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昔々 あるところに、ワニと女の子がいました


渡航して4日目




この日はワニ園にも行ったんですが、面白かった!
興味深い話も聞けたし、村の人たちが大切にしていることや価値観などを教えてもらって考えることもありました。

なので、今回はそれを記事にしていきたいと思います。




渡航4日目は、元々私が活動していた村へ。着いて早々は青空教室を開催し、大成功(多分)


その後は、この村の近くに有名な観光スポットがあるので、そこに行くことにしました。

バズレという村にあるワニ園。
車で30分程。車を1日チャーターしているので連れて行ってくれるのですが、せっかくのアフリカ。2年間いたので道行の楽しみ方も知っています。


出発前、赤ちゃんに泣かれたからアメで懐柔しようとしたけど、失敗した。


これはタクシーモトっていうバイクに荷台をつけたものです。
どちらかといえば、人より荷物を運ぶものなんですが、最高に気持ち良い。
アフリカの風と砂埃を浴びて爆走してもらうのは爽快です。

まぁ乗り心地は最悪だけど、雰囲気がある!!
雰囲気って大事ですもんね。



最初の10分はテンションが上がるけど、道ガタガタで腹の底から揺られて “もういい…”って思うこと残り20分。ようやく到着。入場料を払い、鶏を購入。ちなみにこの鶏はパックンされます。

ワニ園というと、飼われてるんじゃない?と思われますが、違います。
何百匹とワニが住む池に行くので、野生です。まぁ人間慣れした野生ワニって感じです。

だから、ここにいる!っていうより、フラフラ歩いてると


「あ、いた」

ってなります。ちなみに私は計5回以上行ってるので、リアクションが薄めなんですが、初めての時はビビります。

草むらから「ガァー!」って来られたら終わるじゃないですか。人生。
だから、観光客の足取りはビクビクです。



以前、現地の同僚たちときたことがあります。

ワニにあげるために鶏を買い、遠くに投げろとレクチャーされ、同僚がワニに向かって鶏を投げる。

鶏がブーメランの如く戻ってきました。

なぜか鶏が同僚の元に向かって逃げるので、ワニが鶏を追いかけ、同僚もワニと鶏から必死に逃げるっていう珍プレーがありました。


つまり、先頭が同僚、2番手が鶏、3番手ワニの追いかけっこです。


同僚も恐らく鶏も、文字通り“必死に逃げる”
あんな“必死” は今後も見ることはないでしょう。

「鬼がワニ」ってやべぇー。捕まったら終わる。
「あー交代ね。いーち、にー、さーん…」とはいかない。

この後、本人も含めてみんなで大爆笑でした。
(現在は棒に吊るしてあげるので起こりません)

ちなみに触るし、乗ります。この現地の同僚のエピソードは相方には言いませんでした。

多分、このnoteを見て初めて知るでしょう。すまぬ。

でも、良い笑顔だ。

ワニの感触って表面の鱗はすごい硬いんですよ。でも、裏はプニュプニュで人間の肌より弾力があります。彼は柔肌です。

この後、購入した鶏がパックンされるんですが、色々問題になりそうなので動画はやめときます。ただ、鶏の絶叫でウジャウジャ来ます。


以前の私も、相方も、他の観光客さんも気になったこと

「今まで人がパックンされたことないの?」


こう、後ろからパクンみたいな。
「捕まえたぞー!」的な。


ワニもさ、“今乗せたい気分じゃないんだよね”的な日もあると思う。

「今日非番なんだけど」っていうワニ界が交代制勤務だった場合、イラっとしますよね。

だから、1度聞いてみたことがあります。

「今まで人が襲われたことは?」


「1度もない!」(自信満々)

……本当かよ。


って僕の顔に書いてあったんですかね。表情は世界共通語らしいです。

気まずい雰囲気になったからか、この村に伝わる昔話をしてくれました。



・・・・・・・・・・・

昔はこの村もワニと距離を置いて暮らしていた。

だから、村人は池に行かないし、「池に近づくな」と村の子どもたちにも何度も伝えていた。

しかし、そんなある時。
子どもたちが池に近づいて遊んでしまい、女の子が落ちてしまったことがある。

他の子どもたちが慌てて助けようとしたり、大人たちを呼んできたりしましたが、既に遅い。1匹のワニが女の子の元に近づいていました。

「もうダメだ…!」

と全員が思ったが、ワニは女の子を食べなかった。

それどころか、口先に女の子を乗せ、陸まで運んでくれた。

そこから、ワニと村の親睦が始まった。
私たちにとってワニは信仰の対象であり、祭りを開催することや、祈りを捧げている。

・・・・・・・・・・・


とのことだった。
曖昧なフランス語だし、物語風にしてあるので、多少の差異はあるかもしれませんが、エピソードはそのままです。
「…本当かよ」ってツッコミは野暮かなと思ったので、顔にも出しません!


この話のあと、唯一写真を断られた祈りを捧げる場所も見せてもらいました。

職業柄、日本の昔話をよく子どもたちに読んでいるのでこの話を聞けた時は嬉しかったです。



…そして、ふと思うわけですよ。


祈りの対象に乗ってる

いいの?!大丈夫?



心配になります。
まぁでも、祈りの対象との距離感はそれぞれ異なるのかなっと。ここはボディータッチOKよっていう考え方だった。


少し真面目に考えると、現実的な共存関係が出来ていました。


住民側からすれば、遠くからでも観光客が来てくれて、チャリーン。

ワニ側からすれば、鶏をパックンできるし、祭りではお供物もらえるし、人が危害を加えてこない。


アフリカの村の信仰って聞くと近寄り難いものがあります。軽々しく触ってはいけないものだとも思います。実際に祈祷師という方もいます。

しかし、ここでは祈りの対象が観光資源っていう新しい側面を見せてもらいました。そこに住む人々の想いや現実も加味した上での現状。色々な形があって面白いですよね。


ぜひ、ブルキナファソに行く機会があれば、首都の近くの村なのでワニ園に行ってみてください!

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