AI-愛-で紡ぐ現代架空魔術目録 本編後日譚その7『金を求めて』
リリーの店を出てから、4人がタマン地区に入ったのは、その日の夕刻少し前だった。まだ太陽は西の空、地平線よりも少し高い位置にあり、曇天の裏側でぼんやりとした輪郭を浮かべていた。空を覆う雲は一層厚くなり、湿度はどんどんと上がっていた。どうにも雨が近いようだ。湿気た土のにおいがあたりに立ち込めている。
タマン地区につくと、4人は早速その夜の宿を求めた。宿泊の受付を済ませて荷を預けてから、手荷物だけをもって部屋に入ったとき、時刻はようよう5時に差し掛かろうかという頃であった。4人