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5W1Hの思考法

こんばんは、長文を見ると白目を向くマネージャーIwaoです。

先日、あるプロジェクトの提案書を見たんですが、長文を読まされて「で、どうしたいの?」とか思ってしまいました。提案書にも関わらずWhyもHowも書かれてなくてWhatだけがドヤドヤと書かれてました。

経験上、そういう目的が曖昧なプロジェクトって、共通認識が弱いせいであとになって目的がブレてペンディングや解散してしまうリスクが高いです。お金をドブに捨てるくらいなら給料を上げてよって思いますよね。

昨今のプロジェクトはアジャイルなんかもそうですが、コミュニケーションを重視する傾向が強く、情報を早く正確に伝えるために基本中の基本のフレームワークである「5W1H」の使い方について解説したいと思います。

5W1Hとは?

5W1HとはWho・When・Where・What・Why・Howですが、6つも軸があると混乱しがちですね。

何を伝えるかによって順番が異なるらしいんですが、いずれにせよ正確に物事を伝えるために順序性を持って捌いていくことが大切です。これを理解できればどうしたいのかが明確になり、思考にストーリー性を持たせることができるようになります。

では具体的な例で考えてみましょう。なんでもいいんだけど個人的にダイエットを始めたので、今回はダイエットアプリ開発プロジェクトの提案を考えてみます。

1. Why

Whyは目的や理由ですが、なぜユーザはその製品を使うのかの理由がないと使ってもらえません。ユーザは目的に共感したときに行動するわけです。インセプションデッキなんかを勉強するとWhyの重要性は理解できると思います。

ダイエットアプリ開発プロジェクトに置き換えてみましょう。ダイエットアプリを使うユーザに向けたWhyが「健康になるため」であれば、健康に課題感のある40代とかには共感を得られそうですね。

ただなぜ健康になりたいのでしょうか?家族を支えるためなのか、モテるためなのか次の目的によって手段は変わってきそうですよね。手段が変われば共感する軸も変わります。

つまり目的は複数あってなるべく共感を得られそうな理由を分析することが必要です。なぜに対してなぜを掘り下げる分析の癖をつけましょう。いわゆるなぜなぜ分析という手法です。

なぜダイエットアプリか? -> 健康になりたいから
↓
なぜ健康になりたいのか? -> 心と身体をセットで考えて安定感を測りたい
↓
なぜ心と身体をセットで考えて安定感を測りたいのか? -> いつもで好きなことをできる状態を維持したいから
↓
なぜいつもで好きなことをできる状態を維持したいのか? -> 習慣化して効果性を検証したいから

もうWhyを掘り下げられなくなったらOKです。どこが共感されそうか考えておきましょう。

2. Who

次は誰に対して情報を伝えたいかを定義します。ペルソナ設定というプロセスで、架空の人を定義してその人への共通認識を持つことで情報のブレによるリスクを減らす効果があります。

ペルソナ設計は、ターゲットのキャラ設定として取説をつくる感覚です。面倒くさかったら2軸でのマッピングをオススメします。

・酒やタバコ・間食など健康リスクの習慣あり
・仕事が趣味
・成長フォーカスが強め
・スマホ大好き
・論理的で定量化を好む
・出不精(時間的な無駄、人混みリスク)
・誘惑に弱い
・運動は好きだがランニングは面白くないと思ってる
・優しいが行動にムラがあるダイナミック・ワイルド系

こんな人にダイエットアプリを使ってほしいってのを定義して、その人がイメージできればOKです。あれ…これ俺…?

3. How

次に大事なのがHowつまりやり方です。Whatと似てますがHowは概念化であり、概念化とはコンセプトやキャッチコピーを作る感じで本質だけを伝えることです。個人的にはやり方は作戦を立てることが近しいと思ってます。

ダイエットアプリで健康になるための作戦を思いつく限り出しましょう。それぞれの作戦をなるべく具体的に書いて、条件や行動なんかも盛り込めればベストです。

・いつでも健康にインパクトがありそうなストレスを吐き出させて、ストレスのはけ口の一つと認知してもらう
・心と身体の健康状態(成長度)を定量的にチェックし、溜まってきたらリフレッシュする
・健康リスクの習慣を抑えるメリットを出して、デイリーで誘惑を耐えたことを認識できる
・体重を落としてスッキリ見せるために、体重計のデータをストックしたい
・体脂肪率を下げて代謝を上げたいが、体脂肪率を計るのが面倒くさい
・食事療法でじっくり栄養バランスをとって、コンビニなら野菜やたんぱく質の商品を購入する
・運動をしないでも(誘惑にたまに負けても)ダイエットできることがわかって、気持ちが楽になる
・筋トレを楽しくできるので、家に帰ると筋トレをしたくて仕方なくなる
・しばらくアプリ使っていると、習慣化のツボを自分でわかるようになる
・運動したら最大限の賞賛を与える

これらの作戦はあくまでも仮説でいいんですが、だいぶイメージが付いてきました。作戦は相手にあわせて選んでいきましょう。

4. What・When・Where

ここまでできたら、あとは何をいつまでにどこで(?)やるかを実行するだけです。要件定義と開発フェーズを区別するなら、ここで分離させることができそうです。

ようやくここからはユーザは何をするかというWhatを考えられます。無駄な分岐が多い仕様書を書くよりもユースケースを作るのがアジャイルだと一般的ですね。

思考法

5W1Hのうち重要な2W1Hを共感定義概念化と分類しました。この2W1Hはデザイン思考という思考フレームワークのStep1~3に該当しています。

Step1. 共感
Step2. 定義
Step3. 概念化
Step4. 施策
Step5. 検証

簡単に言うと、デザイン思考とはヒトを中心に設計する考え方で、人が何か行動するには共感を得て、課題を定義して、どうするか考えて(概念化して)施策・検証する一連のフレームワークです。

ブラックサンダーってチョコが美味いらしいよって共感し、最近疲れてるからって課題を定義し、疲れているときは甘いものって概念化から、食べてみて美味いーみたいな感じです。

つまりWhy→Who→How→3Wで設計するプロセスは、デザイン思考的な思考法に近いですね。

ストーリー化

最後にWhy・Who・Howの重要な部分をピックアップし、人の特徴から共感を得られそうな目的を見つけ、課題を解決するような作戦に紐付けます。

ダイエットアプリというよりかは、心と身体の健康状態をチェックしてくれるアプリになりました。

WHY: 心と身体をセットで考えて安定感のある行動をとっていく目的
WHO: 酒やタバコ・間食など健康リスクの習慣があってアクティブだけどムラがあるタイプ
HOW: 心と身体の健康状態や成長度をチェックしてリフレッシュするきっかけを提案する

ユーザストーリーマッピングはWhatのストーリー化なので、それとは異なりますので注意してください。

雑感

出来上がったプロジェクトは、それなりに「ぽい」提案になっている気がしますが効果性はまだ未検証です。せっかくなのでこのままプロトタイピングしてみてペルソナインタビューしてみたいと思っています。

わかったことはプロジェクトマネージメントにおいて、マネージメントされる側から見た場合、
目的に共感できるか
誰の課題かを定義できているか
概念化は具体的に言語化できているか
って軸でチェックすると、提案者がどうしたいのかどういうストーリーで思考したのかは伝わってきそうですね。

エンジニアやデザイナーが好きなことをのびのびやれるようなプロジェクトが増えると良いなと思ってます!

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