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ママため将棋講座#7 実は将棋は習えない


なんだかママさんの心を挫くような、元も子もないタイトルを付けてしまいましたが、

悲しいことに事実です。

全て習えないと言っている訳ではありません。基本的な手筋や詰将棋や定跡を習うことによって誰でもアマ初段程度までは成長することが出来ると思います。

しかしながら、二段以上を目指すとなると、最初の方の講座でお話ししている「技術的な才能」が非常に重要になってきます。

そしてこの段位者以上の世界は、人から手取り足取り教えて貰う世界ではありません。もちろん、先生も教えられることは全て教えてくれるでしょう。しかし、将棋の局面とは、後半になればなるほど2度と同じ局面が現れません。つまり、一定レベル以上になれば、必然的に自分の頭で難局を打開する力が求められるのです。だって、誰も知らない盤面な訳ですから。正解かどうかも分からない問題を、ひたすら自分の中で消化していく作業が必要になります。

故に、受験勉強のように隙なく習うことは不可能なのです。

「話が違う!技術的才能がなくても、将棋を好きでいる才能があれば強くなれるって言ったじゃないか!!!」とお叱りを受けそうですが、ここで言っている成長とは成長スピードの話です。
技術的才能を持っているお子さんは、成長のスピードも早く、初段から三段以上になるためには、1年もいらないぐらいのスピードで達成します。もちろん、将棋を好きでい続けていることが大前提ですが。
技術的な才能が高くない子供は、残念ながらこの初段の壁を越えるのに相当な時間と「将棋を飽きずに楽しみながら努力し続ける才能」が必要です。

ですから、これを読んでいただいているママさん達には、私の犯した失敗を繰り返して欲しくないのです。
私が犯した失敗とは、
「子供に将棋を強要すること」
です。
「なーんだ。じゃあ私は関係ない。強要したことなんか1度もないし。」
そう思った方。逆に要注意です。私だって「将棋をやめるな!結果を出せ!」などと子供に言ったことは1度もありません。
子供に「才能」を期待すること。子供が勝った時と負けた時で僅かでも親の態度が変わること。勝てない相手が出てきた時に努力して勝たせようと仕向けること。
これらは全て子供へのプレッシャーであり、負けて自信を無くすより酷いマイナス要素になります。

子供の勝敗に顔に出して一喜一憂しない。喜ぶのはいいのですが、負けた時に少しでもガッカリした気持ちを顔に出したりしないこと。(でも出ちゃいますよね
^^;)ケアレスミスを絶対にバカにしたり、責めたりしない。特に父親は言いたくなります。「何を初心者みたいなミスをしてるんだ!」「勝ってるのになんであそこであんな手を・・・。」などと自分を棚に上げて思ったりします。

話が脱線しましたが、それでは、そういう伸び悩んだ子はどうやって成長させたら良いか?

答えは本人だけが持っています。

私は失敗したのですが、ここだけはこうして良かったと思う点を言いますと、

「このままダラダラ将棋を続けてもこれ以上強くはなれないと思うよ。強くならなくていいと思っているなら、趣味で続けたらいいけど、これまでのように大会に遠征したり、月謝を払って習わせたりということはしない。
強くなりたいなら、今以上に努力をしないと成長はない。もし、それほど将棋を努力したいという気持ちがないなら、思い切って辞めて、別の好きなことを頑張る方がいいよ。」

と息子に促したことです。好きでもないことをダラダラ続けて、若い時の貴重な時間を無駄に過ごすことはもったいないと思ったからです。

息子は「僕、辞めたい。」と言いました。
私は心で泣きましたが。(笑)

おかげさまで息子は今好きなことを今精一杯楽しんでいるようです。
つまりは、本人の将棋への想い次第だと思うのです。

ですから、ママさんも子供の様子を見ながら、覚悟を決めて子供さんに「将棋を辞める」というお話しすることも大切だと思います。

ただし、好きなことを変えたからと言って、どこの世界に行っても、努力し続けなければ結果は出せないことは必定。できれば、最初に好きになった将棋で頑張って欲しいなと思いますが。

もちろん、負けても負けても、

「僕、将棋好き!」

という子には最優先で続けさせてあげて下さい。
ハッキリ言ってその子の才能は非凡です。必ず強くなると思います。
そういう子は激レアさんですが、何人か見てきていますので間違いありません。




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