見出し画像

読書メモ/確率思考の戦略論/解像度を上げる/イシューから始めよ/問いのデザイン

事業アイデアの検討や、自分のプロジェクトの紹介をさせていただく機会が増えたので、自分のプロジェクトを見直すことを目的として読んでみました。知人にビジネス書としておすすめされた書籍も多いです。

これらの書籍に限らず、一度読んだだけでは理解することはできないので、自分にできることから行動に移していきたいです。その過程で、必要に応じて何度か見直してみたいです。


確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力/森岡 毅,今西 聖貴

「理系の君なら面白いんじゃない?」「マーケティングを学ぶ上で教科書になる書籍」と複数の人から勧められた書籍。
ここでの”戦略"はマーケティング戦略のことです。「日本人はもっと合理的に準備してから、精神的に戦うべき」というメッセージとともに、合理的に戦うための考え方が、数式とともに紹介されています。

戦略とは、Awareness(認知)、Preference(好感度)、Distribution(配荷)の3つにどのように資源を配分するかということです。そのために、確率論で考え、可能性の高い選択肢を選びます。

印象に残った点として、
・ 毒入りの消費者データのケースに注意せよ
・ 複眼の目で予測せよ
特に2点目は、1つの指標からではなく、複数の指標で予測することで、より正確な予測ができます。
本業でも得てして、自分のプロジェクトに都合の良いデータだけを信じて戦略を立てますが、本当に会社や社会の為を思ってマーケティング戦略を立てるのであれば、その考え方はリスクがあると感じました。

解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法/馬田隆明

「まずは行動!」そんなメッセージが強い一冊です。
行動なくして、解像度は上がりません。"行動" x "思考" x "情報" の組み合わせで高い解像度に至ります。

解像度を"深さ”-"広さ"-"時間"の軸で深堀りしていくための手法が記載されています。

以下の言葉が印象に残っています。

  • 計画自体には意味がないが、計画を立てることには意味がある。計画を一方的に伝えるのではなく、みんなで作っているというマインドが大切。

  • 内化(インプット:情報を集める、インタビューしたり没頭する)と外化(言語化する)を繰り返しながら、それぞれの深さ、精度を上げていく。

  • 数字にすることで見えなくなるストーリーや細部がある。

プロジェクトを提案する際に仮説を立てますが、その際の計画をみんなで立てることに意味があるように思いました。(プロジェクトのメンバーは一緒に計画を立ててるとは思ってないかもしれませんが…。)ユビキタス言語ではないですが、みんなで共通認識を持つことは大事にしたいです。

とにかく、情報を集めて仮説を立てるだけではなく、それを検証するために行動していきたいと思いました。

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」/安宅和人

基本的に私たちは、仮説を立てて行動していると思います。
本著では、如何にクリティカルな仮説を立てるための考え方が記載されています。

生産性の高い人は仕事をする速度が速いわけではなく、問題を解く前の見極めができているそうです。

「とりあえず行動」と上の方に記載しましたが、そうではなく、問題を解く前に本当に解くべき問題かどうか、すなわちイシューを見極めることが必要です。

つまり、前倒しして具体的に仮説を立ててから取り組むということです。その結果、仮説が違った場合でも得られるものが大きいです。

本著では、以下の順番で問題解決の流れが述べられています。

  • イシュードリブン―「解く」前に「見極める」

  • 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる

  • 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする

  • アウトプットドリブン―実際の分析を進める

  • メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる

私としては、まずは自分のプロジェクトが解決しようとする問題の分析を行い、具体的に数値化しながら「比較・構成・変化」の分析を行い、仮説の解像度を上げながら、開発に取り組んでいきたいです。
改めて市場調査から数字を読み込んで、仮説を立ててお客様にお伺いを立てようかと思います。

問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション/安斎勇樹・塩瀬隆之

『問いのデザイン』というタイトルですが、単に質問の仕方というわけではなく、もっと哲学的視点での『問い』について、具体的な方法論が述べられています。応用範囲の広い内容で、大きく分けて、以下の順番で説明されています。

  • 問いのデザインとは何か?

  • 課題のデザイン

  • プロセスのデザイン

  • 事例

自分のプロジェクトの目標や課題を定義する際、お客様への課題定義、新しい事業のアイデア、趣味の仲間と楽しく開発するためのブレスト、日々の会議のファシリテーション等、書籍を読みながらすぐにでも応用できそうなシーンを想像できました。

さいごに

事業のマーケティングというと大げさですが、自分の仕事の単位で考えればすべて自分事にできるはずです。
松下幸之助の「社員稼業」という言葉がありますが、一人一人が経営者の視点で自分の仕事を捉えて考えることの重要性を改めて感じました。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?