岩崎本舗の「波乱まんじゅう紀」6
栄司はある決心をします。
「安心・安全にとことんこだわった工場を建てよう」
そこで
HACCP
(アメリカのNASAで開発された食品衛生管理の方式)認定の工場を建てるために動き始めます。
この『HACCP』にはたくさんの原則や手順があり、そう簡単にとれるものではありません。
しかし、栄司は専門家の方々の協力もあり一年の月日をかけ、長崎で初となる
HACCP認定工場
を立てたのです。
立派な工場ができ、今までよりさらにこだわって商品づくりができるようになった栄司は、職人の技で作る母の味を目指し、食品添加物を一つ一つ取り除いていくという、とても大きな目標を立てました。
まずは、生地の膨張剤として使われていた【ベーキングパウダー】
ベーキングパウダーを使うと生地を膨らませるのは簡単ですが、それを使用せず、パン職人のようにイースト菌の発酵によって生地を膨らませたいと考えたのです。
いざ試してみると、やはり生地の膨らみ方が足りません。
職人達と試行錯誤を重ね、五年もの月日をかけて、ついにイースト菌を使ってふわふわの生地を完成させました。
次に、生地の風味を出すために使用していた【マーガリン】
マーガリンに含まれる【トランス脂肪酸】を生地からなくそうと考えました。
しかし、仕入れていたマーガリンには全てトランス脂肪酸が含まれていました。
「外注が無理なら自分たちで作れないか?」
と角煮を炊く時に出る脂(ラード)を研究し始めます。
するとその脂は、業者から「売って欲しい」と言われるほど質もよく、動物性であることからトランス脂肪酸も含まれていないことがわかりました。
そこで、すぐに製油のための機械を導入。安定した製造に成功しました。
栄司は更に奮闘します。
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