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美味しさに変わりがないうり坊が一匹

昼前にともこさんを病院に送り、診察が終わる間に昔よく行っていたハルスリランカに行き、すっかり見知ったスタッフがいなくなってしまった店内でいつものヌードルカレーをいただき、その美味しさに変わりがない。
デザートのヨーグルトアイスが出てきた時に診療が終わったと連絡が入り、アイスを食べ終え会計を済ませてからショッピングモールから車を出して病院の前に向かうと逆方向に歩いていくともこさんを見かけたので追いかけてそっちは逆方向だと伝える。

二日市に戻る道すがら、以前から気になっていた和菓子屋があり、そこ前から気になってるんだよねと伝えると行こうと言われてすでに通りすぎた道を戻って和菓子屋に入る。
店内はショーケースと茶道具が置いてあり、如何にも昔かたぎといった上下白の調理服を着た店主が今日からおはぎを出しましたと言って6種類のおはぎを見せてくれ、緑色のものとおこわ風のものを買い、小さな饅頭もひとつ買った。

それらを持って、ともこさんがお父さんと共に馬小屋を長年少しずつ改装して作り上げたスタジオを見せてくれ、学生時代に作ったオブジェや絵画教室の生徒たちの絵、大量に積まれたイーゼル等を見る。
そのスタジオの存在は何故か前から知っていて、観世音寺から大宰府政庁跡に行く道すがらあの人がやっている所だといつも思っていた。

スタジオを出て坂本神社から少しだけ山地に入り、石仏等を眺めて政庁跡に戻り、四阿で買ってきたおはぎを食べると餡の甘さ、もち米の控え目な存在感等絶妙で、二人して喜ぶ。
政庁跡の生け垣、雑木林などを眺めるうちに背後の草地にうり坊が一匹歩いていて、驚いてそれを一心に見つめる人の横顔。

ともこさんを送り届け、私は実家に行き父親の仕事の手伝いをする。
蒸し暑さに参っているのか父親はいつもより声量が大きく、少し機嫌が悪かったのかもしれないが私が指摘した文字について家にある二冊の漢字辞典をどちらも引いて確かめる等、仕事は楽しそうにしていた。

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