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「作者の書きたい」と「読者の読みたい」の境界線。

自分の父方の方のお墓参りしたり(母方は来月行く予定があるのでその時に)、溜まっていた家事をしたりしてましたが、ゆるゆるとお盆が終わりきると日常が戻って参りますね。

そして、私にとってのそれは「書くための日常」が約10年ぶりに恒常的に戻ってくる。なのに心身ともにすっかり変わってしまっていて、決して10年前と同じようにはやれない、そんな新たなやり方を何とか模索していく日常になるわけです。

全く書かなかった約10年でもなく。NOTEを書くようになったここ半年ほどの、リハビリ程度の自分に少し甘めのやり方でもなく。

書き続けるなら、自分のためはもちろん、人に読んでもらうためでもある。だとするなら、作者と読者の間にある「需要と供給の境界線」についてもっと真剣に考えないといけないのかも。

じゃあ、今考えているネタを、私はどう人様が読める形へと処理するつもりなの?

今回はそういうお話です。


創作大賞の原稿前に考えていたネタって何だっけ?


えー、創作大賞で約2ヶ月くらい修羅場ったりてんやわんやしてましたね。なので、まずは2ヶ月前に「自分がやろうとしていたこと」を思い出す必要があります。

あれですよ。なんかなろうっぽいの一度書いてみたいんじゃー!と思った結果、短編として書き上げた「絶望薔薇好き令嬢は凍らせ公爵令息に有り余る希望を贈られて溺愛されています」の長編化を目論み、

何でか話が膨らみまくって、ヒーローたる公爵令息と上司にあたる王子による捜査もの(警察もの→騎士団・暗部もの)というラインが思い浮かび、

じゃあキャラたちの仕事とか所属とか世界観とか捜査する事件の内容とか考えないとなぁ、と試行錯誤していた感じで、

私、捜査とかミステリーって書いたことないんやけど…?どう書くんよ?と迷走して、

それから丸2ヶ月ほど創作大賞向けの、全然なろう恋愛でも捜査やミステリーでもない、SFとホラーと男女と男男の恋愛の、チャンポン悪酔い必至みたいな長編小説を14万字近く書いて、

「人様に読んで頂くという前提をちゃんと考えろや、せめて」などと反省して、現在に至ります。

何やってんだろうね?ハハハ。まあ、NOTEを始めた目的の「10年くらいのブランクを取り戻して長編を書けるようになる」は一応クリアしました。

というわけで、反省したので「なろう恋愛とか捜査やミステリー展開とか、私が作者として書きたいことは分かった。で、読者の需要はどうなってるのよ?」ということについて、真剣に考えたいと思うわけです。同じ失敗を何度も繰り返さないためにも。


女性向けなろう恋愛物語で求められているもの。


そもそも何で私が短編の「絶望薔薇好き令嬢~」を書きたかったのかというと、「すごくオーソドックスな男女の恋物語って、実は私、あんま書いたことないよな?」というのと「最近流行りのなろうっぽいの、1回私もやりた~い!」という2つの理由からでした。

まぁ、書いた結果「短編向いてないな」と再確認して「ガチ恋愛オンリーもの、あんま書くの得意じゃないかも?」と思ったのでしたが。

リベンジしたいんですよねぇ。ちっとも恋愛要素足りてないんだもん。単純に書き込みが、文字数が足りてない、短編としても全くまとまりきれてない、本当短編苦手過ぎる…。

そして、本当はもっとこう、コテコテのなろうテンプレ異世界展開要素をやりたかったんだよ~!なんか転生とか転移とか死に戻りとか、チート的な加護とか、謎のお助けマスコットキャラ的な生き物(人外)とか、そういうのだよ!やりたいこと全然書けてないやんけ!!もっとちゃんと溺愛しろよ!!!(ちゃんとした溺愛ってどんなだ)

単純に、なろうの男女恋愛を読まれる方が求めるものはそういうテンプレートの中での目新しい恋愛ストーリーだと思いますので、少なくともこの部分では「読者様と私の、需要と現実に供給可能なもの」はさして大きく乖離してはいない、と思うのです。

捜査ものやミステリーで求められているもの。


で、私にはなろう恋愛もの以外にも、一度はやってみたい!と思っていることがありました。

ホラーや捜査やミステリーを含むストーリーです。読むの好きだし、むしろガチ恋愛よりそっちのジャンルのが書くの向いてるかも?と感じる部分があったのですが、全く試したことはなくて。

で、ホラーについては創作大賞の参加作である程度やってみて「なるほどなるほど…」と今思っているので、次は捜査とミステリー方面だなと。

ただ、これはなろう恋愛ベースの話に挿入するとなると、作者の私のエゴの部分が少し強くなるかもな、と思うのでした。

たぶん、両立するバランスがすごく難しいんですよね。例えば人気の「薬屋のひとりごと」みたいにやれるといいんだろうな…みたいなことはすごく考えるわけですけども。

でもやりたいんだよな、昔なかよしで野村あきこ先生が描いてた漫画のような、女子向けな、女子を含むグループの捜査・事件解決ものをさぁ…。

ごく最初は王子と公爵令息のバディものとして考えていたわけですが、なろう女子向け作品ならば女子主人公で、テンプレ盛りした上で恋愛ベースだろうなと。

実際問題、自分がどこまでミステリー展開やれるかが全く分からないんですよね。こう、「お仕事ものとしての捜査組織=騎士団・暗部もの」は多少書けても、「ミステリー」を書く能力値自体は低い人間かもしれないし、お仕事もの系の能力も足りてないかもしれない。確かお仕事もの作品もこれまでは書いたことないんだよな。

ミステリーも、本格展開は確実に難しそうなんですよね…。でも、一度はやりたいんですよ、あこがれのポエム的な数行の記述からの捜査と宝探し的な展開。

なので、まともに書けるかどうか、探り探りになると思われます。もし書けなかったら、それはそれで、せめて恋愛1本のものとして確実に仕上げる努力は最大限にしたいなと。


既に出来上がっている設定に新しく思い付いた方向性を足す。


というわけで、2ヶ月前は、頭の中に男2人バディものとして存在する幼少期の王子と公爵令息のみのエピソードを、公爵令息×薔薇令嬢という短編からのカップリングの幼少期のエピソードに、ミステリー展開含めて足す作業をしていたのですが。

ここで王子×婚約者の令嬢(ヒロイン主人公)というコテコテなろう恋愛テンプレ展開をさらに足す展開になりますね。

普通の恋愛ものの書き手様は王子×婚約者令嬢というメインキャラのエピソード固めやこんな恋やドキドキシチュエーションをふたりにさせたい!みたいなことからまずストレートに考えるはずなんですが、何で私の脳内では最後の工程なんでしょうね。恋愛ものを書きたい!思ってやり始めてんのにな?ヒロイン考えるの最後かよ。こういうところに恋愛もの苦手じゃね?感が出てますね。

そして王子と公爵令息たちに捜査をやらせるのなら、今回初めて出てきたぽっと出な婚約者令嬢を主人公としてしっかり育てて、全力体当たりで魅力的な恋する乙女、かつ捜査・事件の解決に深く関わる存在にしないといけませんし、まず何らかのトラブルに巻き込まれないと王子たちとも遭遇できません。

つまり婚約者令嬢を、「なろう恋愛もの定番の条件を満たす造形」にしなければならないが、同時に「捜査もの定番の条件も押さえる造形」にもしなければならない。

①何らかのトラブル・いじめなどに巻き込まれて(王子+騎士団の捜査が必要な大事件とも関連)
②何らかのチート的な能力で王子に見初められ
(事件を解決するのに必須な「主人公的」な能力)
③マスコット(人外)の協力を得て
(事件解決能力の担保+マスコットとしての可愛さ)
④キャラ的に可愛い主人公なので溺愛される
(ガチな捜査のドキドキが恋愛成就のスパイスに)

みたいな各要素を早急に考えないといけないわけですね。そして、ヒロインのチートは王子的には事件捜査に有益な能力だと望ましい。別にその能力だけでヒロインに惚れたわけじゃあないとしても、「確実に能力もあった方が望ましい」。

主人公はその能力のせいで落ちこぼれたり嫌われたりすることもあって、けど同時に王子に愛されるに足る能力でないといけないし、身分的なことを考えると一国の王子と釣り合わないといけないので、高位貴族の落ちぶれorチート過ぎて出が平民でも許される身分を担保する必要があります。

だって少年探偵団的なことをやりたい、っていう希望もあってですね。それで王子が一芸ある逸材を自ら集める展開がある予定なので、ヒロインにも「思わず探偵団にスカウトしたくなる存在=おもしれー女」になってもらわないといけません。

ヒロインのキャラ立て。その物語の全ての明暗を、ヒロインたる令嬢が握るパターンですね。

作者がやりたいことをしっかり押さえつつも、なろう恋愛もの読者層や捜査・ミステリー系の読者層の需要にも応えられるヒロイン(と癖強そうな謎解き系ヒーローな王子との溺愛恋愛)とは、一体どんな造形か。

引き続き考えていこうと思います。


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