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やっぱり、好きだと思うこと
こんな感じで毎日ぼんやりと過ごしていると
色々なことが曖昧な感じになってくる。
以前は色んなものを見よう見ようと
常にエンジンをかけていて
その分見たくないものまで見えてしまったりしていた。
そうしたくてそうしていたわけではなく
何となく周りがそうだから、
そうしていただけであって
自分にとってそれが苦痛だったことに
ずいぶんと長い時間、気が付くことができないでいた。
歩いている途中で立ち止まれること。
時間に追われることがないこと。
汽車に乗り遅れることもないし
(そもそも汽車に乗らなくなった)
電話もかかってこない。
人の流れの中で立ち止まるのは難しい。
皆が一斉に同じ方向に向かって歩いている中で
反対方向に歩けば嫌な顔をされる。
立ち止まりたかったけれど、
そうすることは
どこかで負けたことを認めることになった。
はぐれることが怖い鰯だった。
立ち止まって見る岩美の景色は
毎日同じようでも、必ずどこかが変化していて
季節はしっかりと移り変わっていることを教えてくれる。
自分が見る景色を好きだと思うこと。
見たい景色が見れること。
みかんがみかんであることに感動したように
毎日何かに感動していたい。