熱中症の漢方治療

仙台はしばらくはっきりしない雨がちの気候が続いた後、気象台が梅雨入り宣言をした途端カッと暑くなりました。なんなんですかねえ。と言うわけで、今日は熱中症のお話です。



熱中症は点滴に限る。はい、その通りです。しかし在宅の高齢者はしばしば点滴が刺さらない。血管は探しにくいし、刺すと逃げる。やっと刺したと思ったら破ける。でしょ?



そんなときはこれ、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)です。石膏が主役で熱を冷まします。知母はそのお手伝いです。甘草はこの場合炙甘草ではなく生甘草で、これも熱を下げます。これに粳米が入りますが粳米って要するに米なので、米が主食の日本の高齢者にはたいして意味が無いかもしれません。人参はここでは元気を付ける意味ではなく、育陰と言って身体に潤いを付けるために入っています。全体として解熱と水分を保つ意図の処方です。



間違えてはいけないのは、清暑益気湯は熱中症になっちゃったら役に立たないよって言うことです。あれは熱中症「予防」の薬です。あくまで予防薬です。熱中症になりやすい人に、前もって出しておくのです。熱中症になってから清暑益気湯というのは、時既に遅し。なったら白虎加人参湯を使ってください。一回一包では少ないでしょうねえ。2包を1日3回、大量の水で飲む。お湯じゃありませんよ。熱中症なんですから。水で飲ませてください。



と言うことで今日は熱中症に対する白虎加人参湯のお話でした。

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