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冬の読書メモ/水木しげるの古代出雲/総員玉砕せよ/世界は宗教で動いている/10%起業/ロボットと人間/面倒なことはChatGPT/プロジェクトリーダーの教科書/プロジェクトリーダー実践教本/問いのデザイン/スタッフエンジニア

こんにちは。久々に読書メモを書いていきます。


水木しげるの古代出雲/水木しげる

私の地元でもある出雲地方。古事記・日本書紀の書籍や、日本神話の書籍を読んで、興味を持っていた出雲神話。水木しげるさんの観点で、わかりやすく語られていて面白かったです。出雲旅行に行く知人がいたら、是非勧めたい1冊。

コテンラジオ番外編で「# 出雲で感じる、地方の可能性」を聴いたタイミングで、この書籍をみつけて購入しました。

現在でもある意味「陸の孤島」である島根県。どの政令指定都市からも3時間以上かかり、良くも悪くも距離がある。古代出雲の全盛期は弥生時代ですが、その時期から大きく変わらない出雲平野、山、神社が残っていると思うと感慨深いものがあります。

総員玉砕せよ/水木しげる

こちらも水木しげるさんの1冊。実際に戦争を経験された方が、心血注い打であろう作品。このような形で残していただいていたことに感謝しました。

世界は宗教で動いてる/橋爪大三郎

職場の方が紹介されていたので、気になっていましたが、コテンラジオでケマル・アタテュルク回や、イスラム圏を題材にしたテーマを連続で聴いているときに、この書籍を読みました。

世界の歴史を語る際に、大前提に宗教という文化があることはわかっていたつもりでした、この書籍では歴史的文脈に限らず、世界各地の文化・宗教を網羅的に説明されていて読みやすかったです。

自分にとっての当たり前である日本の文化は、世界的に見たら当たり前ではなく、特殊な考え方だということが知識として理解できました。

10%起業 1割の時間で成功をつかむ方法/パトリック・J・マクギニス(著),長谷川 圭(訳),小山 龍介 日本版序文

起業が美化されているけど、実際に美しいものだけではない。成功した例が共有しているだけ。
10%起業家には、エンジェル、アドバイザー、ファウンダー、マニア、110%起業家など、いくつかのタイプがあり、いずれにせよ限られた自分の10%のリソースをどのように振り分けるか、自分を見つめなおす必要があります。

企業は手段であり、その根底にある「自分のしたい事、得意な事が合致することはなにか?」をいろんな視点で自分を見つめなおしていく必要があると思いました。

ロボットと人間 人とは何か/石黒 浩

大阪大学石黒先生の書籍を見つけたので手に取ってみました。ロボットやVRで遊んでいるので、手に取ってみました。
人工知能を有したロボットや、リモートで人が操作したロボットが、社会とどのように関わるのか記載されていました。この書籍は2019年、ChatGPTの流行前に書かれた書籍でしたが、AIやVR、ロボットを気軽に触って開発できるようになった現在、より納得できる内容でした。

個人的に印象に残ったことは、『ジェミノイド(人そっくりなアンドロイド)を使って、人としばらく話をすると、操作者はジェミノイドの体を自分の体のように感じ始める』という部分でした。VRアバターに触られたときに同じことを感じたので、より共感しました。ロボットやアバターを使った非言語コミュニケーションの可能性と、少しの怖さを感じました。

面倒なことはChatGPTにやらせよう/カレーちゃん/からあげ

個人的に敬愛するからあげ先生の書籍。
ChatGPTを使ってプロンプトエンジニアリングするノウハウは他の書籍でも数多く触れられていますが、有料版のGPTを使って、データサイエンスやファイル操作など、エンジニアの手足となる使い方が記載されていて、勉強になりました。

最新GPTに課金して使ってなかったのですが、やっぱり最新技術には課金してでも触れて、使ってみたいと思いました。

とりあえず、GPTsのアプリを作っておきたい、イベントのコメントをリアルタイムにワードクラウドとかで表示するアプリとか作ってみたいと思います。

外資系コンサルが教える難題を解決する12ステップ プロジェクトリーダーの教科書/中鉢慎

プロセス型の人間に刺さる内容です。プロジェクトマネジメントのプロセスを順番にまとめて紹介してくれます。

Define(定義)、Design(デザイン)、Drive(推進)フェーズがあり、これをD3アプローチと本著では呼んでます。PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)を基本に、著者の経験を交えて、実践的なプロセスとして順番に説明されています。プロセスが順番に説明されており、実践しやすい構成になっているような印象を私は受けました。

守破離といいますが、まずは型にはめてみること、技術を習得できると思います(守)。読むだけではなく、自分のプロジェクトに当てはめてみようと思います。自分のプロジェクトや会社に合わせた応用(破)はそれからかもしれません。

プロジェクトリーダー実践教本/伊藤 大輔

こちらはプロジェクトマネジメントについて、特にリーダーとして必要なマインドセット、スキル、知識が述べられています。

プロジェクトリーダーのマインドセット、ゴール設定、プロジェクト推進する過程、コミュニケーションのカテゴリで、実践する際のポイントが上記「プロジェクトリーダーの教科書」よりやや細かく記載されています。

PMBOKに反する内容ではないため、共通する部分は多いのです。プロセスの順番で記載されているわけではないですが、詳細に記載されているので、プロジェクトリーダーの教科書等のプロジェクトリーダーのプロセスを実践する際に、辞書的に使わせてもらう使い方がよさそうだと思いました。

問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション/安斎勇樹・塩瀬隆之

『問いのデザイン』というタイトルですが、単に質問の仕方というわけではなく、もっと哲学的視点での『問い』について、具体的な方法論が述べられています。応用範囲の広い内容で、大きく分けて、以下の順番で説明されています。

  • 問いのデザインとは何か?

  • 課題のデザイン

  • プロセスのデザイン

  • 事例

自分のプロジェクトの目標や課題を定義する際、お客様への課題定義、新しい事業のアイデア、趣味の仲間と楽しく開発するためのブレスト、日々の会議のファシリテーション等、書籍を読みながらすぐにでも応用できそうなシーンを想像できました。

スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップ/Will Larson(著)、増井 雄一郎(解説)、長谷川 圭 (訳)

ITエンジニア本大賞にノミネートされていたことがきっかけで読みました。エンジニアのキャリアとして、マネージャーにならずにエンジニアとしてキャリアアップしていく『スタッフエンジニア』という働き方について、役割、肩書の詳細や、実際のスタッフエンジニアの事例が詳細に紹介されています。

私の現職では、エンジニアは昇格するとマネージャーの役割を求められるケースが大半です。マネジメントを勉強せずに技術ばかりやっていた人が、ある日急にマネジメントをすることになり、当人が望まない役割であれば、当人にとっても、一緒に働く人にとってもベストではないと思いました。

現在は昇格せずに、役割としてのスタッフエンジニアのように動く方もいます。しかし、その方々の本来の役割以上の善意の働きに甘えず、しっかりとした肩書や権限、報酬を与えるようにして、エンジニアとしてのキャリアをイメージできる会社に、今後は人気が集まるのだと想像しました。またその結果、マネジメントのキャリアのコントラストもはっきりして、マネジメントとしてスキルアップされる方のモチベーションも上がるのかもしれません。

本著の事例はあくまで事例であり、同じ時代、同じ環境で働くこともないので、キャリアは人それぞれだとも感じました。

さいごに

書籍を読んでインプットしつつ、日々の生活で生かしたり、行動実験したり、実際にやってみることで血肉になると思っています。

ただ、最近は単に面白そうな本をたくさんインプットするだけでも、感性や知識を刺激するだけでも価値があると思うようになりました。知っておくだけでも想像力が増えますし、一緒に働く、生きる誰か立場に立って考えることができるようになるかもしれません。

また、普段の仕事の問題解決のために、割とすぐ使える書籍に手を伸ばしがちですが、問題意識だけで流行り廃りを追いすぎると疲れます。役に立つ、立たないで考えすぎずに、楽しく、興味を持って、本を読んでおきたいと思います。まずは本棚に積んでる本がまだあるので、定期的に本を読みたい…。

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