れる電磁氣の役割を重要視しているのが、プラズマ宇宙論です。これは比較的新しい科学分野に分類されるもので、天体の運動を生命体の活動と捉えれば、直観物理と相通じるものがあり、直観物理の考えを取り入れれば、更に宇宙論に拡がりが見られると考えられ、参考のために、以下に、プラズマ宇宙論の簡単な解説を、他サイトより掲載させていただきました。

ビルケラン電流

 宇宙に存在する4つの力、すなわち重力と電磁気力、強い力、弱い力のうち、核力である後者2つは力が及ぶ範囲が極めて限られている。これに対して、重力と電磁気力の及ぶ範囲は理論上、無限大である。それこそ宇宙の果てまで作用する。
 大量の電気が流れ、強力な磁場が存在すると、いったいどんな現象が起こるのか。宇宙の果てまで作用する電磁気力は重力以上に、天文現象に影響を与えているのではないか。
 宇宙空間が単純な真空ではなく、電気伝導度の高いプラズマで満ちているとなれば、電磁気力こそ宇宙を支配しているといっていい。プラズマが電磁気エネルギーを全宇宙に運ぶ媒体なのである。

 宇宙空間には電流が流れている。最初にそう主張したのはノルウェーの物理学者K・ビルケラン(Kristian Birkeland 1867 - 1917)であった。彼は極地方に発生するオーロラがプラズマ現象であることを理解した上で、それを生じさせる地磁気とイオンが宇宙空間にまで広がっていると推理。星は進化する過程で大量のプラズマを宇宙空間に放出していると予言した。
 予言は的中し、宇宙空間はプラズマで満ちていることが確認され、大量の電気が縦横無尽に流れていることが判明した。今日、宇宙空間を流れる電流は彼の名にちなんで「ビルケラン電流」と呼ばれている。

K. Birkeland

 電流が流れるとそこに磁場が生じる。ビルケラン電流があると、それを中心にしてプラズマが生まれる。と同時に、プラズマはビルケラン電流の媒体となる。ビルケラン電流によって生じるプラズマ流のことを「プラズマ・フィラメント」と呼ぶ。ビルケラン電流があれば、そこにプラズマ・フィラメントが必ず生じる。そして、その周りに強力な磁場が発生する。複数のプラズマ・フィラメントが接近すると、その周囲に発生する磁場によっ
てビルケラン電流が同じ方向に流れるもの同士が互いに引き合う。ピンチ効果と呼ばれる現象によって、2つのプラズマ・フィラメントは絡み合うようにして合体。まるでしめ縄のように大きなプラズマ・フィラメントとなり、渦巻き構造の高エネルギー領域を生み出す。
 プラズマは質量を持っている。巨大なプラズマ・フィラメントは自らの重力によって収縮し始める。すると、収縮運動がまたも新たなビルケラン電流を生成。そのビルケラン電流は例によってプラズマ・フィラメントを形成する。重力が電磁気力に変換される形で、プラズマ・フィラメントは成長する。

 かくしてプラズマ・フィラメントは巨大化して銀河の渦巻き構造を生じさせ、宇宙空間にビルケラン電流の送電網を形成していく。
 言い換えると、プラズマ・フィラメントが銀河を形成し、銀河から噴出するプラズマ・ジェットがフィラメントとなって宇宙空間に広がる。フィラメントはそれ自体が電流であり、磁場を作る。銀河が銀河を生み、さらに銀河団を作る。銀河団は超銀河団を形成し、遂には宇宙の大規模構造をも生み出すのだ。

 天文学者たちは何世紀にも渡り、恒星や惑星を生み出したり、天体の運動を支配する力は重力しかないと考えていた。彼らは宇宙にある全ての天体は電気的に中性であり、正の荷電粒子と負の荷電粒子が同数あると仮定していた。そうすれば、きわめて強力な電気の力を無視することができるからである。けれどもそれは致命的な間違いだった。極小の粒子から巨大な銀河まで、電気回路網が自然界の全てを接続し、統合しているのである。
 この電気回路網は銀河を組織し、恒星にエネルギーを供給し、惑星を誕生させる。「電気的宇宙」に孤立した島はない。こうした宇宙間を媒介するのがプラズマという状態にある物質である。プラズマは全宇宙を満たしていることが分かっている。これは、重力理論の先駆者たちが知らなかった事実である。岩石から成る少数の惑星や衛星、隕石を除き、宇宙に存在するほとんどの天体はプラズマからできている。遠方の恒星も、我々の太陽も、太陽系の惑星も、電気を帯びた天体なのである。

 スウェーデンの物理学者ハンネス・アルフベン(Hannes Olof Gösta Alfvén, 1908 - 1995)は、ビルケランの研究を継承する形でプラズマを研究し、1970年度のノーベル物理学賞を受賞。現在のプラズマ宇宙論を確立するに至った。1960年代にすでにアルフベンは、ビッグバンというようなものは決して起こりはしなかったと強く主張していた。

(Hannes Olof Gösta Alfvén, 1908 - 1995)

 アカデミズムでの評価は十分とは言えないが、プラズマ宇宙論を支持する物理学者は少なくない。ビッグバン宇宙論を超えるモデルはプラズマ宇宙論にしかないことを最先端の物理学者は徐々に気づき始めている。
 米国のロスアラモス研究所のアンソニー・ペラット(Anthony L. Peratt 1940 -)も、その一人。彼は実験室でプラズマ・シミュレーションを繰り返す過程で、プラズマ・フィラメントが形成する渦巻きが銀河の構造と全く同じであることを発見し、注目を集めた。宇宙空間で観測される銀河の全ての形状がプラズマ・シミュレーションで確認できたのである。

Anthony L. Peratt

 天文学の最も根本的な謎の多くは、現在、プラズマ挙動の中にその答えを見いだしている。プラズマ実験は、プラズマ中で相互作用する電流には物質を回転させる性質があることを示している。電流は物質を引き寄せて、回転する恒星や銀河を形成させることができる。
 ビッグバン宇宙論も、インフレーション宇宙論でさえシミュレーションに成功していない銀河の構造をいとも簡単に再現できた意義は大きい。実験室の中でも再度検証できることが、プラズマ宇宙論の強みである。未知の素粒子や想像を絶した高エネルギー状態を想定しなくても、電磁気力はスケールを小さくすれば、現象を再現できるのだ。

WEBサイト 「プラズマが銀河を形成する」より

4 天体の有様

アマカムナ アマカムヒビキ
   ハ ハ ホ バリ
   アサヒ クシサチ アソ オホキ ウヅメ ヒコユヅ
   イツ アキツ ホシマ ニギスム イワネ ヱミ
   アマ フトアマヒ ナリマ ハル

 このカムヒビキは、<ヤサカノマガタマ>と言う表象物によって、後世に伝えられ、宇宙、天体の自然発生の様相を述べたもので、このヒビキの概要は、次のようになります。(楢崎皐月氏による) 
 
 「宇宙の虚空には、白光輝く巨大な星があり、爆発を起こし、巨量のエネルギーが、多数の渦巻流を発生している。 そして、その渦流から、小さな微粒子が次々に湧き出て、集団で寄り集まり、(太陽系等の)マトマリを形成する。 その根(中心の核)となって微笑んでいるのが、(アマのフトヒから生まれた)アサヒ(太陽のような恒星)である。アマのフトヒによって、宇宙の平衡状態が保たれているのである。」  

ヤサカノマガタマ

 <ハ ハ ホ バリ>は、破裂音、衝突音を表し、虚空における巨大な力や、エネルギーの動きを表明しています。「実感を込めて発声するつもりで、能の囃子のように、気迫を込めて読んで頂きたい。」(楢崎氏コメント)
 
 <アサヒ クシサチ アソ オホキ>は、「白色輝く、巨大な星が、大爆発を起こす」意味を表しています。(「カタカムナ人の直観物理と相似象(13)」参照)アソは、古代には活火山を意味する、世界共通語でした。
 
 <ウヅメ ヒコユヅ>は、渦巻き状のアマの流れから、さまざまなモノ(イカツ(電子)、ウキフヌ(陽子・中性子)等の微粒子集団)が、次々に発生する意味を表しています。ヒコは、順次相次いで生まれ出るものを意味し、ユは水が湯のように湧き出るヒビキ、ツは個々の意味。ヒコユヅはウズメクソとも言われています。
 
 <イツ アキツ>とは、「コマカイ粒子が現れる」と言う意味です。<イ>の音の基底思念は「小さい、アマのミ」です。
 
 <ホシマ ニギスム>とは、ホシは星であり、前述の小さな個々の粒子(イツ)が、次第に凝集して天体(ホシマ)となり、ニギヤカに集団する意味で、太陽系等の星座のマトマリを表しています。ニギは和のことです。
 
 <イワネ ヱミ>とは、「集団の核的存在」の意味です。イワは、「イの和」の思念から、太陽系のような星座の意にも、岩の意にもなります。ヱミは、恵、笑み、愛、美であり、多くのものが寄り集うには、その中心に。ヱミ、すなわち魅力ある笑顔、すなわち、引き付ける力があって、それが、イの和する根(中心の核)となり、その周辺のニギスムものと、互いにヱミ合うわけで、我々の太陽系はじめ、宇宙の天体の様相や、万有引力と言われるもののスガタを、端的なヒビキで表しています。
 
 <アマ フトヒ アマヒ>とは、「その核的な大モトは、巨大なアマのヒである」という意です。ヒはすべての根源の意であり、太陽のヒ、火山のヒ、雷のヒも、すべてアマのヒから出たものと言う思念を持ちます。
 
 <ナリマ ハル>は、「アマヒによって、宇宙の天体の、調和平衡の場が構成されている」という意を表します。ハルは、正・反に張る意です。

5 宇宙の力が、生命の原動である

  アマカムナ アマカムヒビキ
   ユラ クララ
   フタセクラ タチ アマ フトヒ
   ムカヒ オシテル ホホツガヒ
   カムロ カカユヌ イノチ サチ

 このカムヒビキの示しの概要は、以下のようなものとなります(楢崎皐月氏による)。

 「地球には、大宇宙の遠い中心(遠心)に向かう「向力」と、太陽系を含んだ小宇宙の求心に向かう「向力」との、二つの向力<ムカヒ>が作用している。そして、個々の太陽(恒星)を生むアマのフトヒは、この二つの巨大な正反の向力を番える力(番力)を持っている。このアマのフトヒの力によって、地球、並びに地球上の生物も、宇宙の動きに親和し得るのである。このような、目に見えない、モロモロの関連の、協同の働きのおかげで、生命(イノチ)が発現し、保全されている。言い換えれば、このような宇宙の力が、生命の原動であり、生命発現の元である。」

 <ユラ クララ>は、正反に揺れ動く様を表し、正反宇宙のスガタを実現する壮大なヒビキです。
 
 <フタセクラ タチ>は、二つの軸の座がある、という意味を示しています。ここでのフタセクラは、小宇宙の中心と大宇宙の遠心を指しています。
 
 <アマ フトヒ>は、正反宇宙を統合している始原世界を意味します。
 
 <ムカヒ オシテル>は、小宇宙の中心と、大宇宙の遠心とに向かう二つの向力が、球状に、強力に押し張られている様を表しています。
 
 <ホホ ツガヒ>は、「相反する正反の方向に働く力を、親和させている力」、すなわち「番力」です。ホは、図象文字でわかるように、正反親和のカタチの思念で、頬の意味もそこから出ます。ツガヒは「番ひ」のことです。

ホ の 図象文字

 <カムロ カカユヌ>とは、「目に見えぬ(カム)の、たてよこ(ロ)のカカハリによる発生(カカユヌ)」のこと、すなわち、地球・太陽のみでなく、宇宙の諸々から受ける恩恵の、関連による発生を意味し、これを<モロカゲサチ>とも言っています。「オカゲサマ」と言う日本語の思念の元には、親、神仏、太陽だけでなく、この「モロサチ」があったのです。
 <イノチ サチ>とは、「生命の預かりの持続」と言う意味です。

向力

 小宇宙の中心と大宇宙の遠心に向かう、二つの向力とは、個々の天体間の万有引力や、地球の重力(求心力)とは、ケタ違いに巨大な力ですが、今まで、私達はそのような力には無関心でいました。地球は、太陽系を含んだ小規模の集団(小宇宙)に属し、その小宇宙の中心核に引かれる大きな力の影響を受けていると同時に、天の川銀河等の小宇宙を含んだ、大宇宙の中心に向かって引かれる、ものすごい力の影響を受けているのです。
 この二つの向力(ムカヒ)の巨大さは、地球の尺度では測りようのないもので、それに比べれば、地球の引力などは、微視的なものなのです。
 私達の実生活上は、一見、太陽と地球だけあれば良いと思えるのですが、そして、確かに太陽はアマのヒの相似象であり、私達は太陽の恩恵を大いに受けているのですが、私達の生命を生成・消滅させるような力は、地球と太陽だけで発生するモノではなく、もっと巨大なスケールで、働いているのだということを、カタカムナ人は直観的に感じていたのです。

番力

 前述の、小宇宙の中心と、大宇宙の遠心に向かう向力(ムカヒオシテル)は、地球の重力と遠心力に一致する正・反のサカムキであり、もし、これがモロにぶつかれば、大変なことになるのを、宇宙の天体が無事に、それぞれ調和平衡の状態を保っているのは、正・反の力をツガえているアマの親和力、すなわち「番力」(ツガヒ)が発生しているからなのです。
 「向力」「番力」などと言う力は、科学の概念にはないものですが、引力や斥力、求心力とか遠心力、と言うような概念があるならば、番力、向力という説明も成り立つはずです。しかも、科学者の言う、引力とは何か? 求心力とは何か? また、斥力、求心力という力は、何を指向するのか?……と問い詰めれば、結局は「奇妙さ量」に突き当たることになります。
 絶えず変化しながら作用している正反の「向力」に、絶えず親和的に働く「番力」は、これまた、カタカムナ人の、アマの「元」に基づく直観のサトリであって、現代科学にはこの考え方はありません。カタカムナ人は、巨大な現象を原型として、宇宙の天体の様相から、極微の細胞や、原子の世界まで、一貫する相似象を観じていたのです。
 「平衡(バランス)」「調和(ハーモニー)」「復元力」「慣性」「中庸」「和」と言ったように、古来、東西の哲人がその根拠を求めながら、確実に把握し得なかった、その力の正体とは、まさに、このアマの向力番力という、カタカムナ人のサトリの中にあったと言えるのです。ムカヒ、ツガヒは、スナホで、驚嘆すべき直観ではないでしょうか!

宇宙観の尺度について

 地球上の私達の持つ単位、例えば、「時計時間」やその延長の「光年」といった概念は、全宇宙的な共通尺度のように思えます。特に、光速度は、最高に大きな単位であると思っていました。しかし、それは、カタカムナ人の抱いていた宇宙観の尺度から言えば、ほんの微々たるものでした。私たちが、精一杯大きな単位と考えていた「光年」のスケールも、アマハヤミや、向力番力のようなスケールとは、ケタ違いに小さいものです。しかも、<イノチ>や<ココロ>を生むモトは、アマハヤミ、ムカヒ・ツガヒのような、巨大な力こそかかわりがあるということを、カタカムナ人は直観したのでした。

6 宇宙の生命が、電氣を生む

  アマカムナ アマカムヒビキ イヤ フワ オオ
   ウヒヂニ スヒヂニ ムカヒフシ
   ツガヒトコタチ タマイキチ
   ウマシ イカツチ カムロハケ

 以上の内容は、次のように要約されます(楢崎皐月氏による。)
 「宇宙の虚空には、巨大な力と力とが衝突する、音のヒビキが、入り交わっている。すなわち、地球の属する小宇宙が、その中心に向かう求心力と、小宇宙の属する大宇宙の、遠い中心に向かう求心力との、二つの向力が交錯している。この大きな「向力」の入り交わう中で、諸天体が、分散離散することなく保たれているのは、アマの力によって、「番力」が発生しているからである(これは「ナリマタマ」によって表現されている)。この巨大な向力(ムカヒ)と番力(ツガヒ)の作用によって、宇宙生命(タマイキチ)が発現する。そして、その宇宙の生命力が、集積位相の電子(イカツ)を大量に生産して、放出している。すなわち、集積位相のカムロバケの電子(イカツ)は、宇宙の生命(カム)から発生し、アマの支配(アマナ)を受けてモコロを構成し、さまざまに変遷して(バケ)、生命質や物質を出現する。このようにして発現して、持続される宇宙生命(タマイキチ)は、個体の死や、刻々の新陳代謝によって、また、やがて、アマ始元量に収斂される。要するに、集積位相の電氣が、宇宙の生命の位相を現わして還元し、すなわち、集積位相の電氣と、宇宙の生命とは、相互励発の循環を行っている。」

 <イヤ フワ オオ>とは、宇宙虚空における、力と力の衝撃する音の、入り交わう様を表したヒビキです。
 
 <ウヒヂニ スヒヂニ ムカヒフシ>とは、虚空における、大宇宙の遠い中心に向かう求心力と、小宇宙の近い中心に向かう求心力との、二つの向力(ムカヒフシ)があることを表しています。ウヒヂ スヒヂは、外側、内側の意であり、遠回りの場合と、直接に達する場合とをさすヒビキです。ウヒ、スヒの意味は、回廊の外側と内側を、ウヒロウ スヒロウという言葉に残っています。
 
 <ツガヒ トコタチ タマ イキチ>とは、その「ムカヒフシ(二つの向力)に、アマの力が親和して、衝撃分解を防ぐ、番力(ツガヒ)となり、宇宙の向力と番力のトコタチ(重合、共存、互換の性質)によって、宇宙の生命(タマイキチ)が発現し、保持される」ということを表現したヒビキです。
 
 <ウマシ イカツチ カムロ バケ>とは、「その宇宙の生命が、実体の見えない、多変化現象性(カムロバケ)の巨量の電氣(イカツ)を生産する」と言う意味です。 
 イカツは、現代科学の固定された電氣ではなく、集積位相の電氣現象であるため、「奇妙さの多い電氣」と言う意味で、「カムロバケ」と表現したと思われます。カムは形の見えぬの意。ロは絽の如く、縦横に囲われて形づくられるものの意。ハケとは、「お化け」のことで、変化の意。すなわち、「イカツチは、いろいろに変化する、奇妙さの多いバケモノである」という意味です。集積位相とは、一つの現象に、電氣性を現す位相(イカツミ)、磁氣性を現す位相(マクミ)、力の位相(カラミ)等が多重していて、自由に位相を変換し得るものを言います。現代科学の「電子」の概念では、「電氣性だけが固定した電子」なのですが、カタカムナ人は、互換重合性(トコタチ)という、アマの直観性をサトった直観によって、電氣現象もアマの変遷と観じたのです。すなわち、トキトコロの粒子(マリ)が、イカツミを負うてイカツとなり、サヌキ、アワの電氣現象を呈し、同時に、磁氣(マクミ)、力(カラミ)の位相を持ち、時と場合によって、磁氣や力の現象を示す、と観じたのです。

正反の電氣

 現代科学では、電氣を、主として、電氣現象の面だけで捉え、「正」の電子のみを対象としてきましたが、半導体の分野では、「反」の電子(正孔)も使われています。しかし、それも、実用面での理論の範囲を出ることはなく、電氣の本質は、まだ解明されたわけではありません。
 カタカムナ人の直観では、「正」の電子はサヌキ(男性電子)に当たり、反の正孔とは、アワ(女性電子)に当たるものです。カタカムナ人は、人間に男性・女性があることの相似象として、電氣現象をも観ていました。オトコはサヌキを所有し、男性として定着した位相を現わしていますが、アワも必要で、オンナについても同様のことが言えます。男性女性の違いは、素量的な構成の仕方の相違と言えます。
 カタカムナ人の直観は、あるがままに観じたもののみで、原因に遡って、すべてを解決したわけでなく、詳細については何も言ってはいません。反対に、現代科学では、数式や記号を使って精密に研究されていますが、本質把握ができていません。その点を直観物理は補ってくれています。
 「電氣」の本質を、原子以下の極微の世界に追及し、「集積位相を持つイカツの素量」とし、また、「生命」の根源を細胞内に留めることなく、その発生源を宇宙の巨大な向力と番力に突き止め、その電氣と、宇宙生命との相互励発の循環を観じています。そこには、力と力の衝突があり、またそれに親和する力もあって、チカラがイノチに変わる物理なのです。


 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?