ノイズキャンセリング

うつに伴う症状なのか、発達グレーの延長なのか、私は聴覚過敏の傾向があるらしい。子供の頃は、遠く離れた部屋でブラウン管テレビの電源がつく瞬間がわかった。今はと言うと、家の外から聞こえる学生や奥様方の井戸端会議に気が散ってしまう。隣の部屋で扉が開いたり閉まったりする音に驚いてしまう。食器を洗っていて皿や金属製のスプーンなどがガチャガチャぶつかる音だけで疲れてしまう。酷い時にはスマートフォンの充電器すらうるさく感じる時もある。出入り口でモスキート音を常時流しているビルに行かなければならない時は、地味に気が滅入ってしまう。

そんな訳で私には耳栓が手放せないのだが、最近はノイズキャンセリング機能のついたヘッドホンやイヤホンを使っている。所詮、子供騙しだろうと思ったのだが、これが見事に気になる音を「丁度良い塩梅」までカットしてくれたので大変気に入っている。Bluetooth機能の付いているものが殆どなので、ワイヤレスでスマートフォンやパソコンにも繋ぐことができ、リモートワークにも大変便利だと思っている。

ただひとつ難点なのは充電式であるため、充電が切れそうになるとご丁寧に音で教えてくれるのだが、私はどうしてもその音で驚いてしまうのだ。まるで背後から人に驚かされた時のような、あの心臓がぎゅっとなるような感覚に毎回なるのだ。なので私はいつも、充電の警告音が鳴る前に充電をしている。本来なら電化製品は、電池が完全に切れてから充電した方が持ちが良くなり長く使えるらしいのだが。

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