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「~場所に縛られない”LivingAnywhere”な生活は、人にどんな変化をもたらすのか?~私の働き方実験 #研究報告書 」

本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」の活動の一環として、私個人が行う「働き方実験」についてまとめたものです。
https://hosting.lancers.jp/lp/lab_researcher/

◆実験テーマ

指定企画LAC:場所に縛られない”LivingAnywhere”な生活は、人にどんな変化をもたらすのか?

私たちは日々様々な制約に縛られながら生活しているが、「場所」という制約を外したとき、自分自身にどのような変化が起きるのだろうか。
本研究では、期間中、任意のタイミングで、のべ1ヶ月以上LivingAnywhere Commonsを利用し、SNSにて取り組みを発信するとともに、6ヶ月かけて自分の内面と向き合う日記「LivingAnywhere Story」を完成する。

◆実験の目的と背景

私は今まで、会社所属の調理師という職業についていたので、2日以上の連休がとれなかったり、テレワークは一切できないという仕事環境でした。
しかして、3月末に退職しフリーランスのデザイナーとなり、場所に縛られずに仕事ができる環境を手に入れたので、この機に思い切って、全国各地を仕事をしながら見て歩けたら素敵じゃない?と、思っていたところに、この研究員制度の募集がぴたりと合って、すかさず応募しました。

今回の移動の拠点を提供してくださっているLivingAnywhere Commonsは、以下のような趣旨を掲げて活動されている団体です。

場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられることなく、好きな場所でやりたいことをしながら暮らす生き方(LivingAnywhere)をともに実践することを目的としたコミュニティです。
メンバーになることで、日本各地に設置したLivingAnywhere Commonsの拠点の共有者となり、仲間たちと共生しながら、自宅やオフィスにしばられないオフグリッド生活を体感、理想のLivingAnywhereを実現するための技術やアイデアを共創していく、刺激に満ちた環境に身を置くことができます。

LivingAnywhere Commons

「場所」という制約を外したとき、自分自身にどのような変化が起きるのだろうか。その変化をつぶさに観察して、素敵な結果がでたら、みんなに共有したいと思います。


◆検証したいと思っていたこと

「人は行ったことがない場所に行くなど探索の度合いが高い日には、より幸せを感じる、というデータが示された。さらに脳の画像からは、新しい場所により多く行くなどして幸せを感じた人は、脳の中の記憶と意欲などに関わる領域が強く結びついて働いていることもわかった」

「人は移動するほど幸せを感じる」という研究成果 「遠出するとスカッ」は本能かも:朝日新聞GLOBE+ (asahi.com)

どうやら、人間は探求心を満たして、なにごとかが腹落ちすると、幸福を感じ、諸能力も向上、さらにやる気も上がるらしいので、六か月かけて、今より前進できている私を目指してみたい。

◆研究活動の概要

 全国各地を回りながら仕事をすることで、自分のメンタルや能力値にどんな変化が起こるかを、克明に観察記録して残すこと。

それとともに、幸福度の変化についても観察することによって、平行で行われている「幸せを追求した活動で、幸福度は高められるのか」の研究員の方とも、情報の共有ができればいいと思います。

そうして私は旅を始めた

以上は、最初に書いた研究計画書からの転用です。以降が最終報告書の本論となります。


◆どのような活動をしたか

研究員活動を開始して、意識的にいろいろな場所へ出向くようになったために、各拠点で様々な人に会って刺激を受け、連鎖反応的に次の新しい活動がはじまっていくという流れができてきました。
一か所に定住して、会社員をしていたときとはかけ離れた、さまざまなことを短期間のうちに体験して、我ながらよくやったなと振り返って感心するほどの濃密さでした。
以下に、新しく始めたこと、経験したこと、行った場所を簡易にまとめてみました。

基本の在住地(自宅)は東京都品川区です。

基本の業務はwebサイト作成とイラスト作成を中心としたデザイン全般・ときどき出張料理人、LAC拠点へ移動するための交通費がないときは単発日払いバイトで凌いでいました。


  • 12月
    ・LAC石巻 Roop奥松島DIYワークショップ参加
    ・LAC館山 忘年会参加
    ・研究員最終報告書提出
    ・TOEIC800点獲得用勉強開始(英語のメンターをつけた)
    ・寿司教室再受講(来年度5月までの長期コース)


◆結論と根拠・気づき

<実験活動から得られた結論><その根拠><そこから得られた気づき>

人は行ったことがない場所に行くなど探索の度合いが高い日には、より幸せを感じる。はでした。
今迄に行ったことのない場所への一人旅は、最初はわくわく半分、不安半分でしたが、行ってみるとどこででも暖かく迎えていただけて、コミュマネさんをはじめとした方々が、現地探訪をサポートしてくださり、仕事をしながら拠点を楽しむことを満喫できました。
 そのため、今は新しい拠点に行くことは純粋にわくわくすることになっています。
 自宅に居て仕事をすることよりも、エキサイティングで新しいアイディアも浮かび、より活動的になることが証明できました。

各拠点での友達も増え、何度も同じ拠点に行きたいという思いが湧きました。そして繰り返し行くことによって、土地の見方や体験の深度がふかまり、土地への愛着が増すことがわかりました。

各拠点に実際に足を運ぶことによって、今まで「情報」としてしかしらなかった土地への理解度が深まり「情報知」ではなく「身体知」へと置き換わる体験をしました。

そして、いろいろな土地をまわり、様々な経験をすることで痛感したのが「自分は世の中をぜんぜん知らない」という事実でした。
いろいろな人に会って、出会った人の数だけ価値観があることを知り、それを腹落ちさせることで、私自身のものの考え方の幅が大きく広がりました。自分はとても狭いところで考えを巡らせていたことがわかり、改善したいと思いました。

石巻の復興地を神社より望む

いろいろな生活があることも知りました。
行く先々で、いろんな笑顔に迎えられ、良くしてもらい、土地を一緒に歩いて、土地の名物を食べ、海辺を歩き、山に登り、川辺で思索し、稲を刈って、味噌をつくり、自転車で屋久島半周75キロを駆け抜けました。
 肩を組んで歌い、魚を釣って、焚火をしながら星を見上げました。
 土地の記憶を見聞きし、嬉しいことも悲しいことも、本当にたくさんの話を聞いて、酒を酌み交わしながら、なんだか心が近づいていくような心持になりました。
そんななかでふと「ひとり」を感じて、むしろほっとしたこともありました。
 悲しいとか口惜しいとかでなく、ただ自然の美しさと、あたたかな思いやりが頬を濡らすことがあることを知りました。


◆研究に関する考察・これから~振り返りも含めて

知らない土地に行くたびに、町を活性化しようとしたり、自分の野望を掲げていたり、守りたいものを守ろうと一生懸命になっている、様々な夢を今実現しようと日々生き生きと笑っている人に沢山出会いました。
そういう人をみていると、気持ちがうずうずして、わあ、私には何ができるだろう、今、何ができたら、私は嬉しくなるだろうと常に考えるようになってきました。

この研究員活動のキモは六か月毎日つける「日記」でした。

あたりさわりのないあたりを載せてみる
ダメな時のも載せてみる

 毎日を漫然と流して過ごすのではなく、一度立ち止まって文字化するという作業は、自分が何に興味を持っていて、何が楽しくて、何が嫌なのかをとてもはっきりさせる行為でした。
 その結果「やりたくないことはとことんやらず、好きで決めたことは徹底してやる」という自分像を、はっきりと浮かび上がらせてくれました。
 こうして自分の深堀りをしていく行為は、やがて明確に「この先自分がやりたいこと」の形をわかりやすく明示してくれることになったのです。

私の旅先には、ネット世界も含まれていました。
WEB3.0とNFTアートを学び、さまざまなDAOに参加して農業にもかかわるようになってから、(友人の紹介で農業DAOに参加し、首謀者の方々に直接会いに行ってきました)日々の食事に困る人が居ることを知りました。今まで、知らなかった自分の知識の浅さに愕然とするとともに、もっと世の中を知る必要があると肝に銘じるきっかけになった出来事でした。

 私は人が笑顔で食事をしているのを見るのが好きです。私が作ったもので笑顔になってくれていると、もっと嬉しいと感じます。
 成長期の子供や、メンタルや体調を悪くしている人には、適切な栄養素を、満足のいく内容の食事で提供することによって、劇的に改善させられることを経験則として保有しています。
 食べたい人に「食べることによって生きる力が湧くような」きちんとした食事を、廉価で提供できるシステムづくりがしたい。子供にはタダか皿洗い程度でいいから、寝る前に幸せな明日の夢を描けるように、思いっきり食べてほしい。
 そんな望みが、最近頭をもたげてきて、そのために各地の類似施設の業態を調べたり、食材の流れを把握するために、農業と漁業の流通の中で仕事をすることをはじめました。

 私が話をすると、みんなこぞって、今それをやっている方を紹介してくださったり、場所をいつでも提供すると言っていただけるようになりました。
 しかし、ここで慌てて発進してずっこけることはしたくないので、しばらくは日本の食の在り方を知るため模索したり、海外の事例を実際観に行きたいという欲が湧いているところです。

 そのためにどうしたらよいかを考えて、せっかく仕事の都合で寿司を習い始めたのだから、この技術をある程度きわめて、外貨を稼ぎ資本金をつくりながら、世界を巡り、世界の施設の調査をしながら、世界の人と繫がりに行こうと思い立ったところです。
 来年はTOEICと貿易検定C級もとって、国際ハンドキャリーのバイトをしながら、世界を見て歩こうと思います。

 こうやって、新しい方向性が定められてきたのは、全てこの研究員制度で旅をはじめて・日記をつけてきたからだと思っています。
 書くことは自分を見つめなおし、世界の様相を切り裂いて、新しいことばで、新しい視点を紡いでいく行為でありました。

 新しい夢をもっと開いていくための、機会を授けてくれた、この研究員制度と一緒に歩んでくださった同期の皆様、本当にありがとうございました。

明日の目標ができて、始めたころの数倍くらい、生き生きと仕事ができています。研究員が終わっても旅は続きます。


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