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ママとのはなし

大家さんから勧められた物件を借りてお店を始めよう動き出した日、俺はその時週3回アルバイトをしていた「がじゅまる」のママ、強さんに話をしに行った。

お店を開店しようと思っている日の2か月ちょっと前だったかな。

平日で他のスタッフもいる日だったから、すぐ近くの公園の石段まで来てもらって、腰かけながら話を切り出した。
「ママ、俺自分でお店をやりたいと思ってて、借りる物件も目途がついて、大家さんのTさんとも話をつけてきた。そのまま、一番にママに相談しに来たんだよね」
ママは最初「やだぁ~、なんの話かと思った」ってびっくりしてたけど、俺の独立を応援してくれるって言ってくれた。「営業中に宣伝もしていいわよ~、それに、あんたになら100万までならすぐ貸すから困ったら言いなさいよ」って心強い言葉もくれた。
でも、一緒にお店に戻るとき「なんか、恋人に振られた気分・・」って冗談っぽく、でもちょっと寂しそうに言ったのが今も忘れられない。
たぶん、がじゅまるで働いてなかったら俺はお店をやろうなんて思わなかっただろうな。

だから強ママには本当に感謝している。

ママへの報告が終わってから、いつも通りゆたぽんと清水のいるU:Zに行って、2人にも実はお店を始めるってことを報告した。最初に俺が目指してたのはU:Zみたいにアットホームで一人でもふらっと行けて、なんなら毎日通っちゃって、その日あったことをなんでも話せるお店がいいなって思っていた。けど、なかなか思った通りに行かないのが人生かもね。
いや、むしろ店側の立場とお客の立場じゃ全然違うってことなんだろうな。

2人に報告したあと、その当時、仲良くて大好きだった友達のヒロシにママに報告に行ったことを電話で話したんだけど、なんか知らんが途中から俺は号泣してしまって、ずっとヒロシに励まされていたな。
泣いて嗚咽している間もずっと電話を切らないでいてくれて、泣き止んでからも「強さんを裏切ることになるなんて考えなくても大丈夫だよ」って心を見抜かれたようで、でもその言葉で俺は安心した。
ついでに、内装のお金がちょっと足りないなぁって話してたらヒロシは後日俺の口座に30万円も振り込んでくれた。この時点ですでに応援してくれている人のために頑張らなきゃっていうプレッシャーもあったな。

こんな経緯もあり、俺は「がじゅまる」のママに報告して、お店を出す決心をした。強さんとのエピソードはたくさんあって書いていると書ききれないから、いつか機会があったら「がじゅまる」時代のことも書いてみようかな。

ひとまず、今回はここまで。

読んでくれてありがとうです。

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