新大久保アイドルから学ぶ「一生懸命」

私事ですが先日家族旅行で関東に行ってきまして。
今回はそんな中で3つの学びがあった話。


※今回は子供の夢をかなえる旅


長女の希望の一つに
「新大久保で韓国料理を食べたい!」
というものがあり中盤それを叶えましょうとなったんですね。

ついでに韓国コスメ買い漁ってやらぁ!ってね。


普段は完全車生活の私たち。
慣れない都内の地下鉄移動に加え
新大久保の直前にはカワイイの聖地、
原宿竹下通りで人ごみに揉まれてきた後。
大人は疲労困憊である。

「竹下通りで最新スイーツを食べる」というのも
娘たちの希望の一つであったため、
「足が痛い人が多い荷物重い早くホテルに帰っ・・・」
なんて本音は微塵も出さず頑張る30代。

チーズがレインボーなパンとかね。


行き着いた韓国料理のお店は店員さんが韓国の方で
お目当てのサムギョプサルも目の前で焼いてもらえちゃう。

韓国ドラマでよく見たシルバーのお箸にテンションが上がり、
これまたドラマに出てきたような箸休め的な野菜も美味しい。


写真見てたら食べたくなってきた・・・


さて、韓国料理を食べるという目標も一つ達成したところで
私はこの後の大きな出来事に繋がる大きな決断をする。

慣れない都内運転と人ごみでお疲れ気味の夫と
歩き疲れてヘトヘトの末っ子は先にホテルに帰そうと。

優しさ半分、ゆっくり韓国コスメを見たい気持ちが半分だ。



「え、いいよ!気にせずゆっくり見て!」
という夫に
「それでも気遣っちゃうから今日は先に休んでて。」
うん、我ながら完璧な返答。
のはずなのに、快諾しない夫を不思議に思っていると・・・

「俺がいなくなったら絶対ホテルまでタクシーで帰ってくるでしょ😑」と。
夫は私が交通費を無駄遣いするのを恐れていたらしい。
「(約束はできないけど)地下鉄乗れるよ」
と答えて夫と末っ子をホテルへ帰すことに成功。


普段あまり時間を取ってあげられない長女との
2人時間を作りたいこともあり、このタイミングがベストだった。
長女、嬉しそうで私も嬉しい。

その後、韓国マダムの熱烈営業トークを受けたり
絶対無許可じゃない?っていうK-POPアイドルグッズを見たり
サムギョプサルこっちの方が安かったね!なんて言いながら
初めての新大久保を長女と二人満喫。


意外と買わなかったな


とはいえ運動不足のアラフォー、足も腰も肩も限界がきている。
「おしゃれなカフェで休憩しよ~」と提案。
カフェを探す途中、数名のイケイケな男性+スタッフらしき人がチラシを配りながら闊歩している。

ライブのチラシのようで、私と長女がそれぞれ受け取る。
(チラシ配りイケメンが私にウィンクしたが私はイケメンに興味がない)

長女は「知ってるかも!!」
とかなんとか騒いでたが
嫌な予感しかしないのと私は一刻も早く座りたいので聞こえないふりをしてカフェへ突入。


カフェの店員さんも韓流ドラマに出てきそうなTVで歌って踊ってそうなイケメン韓国男性で長女はご満悦。

私はこれが気に入った↓

箱ごとでもいいんだ?発注ミスった?


マシュマロやらミントやらが浮かんだお高い映えココアを飲みながら長女が言う。

長女「さっきの人達のライブに行きたい」

「・・・。」

(え、待ってうそでしょ。足死んでるよ。
もうママの足は死んでるの。
てかあの人たち誰なの?
チラシ良く見たら別にイケメンでもないし
全然興味湧かないし何ならママももうホテルに・・・)

「ライブって…いつ?」

長女「この後16時からだって!
ママがトイレ行ってる間に調べたの。
ここから歩いて5分くらいで初回無料なんだって。(早口)
前に見たことあるの!
新大久保アイドルっていうのがあるんだよ!
あの人たちきっと新大久保アイドルだよ。」

「…行こうか(マジで行きたくない)」


たまたま旅行中に来た新大久保で、
カフェに行こうとした道中でチラシを受け取り、
開始時間も丁度良くしかも無料、
夫と末っ子を先にホテルに帰し・・・
何より長女が希望している

どれか一つでも欠けていたら、叶えられない長女の希望

叶えるの一択でしょう!!(泣)


頼む、椅子有ってくれよ・・・と願いながら
会場に向かう道中、「初回無料とホストについて」の談義を長女に繰り広げる。

詳しい内容は割愛する。

学校で教えてくれないことを教えるのが自分の役目と自負しているので知っていることは全部教える。
無料には必ず罠があるんだ、という学びになったに違いない。


無事到着し受付のお姉さんにチラシを見せる
ここにきて一瞬「無料って怪しい」と思ったが
この時には何事も経験!の好奇心が勝っていた。

チラシを見せるとチケット代わりとなるようで、
氏名を書きInstagramのアイドル名のハッシュタグをつけてストーリー投稿をするのが条件だった。
次回以降はお金がかかります、という説明もしっかりあった。
ちなみに正規料金は前売り4500円・当日5000円。

良かった。
Instagramのアカウントいっぱい持ってて。

ここで1つ目の学び。


・イケメンが直接チラシを配り興味を引く
・初回無料で最初のハードルが下がる
・Instagram投稿してもらうことでその人近辺に広告費をかけずPRできる

みんな試行錯誤商売をしているんだなぁ、と感心したところで
もう始まっているというライブ会場のドアを開けると・・・


すんごい。
なんかもうすんごい。

小さなステージ。
キャパはマックス150~200程度かと思われる防音された一室のライブ会場。
ライブ会場には60席程度のイスが並べられていて最前列以外はほぼ空席。

最前列にはペンライトを振り回し歓声を上げる女性たち。
なんだか決まった掛け声?的なのがあるらしく、最前列の息が合ってることからなかなか熱心なファンもいる模様。


私はというと、やったー!座れる!
というのが第一の感想。
後ろの方の席につき、長女と周りを見よう見まねで
周りに合わせて立ったり座ったり、手振ってみたりしながらライブに参戦。



長女は「めっちゃ楽しい!ママありがとう!」
目をキラキラさせながら言ってくれた。

私は心の中で「マジでこの人たち誰やねーん」状態のまま、周りに合わせてイェーイ!な雰囲気に努める。


途中トークが挟まれていたが、日本語3割韓国語7割といった感じ。
あまり内容がわからなかったのでお客さんの人数を数えてみた。


ゲスな2つ目の学び。


~当時の私の脳内~

私達を含め36人。
私たちは初回無料で入場。
見る限り大多数は初回ではなさそうな人が多いので簡略化して
私達を抜いた34人が前売りで入場したとすると
4500円×34人=15万3000円
1日2回の公演で単純に2倍すると30万6000円・・・。


今日は土曜日だから平日はもっと少ないのかな。
半月ライブ開催してるから半月で300万強の売上だろうか・・・。

人件費はどのくらいかかるんだろう
このハコは家賃いくらなのかなぁ
ライブできるビル探すって大変そうだな・・・


地下アイドルってのもこんな感じで運営してるのかなぁ
世の中知らないことだらけだわ。
来てよかった。学びがいっぱい。


新大久保アイドルに目を輝かせる長女の横で
お金のことばっかり考える私。
嫌なオバサンだわ。

でもライブが進むにつれ、
私の感情に変化が起きるのが自分でもわかった。


元々音楽が好きだしダンスを見るのが大好き。
なのでこの人の声がいいなとか、ボイパすっげぇぇぇとか
それなりに楽しめていたんだけど。


明らかに一人だけ努力量が違うメンバーがいた。
ウィンクしたイケメンとは別人でイケメンとは言い難い感じの。
彼らの努力なんて見たことないけど、
初見のパフォーマンスで素人の私にもわかる完成度の違い。


目の力強さも誰よりも強かった。
パフォーマンスの合間に客席ではないどこか遠く先を見つめるような、未来を見てるような眼差しが印象的だった。


どれだけの努力をしたら
この活動量のダンスを踊りながら、音程を乱さず歌えるのか。
そしてそれがどれほどすごいことは三浦大知を追いかけていた私にはわかる。


長女に付き合って仕方なく。

そんな気持ちで訪れたライブだったが
次はどんなパフォーマンスするんだろうとワクワクしていたのだ。


更に言うと、今目の前にいる名前も知らないこの彼と同等の「完成度の高い歌いながら踊る」というパフォーマンスをできる人はそうそういないはずだけど、彼は何故この小さなハコで活動しているのか・・・。

理由はいくつか思い付くけれど、頭の中でどの理由を挙げてみても単純に実力だけでは勝ち取れない世界なのだろうと痛感した。


大切な3つ目の学び


そんなことよりも大切なのが、この日の私にとって一番の学びは
「一生懸命は人の心を動かす」ということ。

わかっていたはずだけど、
普段が一生懸命じゃないわけではないんだけど。


満足できる環境じゃないとしても
言葉のわからない場所でも
お客さんが満員じゃなくても
一曲一曲手を抜かず100%のパフォーマンスをして、
曲が終わるごとに酸欠間近、滝のように汗を流している彼を見て
私は心の底から「応援したい」と思えたし、
「私も頑張ろう!」とパワーを貰えた。


応援される人って一生懸命な人。
人の心を動かすのって一生懸命な人。

こんなシンプルなことに改めて気付かせてくれた
名も知らぬ彼に感謝。

グループ名だけは覚えたので
札幌でライブがあったらお金を払って応援しに行きたい。


そんな出来事があった旅行中の一コマのお話。

好奇心、ずっと持っていたい

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