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組織と事業の課題を分けて考える

こんばんは、組織設計をしているPM Iwaoです。

僕のマネージメントにおけるメタ原則に、組織と事業をマネージメントすることは分けて考えたほうがうまくいくってのがあって、なぜ分けて考えるといいのかそのロジックを整理してみようかなと思ってます。

開発組織ではCTOとVPoEで役割を分ける2トップのフォーメーションは主流になってる感あります。CTOが事業、VPoEが組織って感じですね。ヒトモノカネならヒト(組織)とモノカネ(事業)です。

ビジネスのアジャイル化

まずは現状分析からしてみます。

ビジネスにおいて、どの職種でもPDCAを回すことが基本にあると思っています。PDCAは1つのサイクルで、計画して実行して検証して次の行動を決めることをします。あとはそのサイクルを回し続けることになります。

ニュアンスは少し違いますがビジネスのアジャイル化がこれです。そこでは課題を発見して課題を解決するための行動が繰り返されるわけです。そこがうまくできればビジネスは回るようになってます。

課題の分解

ただ課題には問題があって、いわゆる解決できない複雑な課題ってのが混ざってます。そういう複雑で大きな課題は小さい課題に分解するのがアジャイル化のセオリーです。チームのミーティングが1週間であればなるべく1週間で検証したいです。

例えば太ったという課題があったとします。原因は食事なのか運動不足なのか、そもそも体質なのか複数の原因があります。食事を改善して運動してって同時にやると原因がわからないままになり、再現性がない状態になってしまいます。

ですからビジネスがアジャイル化するなら、課題を分解してなるべく小さい複数の課題にして改善活動をすることが必要になってくるわけです。

ビジネスにおける課題

ビジネスにおける課題はだいたい複雑ですよね。新商品が売れないとか、よく納期に遅れるとか原因が一つであることは稀です。そこで登場するのが事業と組織に課題を分離する思考です。

プレイヤーが課題を事業課題と組織課題に分けられれば、それをそれぞれの事業マネージャー・組織マネージャーに投げることができて、その結果プレイヤーは頭がクリアになり仕事に没頭できるようになります。

組織課題はどんなものかって言うと「組織の7S」ってよく分類されています。

戦略 HARD
組織構造 HARD
システム HARD
人材 SOFT
スタイル SOFT
スキル SOFT
共有価値 SOFT

これらのHARDな課題は、マネジメントの意志があれば比較的短期間で変えることが可能ということです。

組織課題に向き合えているか?

組織に所属しているとよくわかるんですが、プレイヤーは事業を成長させる目的で行動することが多いので事業的な課題に対する行動になりがちです。

ただ1on1などで課題をヒアリングして紐解くと、だいたい組織課題に直面します。掘り下げると組織課題に関する内容が多くて、色んな会社でも組織の課題を解決すれば実は事業も上手くいくケースが多いんじゃないかなと思えます。

もちろん組織課題はグチでもなければ他責にすることでもなく、なぜその問題が起こるのか障害を見極めることが重要です。

組織課題と戦うのはマネージャーの仕事ですが、プレイヤーも向き合うことが求められています。それがティール組織でいう個々のプレイヤーが経営的目線を持つことです。

特にHARD領域の戦略・組織構造・システムを理解して図解で問題点を指摘できるレベルで落とし込めればベストですね。

組織課題を解決するアイデア

人を入れ替えてもうまくいく保証もないし、社内政治や好き嫌い、事実と解釈、別の組織課題が出るリスクもあって組織課題は簡単に解決できません。

ここで僕がプッシュするのが評価制度です。戦略・組織構造・システムといったハードな組織課題から更新可能な評価制度を設計して、人材・スタイル・スキル・共有価値というソフトな組織課題を継続的に改善することができればよい組織になっていくと思っています。

この記事が参考になりました。評価制度のトレンド「ノーレーティング」や「パフォーマンス・マネジメント」から多軸で評価することが、昨今のアジャイル化されたビジネスにフィットするんじゃないってことです。

なんかもうむちゃくちゃ難しくなってきたのでまた今度考えようかなと思いますが、組織のパフォーマンスを上げる下げるって評価制度が最もフィットしそうだよねってくらいで考えるといいかもしれません。

雑感

アドラーの心理学にあるコンセプトの1つである「課題の分離」ができれば、人生における対人関係の悩みから解放され即座に自由になれるとあります。

それをビジネスに置き換えると、せっかくのいいチームなのに人間関係でパフォーマンスを落とすと事業全体が傾くから、しっかり組織の課題に向き合ってビジネスをすることが楽しく働くことの本質なのかなって思った次第でした。

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