冷え症の漢方1.老化による冷え

冷え症の続き


前回はショウガで話が終わってしまったので、今回は薬の話。


さて、中国伝統医学では、冷え症は下記の原因で起こるとされていると書いた。
1. 老化によるもの
2. 女性の更年期や閉経以後のホルモン状態によるもの
3. 若くても体力が不足しているもの
4. 情緒不安定によるもの
これらによって冷え症は生じる。だからその原因によって、治療法は異なる。


1. 老化によるものは、ある程度どうしようも無い。しかし私は昔、夜に足が冷えて眠れないという80代の女性に八味地黄丸を出した。まだ経験が浅かったので、一回一包1日3回で出してしまった。そうしたらその晩、高血圧緊急症で救急搬送されてしまった。


参ったなあと思い、別の薬にしたが、当の本人、あの薬を飲むと確かに血圧は上がったが足の冷えはなくなって気持ちよかったと。それで息子が隠した棚から息子夫婦が寝静まるのを待って、あのツムラのエキスを2,3粒、ペロッと舐めたそうである。そうしたら血圧も上がらず冷えも収まって丁度良い。と言う話を次回外来でされて、息子さんが怒り出してしまって対応に苦慮したという落ちが付いている。


ウェブでは一回の話は短くしなければならないので今回はこれくらいにするがともかく冷えにともなう冷えのファーストチョイスは八味地黄丸だ。ただし高齢者には眠前一包から始めて様子を見ながら増量すること。

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