映画「余命10年」を見て
こんな映画見るんじゃなかった。
そう、主人公の茉莉が
「同窓会なんて行くんじゃなかった」
と言ったのと同じように。
見る前から泣くとわかってる、
絶対に泣くとわかりきってるのに、
想像を遥かに超えて泣いた。
涙がポロ…とかツーとかではない。
ヴッ…グォッ…ズビー!!ハァハァ…だ。
本当に自宅で見て良かったと思う。
これ系の映画にめっぽう弱い私は
見終わる頃にはティッシュが一箱なくなった。
途中茉莉が母にやっと弱音を吐くシーンでは息ができなくなるほど泣いた。
終始小松菜奈の儚い美しさに魅了され、小松菜奈演じる高林茉莉の気持ちを想像する度に泣けてしまうのだ。
視聴者の想像力を掻き立てる演技をする、素敵な女優さんだと思った。
原作は小坂流加さん。
「余命10年」を書き上げ、文庫版の編集を終えた直後に主人公茉莉と同じ病の病状が悪化し逝去。
原作と映画では細かい設定や表現が異なるものの、数万人に1人という難病を体験した本人にしか書けない、そんな作品だった。
余命10年の中、恋なんてしないと決めていたのに愛する人に出会う。
なのに愛する人の手を取ることはできない。
自分の命の期限はもう近付いているから。
個人的には、茉莉の家族に感情移入してしまう場面が多くあり、これがまた涙無しでは見られないものだった。
自分の、または家族の命のタイムリミットがほぼ決まっていて、その時間は刻一刻と近付く。
そんな時に自分だったらどんな心境になるのだろうか。
周りの幸せを喜べるだろうか。
周りに優しくできるだろうか。
何かを残したりできるのだろうか。
家族の立場であったら、生きていて欲しいと願うのはわがままなのだろうか…。
そんな部分もリアルに演じられていた。
主題歌はRADWIMPSの「うるうびと」
自宅でアマプラ視聴しているにも関わらず、エンドロールの最後まで見てしまったのはこの曲があまりにも「余命10年」の余韻に相応しいものだったからだろう。
久しぶりに涙を流し、
命とは何かを考える時間だった。
というのもここ数日体調を崩し、
起き上がれずにいたので余計に身に染みたのだろう。
今まで、神様がいるのだとしたらその人が乗り越えられるギリギリの試練を与えていると思っていたが、それは私の狭い視野の話だった。
現代医術を以ってしても、打ち勝つことのできない病の前に人は無力だ。
ただただ、答えの出ない疑問を考えながら
与えられた命を全うしていくしかないのだ
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