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ミステリーには反復横飛び的な思考が必要らしい。

引き続きまだまだ長編小説、まとまっていませんね。アガベの植え替えや水やりをしながらもずっと考え続けています。

今回も書きながら自分の作品への考えをまとめるためのメモ回です。


この段階でポエムのみならず、あらすじ詳細や国の歴史をも詰めることに。


ひとまず「探偵役がポエム的な記述を元にして宝を探す系ミステリー」を書くにあたって、じゃあそのポエムの本体を作ろうぜ!というのが前回までの流れだったわけですが。

…すっかり失念していました。

こういうポエムな宝探し系の物語の場合、入手したポエムの内容に従ってキャラたちは捜査行動を取るわけですよね?

ポエムが示すAのアイテムがある場所を調べ、そこでBというキーを得てCに向かい…などと。

関連する手がかりが城の各地にバラバラに点在している場合、探偵役ポジの王太子や公爵令息はそれらを探して城中を動き回ります。

つまりそれ自体が「探偵が何をどうしてどうなった」という一連の行動となり、あらすじそのものにもなるわけです。

キャラたちの作中での捜索時の動きや、それぞれの手がかりを回る順番がそこで確定する、ということなので。ということは、ポエムもあらすじもセットで考えなくてはなりません。

また、「彼らが住む国の、始祖王の伝説が手がかりやモチーフになるとか~?」とも考えてしまったため、その「始祖王の伝説」という、国の歴史の中身までもを考える必要が出てきました。

小国の王子として生まれ、幼い頃に両親を暗殺されて泣く泣く逃げて流浪の旅を強いられた過去がある、そんなまだ弱くて何者でもなかったかつての若き王。彼が人間や獣人など色んな種族や竜、魔術師・錬金術師などと知り合い、やがて彼らを仲間にして国を造り…などという伝説は、前回までに既にうっすら考え付いていました。

もうそう想像した時点で、その伝説の中に出てくる始祖王の足跡など、あらゆるコト・モノが謎を解くための手がかりやモチーフの一部になるわけだな、と。

多民族国家か~国家運営に民族協和的な方向も込みだよな~ならポエムに「みんな始祖王と各種族の英雄たち同様のメンタルで、種族超えて国民同士仲良くしましょうね」的な要素もある方がリアルかもな~。

「死んでる過去の王が自分の子孫の王にあえて伝え残したポエム」でしょ?大したことない・下らなすぎるメッセージは手間までかけては送らないでしょうし。国家運営的にその辺りは苦労してそうじゃん?こちらの民族を立てればあちらの民族が立てられず、配慮と綿密な調整が必須、みたいなさぁ。


あらすじを考える=サブの登場人物のことも考えることになる。


さて、詳細にあらすじを考える場合にはサブの登場人物も考えなければなりません。王族たる王太子たちが城をうろついていて出会う人たちですから、当然、主に城で働いている人たちですね。

探偵の王太子にワトソン役主人公の公爵令息、謎ポエムの送り主がご先祖の王様とその弟公爵の兄弟、本件の管理責任者となる王や王弟や宰相が上司系。彼らがメインキャラとすると、仕事人の彼らこそがサブキャラとなります。

ここで、以前に作った組織図の出番です。

この組織図に出てくる各組織の人たちが、王太子が捜査のために事情聴取する相手であり。また王太子と公爵令息が共に身分が高い、かつ子供ゆえに、捜査をそれぞれの管轄区画で実質的に手伝ってくれる協力者でもあります。

例えば、大人より背が低かったり非力だったりな彼らの代わりとなって高いところにある手がかりを調べたり重いものを動かしたりなど、人手が必要ですよね。まず基本として、2人に近衛の護衛は付けられるはずですので、協力的な近衛のキャラは必要でしょう。

で。この作品では少年探偵団的なこともしたいので、だったら各組織の中から一部の人を「王太子と公爵令息コンビ直属の探偵団メンバー」として今後スカウトすることが必要ですよね。

いずれ仲間になる探偵団メンバーたちを、ここでちらりとでもいいから出しておきたい。王太子たちには宝探しをさせながら、同時にこれは!という一芸ある者にも注目してもらいたいですし、あわよくばそんな相手のスカウトもさせたい。

なので、王太子にはポエムの捜査と同時に、人材探しもやってもらわなくてはなりません。

組織図があるということは、スカウト相手の主な仕事や得意分野、経歴が丸分かりになるので、サブキャラ設定がしやすくなりました。副次的なものですが、助かる~。

あと↑の民族協和的なことを考えると、色んな民族がいるんだよな。キャラの民族バリエーションも付けられるな。

今考えているサブキャラは、護衛役の近衛騎士団長(将来騎士を目指す主人公の目標)とか、近衛騎士団長に絡んでくる竜騎士団長の人とか(肉弾系だけど性格素直可愛いキャラがいいな)、写真のように目に写ったものを記憶できるメイドの少女(周囲まだ誰もその才能知らない)とか、暴走マッド気味の魔術師&錬金術師コンビ(「魔法研の女」とかやりたいっつってたじゃんね?)とか、財務大臣の実直で気難しそうなおじさん(愛妻家とかメンタルかわいくしたい)です。

↑のキャラ周りの展開はもううっすら脳にあります。いい感じにあらすじとして膨らませたい。

これまではポエムを作ろうぜ!→あらすじとキャラ設定と歴史設定しよう、という思考の流れだったわけですが、次はあらすじとキャラ設定と歴史設定→ポエムを考えるぞ!という思考の流れが必要らしい、と分かったのでした。

きっと反復横飛びのように思考の往復をさせながら、どのカテゴリも密に詰めていく感じと思われます。


恋愛ものとは違い、反復横飛び的なアプローチで考えるミステリー。


こういう反復横飛びのような考え方といい、暗号やトリックからあらすじやキャラを作り出して配置して行く考え方といい。ここ最近のブランクはあれど長年、高校生時以来ずっと小説を書いてきたつもりが、どれも全くの初めてやる方法論ばかりです。これまで二次創作時にやってきた恋愛もの執筆と比べると全く内容が違いますね。

恋愛ものの時は先にキャラがありキャラ同士の関係性があり、過去から未来に向けて一方通行であらすじを作って要素を足していけば成立していたんです。時と話が進むにつれて2人の関係性をより濃密にしたり萌えるシーンを足してラブラブ描写を増やしていって、時には18禁要素も加えて…という、どちらかというと足し算の考え方でした。

が、ミステリーは、トリックや暗号などの要素がまずあって、それからキャラや関係性やあらすじが決まっていく始まり方です。場合によっては探偵にラストにこんな感じで事件を紐解いて欲しいから…と最後のシーンから考えていくパターンさえあるかもです。どちらかというと、引き算の書き方に思えます。

事件の解決に向けて探偵が「ああでもないこうでもない」と捜索や検討を重ねた結果、必要でない要素は抜けていく作り方なので、解決編になると無駄なことは消えていて読者の脳がスッキリ納得に至るというか。殺人事件もののミステリーであればキャラの数自体も実際に減ってスッキリしてしまいますし。

それが、例えば「ミステリーの要素がある恋愛もの」と「恋愛の要素があるミステリー」の構造的な違いになるのかもしれません。一般的にそうだろうというより、私が書く場合はそうかも、というだけのことなのですが。

でもこの「トリックから作る」の引き算をあんまり徹底し過ぎると「事件のために都合良過ぎる動きをしたり、老若男女変幻自在な犯人」ばかりになってしまって、「小説なのにろくに人間模様を書けていない、キャラが操り人形でしかない。そんなのはクイズ文で、小説としてどうなんだ」みたいな、大昔にミステリーが言われていた批判に通じる状況に至るのかもしれません。

だからこそ、あえて反復横飛び的な考え方をすることで「人間を書く」ということをする必要がある、というのがここ最近の傾向の「読みやすいミステリー小説」のトレンドに近づくための、私としての方法論なんだと思います。

引き算的な考えと足し算的な考え方をして、差し引き0に釣り合わせたら、私の中のバランスが取れる、みたいな。

この「0で釣り合わせる」という感覚は、文章でのみの話でなく、私の基本的なあり方そのものかもしれません。状況と自分自身の、釣り合っているバランスを探して安定感を得ることが心地よいので、その感じで基本生きたい。

キャンプやアガベ・アグラオネマあたりのいやに野郎好きする趣味にはまっていたりもですが、服も女子らしいふわっとしたフレアスカートに野郎要素のライダースやらトラッド気味なジャケットを合わせるようなことをして落ち着きます。これは女×男の観点での「差し引き0」の釣り合いだと思います。

ものの考え方も、感情的or理性的の二者択一にはせず、ハイブリット的な落としどころの「差し引き0」が好ましく感じています。感情的過ぎるとただのアホのガキだし、理性的過ぎると冷血冷淡過ぎる自分になるので。ほどほどで。

趣味や服と同様、私の文章も「私の手持ちアイテム」なので、書いていて気持ちいい形を自分なりに追求して考えていくと、自然と「0に釣り合うこと」を求めるのかもしれません。

恋愛ものメインで書いていた時に何となし機能不全感があって。好きなキャラの2次創作だから楽しく書いてはいたんですが、楽しさの横に「ベストは尽くしたはずだけど、もっとどうにか書けんかったんかな、私は」感が毎度あって。

書き方が0で釣り合ってなかったからかもな、と今はぼんやり認識しています。この反復横飛びで考えようかな?が現時点では思いのほかしっくりしているので。

…というわけで、思考の往路を走ってきたっぽいので、これからは復路である「あらすじとキャラ設定と歴史設定→ポエムを考える」作業に入りたいと思います。

これで少しは本文をまともに書ける日が近づくと信じて…。早く本文書きたいんだけどなぁぁ。

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