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米ナスのラタトゥイユ

ラタトゥイユはシンプルだからこそ、ひとつひとつのコツをおさえることが大切な料理です。

今回は野菜を使ったメインディッシュとしてのラタトゥイユを米ナスを使って表現をしてみました!

ナスのポテンシャルを最大まで引き出すための3つのゴール
①ナスのトロトロ食感
②ナスの旨味
③ナスを活かすためのラタトゥイユ

4人分(野菜を余らせない分量)
米ナス 2個
パプリカ(赤、黄) 各1個
ズッキーニ 1本
玉ねぎ 約150g(大玉1/2個 又は小玉1個)
トマト 2個
トマトピューレ 100g
タイム 2枝(ソース用、仕上げ用)
ローリエ 1枚
鷹の爪 1本
オリーブオイル


トッピング
イタリアンパセリ、黒胡椒、パプリカパウダー

必要な調理機器
ナスの調理のためのオーブンまたはトースター
油を切るためのストレーナー
水分を飛ばしやすい大きめのフライパン
クッキングペーパー

⑴米ナスをオーブンで下焼き

オーブンを180℃で予熱しておきます

米ナスを半分に切り
断面に格子状の切り込みを入れます
断面に塩を多めに振り、20分置きます
・塩の量はナスの重さの1%弱が目安です
出てきた水分は拭き取りません
そのままにして置けばまた水分を吸い直します
(アクは気にしなくて大丈夫)
ナスが倒れないように底を少し切り落として平らにします
クッキングペーパーを敷いてナスを並べ
180℃オーブンで20分焼きます

〈ポイント〉ナスの旨味を引き出しながら、トロッと食感にするためにオーブンで下焼きします。

・塩で水分を行き渡らせる
塩をたっぷり振って置くことでスポンジ状のナスの身に水分を行き渡らせ、オーブンの熱で水分を沸かして熱を通し、トロッとさせます。
さらにその水分が飛んでいき、旨味を凝縮させます。

・ナスに油をかけずに下焼きする
ナスの旨味成分はトマトのグルタミン酸と相乗効果のあるグアニル酸です。この旨味成分はナス自身の酵素で90℃になるまで増えていきます。
ゆっくり熱を伝えて、90℃になるまでの時間を長く取りたいので熱されやすい油はかけずに焼きます。

⑵ラタトゥイユの野菜の下ごしらえ

ズッキーニは縦に1/4にカット
中心のワタ状な部分を外します
・食感の都合上使いませんが、勿体なければ使っても大丈夫です
さらに縦に1/16にカットして
5〜7mm角に切り揃えます
パプリカは食感を残すために皮は剥かずに
同じように5〜7mm角に切り揃えます
だいたい同分量にします
にんにくを包丁でみじん切りにします
・にんにくは糖質が多く、繊維を潰すと焦げやすくなるので包丁でみじん切りにします
玉ねぎをフードプロセッサーでみじん切りにします
・フードプロセッサーだと繊維が壊れるので炒めた時に水分が抜けやすくなります
・包丁でみじん切りする場合は、レンジで30秒温めると同じように繊維が壊れます
トマトは火剥きでも湯剥きでもいいので皮を剥きます
横半分にカットし、ゼリー状の部分を漉して種を外します
・トマトはゼリー状の部分に1番旨味が集中していますが、種は酸味が多いだけなので取り除きます
果肉は粗みじん切りにしておきます


⑶ラタトゥイユの野菜を炒める

野菜をソテーして油をコーティングします❶〜❹

❶オリーブオイル大さじ1ほどを強火で熱して
白い煙が鍋全体から立ち上ってきたら野菜を入れます
(どの野菜から炒めても大丈夫です) 
❷必ず野菜を入れたら塩を振ります
・塩加減が心配なら野菜の重さの1%の塩を用意しておいても大丈夫です
❸強火で蒸気がおさまるまで炒めます
・野菜を熱すると野菜の表面の水分が抜けて蒸発し、抜けた部分が油でコーティングされます
・ここでは中まで火は通さなくて大丈夫です
❹蒸気がおさまれば、ストレーナーで油を切ります
残りの野菜も❶〜❹を繰り返します

⑷ラタトゥイユのソースを作る

炒めた野菜の香りがついた油を使います
・きちんと水分を飛ばして油がコーティングされていれば、切った油に水分がほとんど混ざりません
野菜を炒めたオイルにオリーブオイルを少し足して、にんにくを炒めます
火加減は弱火です
じっくりと混ぜながら焦げる手前まで色付けて、シャリシャリとした感触になり、とても香ばしい香りがするまで炒めます
玉ねぎを加えて炒めます
・よく少量の塩を振って水分を抜きますが、繊維が壊れているので振らずに炒めています
中火〜強火にして水分を飛ばします
水分が無くなれば、トマトピューレを加えてまた煮詰めます
・トマトの色が少し朱色に近くなるまで煮詰めます
このタイミングで軽く塩を振ります
・玉ねぎは水分が抜けて量が変わるので、水分の抜けた玉ねぎとトマトピューレを合わせた量に対して塩を振ります
トマトピューレも煮詰まったら
タイムとローリエをコンロで軽く炙って入れ、
トマトの粗みじん切りも加えて水分を飛ばします
同様にトマトに対して軽く塩を振ります

⑸ラタトゥイユを仕上げる

炒めた野菜を合わせて、軽く温めながら全体を馴染ませます
ここで味見して足りなければ最後の塩を加えます
【味のゴールは3つ】
・野菜の食感が残っている
・ニンニクやハーブの香りを纏っている
・トマトの酸味と塩分で味に締まりがある

〈ポイント〉野菜それぞれの存在感を引き立てます

・野菜ごとに塩を振る
全部の野菜とトマトを合わせてから塩を振ると野菜それぞれの存在感がなくなってしまうので、ひとつひとつの野菜ごとに塩を振り、旨味や甘味、香りを引き出すことで全ての野菜の風味をトマトがまとめている『ラタトゥイユ』に仕上がります。

・にんにくを焦げる手前まで炒める
にんにくを限界まで炒めて香ばしさを引き出すことで仕上がりがワンランク上がります。
そのために包丁で潰さずにみじん切りすることで焦げづらくしています。

この2点さえおさえていれば、野菜の炒め加減が多少長かったり、トマトの煮詰め具合が弱かったりしても十分おいしいラタトゥイユが完成します。

⑹米ナスのラタトゥイユ

下焼きしたナスの身を少し凹ませます
耐熱容器に移して、乗せられるだけラタトゥイユを乗せます
上からオリーブオイルをたっぷり目にかけます
ナスの香り付けにタイムを添えて
200℃オーブンで20分
その間にイタリアンパセリを粗みじんに切っておきます
20分後
ほんのり焼き色がついて美味しそうです
お皿に移したら、耐熱容器に滲んだオイルをかけます
イタリアンパセリ
パプリカパウダー
黒胡椒
完成!
シャキシャキでとろっとろです

段取り

ラタトゥイユは切るものや炒めるものが多いので、段取りよく進めたい料理でもあります。
①米ナスに塩を振って置く20分で野菜の下ごしらえを進めます。(オーブンの予熱は忘れずに)
②米ナスをオーブンに入れてからの20分で野菜を炒められたら順調です。
③その後は順番通りラタトゥイユのソース〜仕上げ

ちなみにワインを合わせるなら

南仏のロゼがおすすめです!
このロゼは実際に僕が店舗で扱っているワインで、味わいはフルーティな香りに反してドライでキレのある後味、ほろ苦さが少しだけ残り、ラタトゥイユ食べるなら間違いなく合わせたい1本です。

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