弱い人、嫌いなの 【 #思い出のマンガの一言 】
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私はマンガを買い揃えたことが無い。
マンガといえば長期休みに山梨の祖父母家へ向かう道中、特急かいじで楽しむために買うもの。続きが気になるものは買えず、私はこち亀、妹はちびまる子ちゃん辺りを選んでいた。
なぜ、マンガを買わなかったのか。親も読まなかったから?お小遣い制ではなかったから?習い事や部活に忙しかったから?
どれも該当しそうだ。そしてもう1つ「買わなくても読めた」というのも要因だったと思う。
年の差離れた兄貴がいる友人がいた。彼の家に遊びに行くと、その兄貴が買い揃えたマンガが並んでおり、自由に読んでよかった(はず)。
そこで、中学生の頃、1つの格闘マンガに出会った。
- 破壊王ノリタカ -
貧弱な主人公が困難を乗り越え強くなる定番の格闘ストーリー。ただ、特殊な点が2つある。
1つ目は、主人公が全くかっこよくないこと。かわいくもなければ、華もない。ルフィーでも、炭治郎でもない。でもそれが、成長期でひょろひょろしていた自分には妙に親近感を覚えた。
2つ目は、キックボクシングのマンガであること。これも当時は新鮮な世界だった。
顔も性格もダメな貧弱男。しかし、サッカー経験やいじめでこき使われた生活で脚力だけは人一倍ある。惚れた女性を振り向かせるため、キックボクシング部に入り、学校の喧嘩番長や、ボクシング部空手部相撲部、その後は海外のツワモノを倒していく。男子中学生にとってはムフフな描写もあるせいで、自然とのめり込んだ。
最初の頃、主人公の沢村くんは、とある攻撃しかしなかった。それはローキック。相手のふくらはぎへのキック。喧嘩番長に対し、とにかく逃げ回りながら、同じ個所へローキックを続ける。相手も周りも嘲笑う中、次第に相手が動けなくなり、倒す。
この戦法は「基礎を磨けば勝てる」という趣旨だったかもしれないが、キックボクシングの知識が無い私には「特技を磨けば勝てる」とインプットされた。しかも、その磨き方は正攻法ではなく奇妙な作戦が多かった。
正攻法や王道でなくても、何かを極めたら勝てる。
連載がすでに終わっていて、同世代にはマイナーなマンガ。だからか、すごく特別なことを知ってしまったようなワクワク感もあった。
そして、このマンガの影響は、私の秘密の作戦に結びついていく。
それは、意外にも高校受験だった。私はいわゆる受験のための進学塾には通っていなかった。理由はビビりだったから。塾に行くと竹刀をもった先生や、問題が解けるまで帰ることもできず泣きながら勉強する光景を勝手に妄想していた。そんな地獄のような場所に通うくらいなら、自分で頑張ろう…という情けない発想だった。
塾に通うライバルは正攻法の人間=格闘部のエリート
独自の戦法で戦う私=沢村くん
頭の中でそんな構図を描いていた。
どうしたら、正攻法のライバルと戦えるか。私は自学自習の長所をいかし、例えば数学では得意な図形問題を解きまくった。周りが塾の課題を満遍なく解いている中、私は「図形がきたら勝てる」「図形までくれば勝てる」という謎の自信を高めていく作戦を決行した。
最初に受験した栃木の私立高校での興奮は、今でも覚えている。やはり数学の時間。始まりの合図に筆記音が響きわたる。しかし、中盤から静まり返った。みな、図形問題に差し掛かり手が止まっていたのだろう。トリッキーで困惑するタイプの問題だった記憶がある。
私はというと、図形問題に差し掛かった時、笑みがこぼれた。
「なんて……ワクワクする問題なんだ😊!!」
そして夢中で解きながら、思った。勝った。
解けることや合格できそうなことよりも、自分の選んだ戦法が実を結んだことに興奮していた。
ヒロインの中山さんが1巻で呟いた一言。
「わたし、弱い人、嫌いなの」
このシーンは、回想として10回以上登場した気がする。未熟な中学生ながら、謎の自信を手にするため、どうやったら強くなれるか。取り組むだけではなく、どんな策を練るか。お守りのでもあり、やる気スイッチである一言だった。
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そういえば、受験の時にお世話になったマンガ(アニメ)がもう1つある。
- セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん -
マンガも大好きだが、当時テレビアニメもやっていた。深夜0時頃だったか。普段は確実に寝ている時間だが「オープニングのロマンスまであと10分!!」と視聴することを目標に、夜更かし勉強に挑んでいた。家族が寝静まった深夜、リビングでこっそりみた思い出。
思い出の一言を挙げれば「としこ、宇宙へ」「オクレ兄さん」「モンテスキュー」とキリがないし、意味が無いからやめよう 笑。
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2つのマンガの共通点は奇策。
マンガが先か、性格・好みが先かは分からないが、私は人生の中で少しだけ正攻法ではない作戦を選んできている。
例えば、このnoteもそう。noteの検索バー🔍に「税理士」と入れて、次に「ユーザー」をクリックしてみると、なんと地方のなんでもない私が上から3番目に出てくる。全国に税理士は約8万人いる。奇策を決行しているということなんだろう 笑。
もし自分が税理士を探す立場なら値段や経歴よりもポリシーやキャラクターを知りたいと思う。合う合わない、好き嫌いがあるはず。人となりを先に公開しておけば、双方にとってミスマッチなく良きスタートが切れるのではないか。noteはそんな作戦。実際、昨年の新規のお客様は全員HPからこのnoteを読んでくださっていたので、初回の打ち合わせから色々バレていた 笑。いいじゃないか。
今後も、あまのじゃくな私は外面は平々凡々にみえても、心の中では逃げ回りローキックやセクシーコマンドー作戦な人生なんだろう。
そんな私の #思い出のマンガの一言 。
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