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JFL第22節・MIOびわこ滋賀戦【いわきFC監督・田村雄三ここだけの話~BEHIND THE SCENES㉔】

田村雄三監督が自ら試合を振り返る連載コラム。今回は、9月12日にアウェーで行われたJFL第22節の裏側を語ります。

▼プロフィール
たむら・ゆうぞう

1982年生まれ。帝京高→中央大→湘南ベルマーレ
2010年に引退。湘南ベルマーレ強化部スタッフを経て2015年、いわきFC強化部へ。2017年よりいわきFC監督


■今年一番のスプリントデータ。

24回目のnote。MIOびわこ滋賀戦(アウェー)の振り返りになります。

まずはYouTubeでの配信をご覧いただき、ありがとうございました。選手の頑張りと皆様の声援と後押しのおかげで、勝利することができました。

今回のnoteは無料で行きます。川﨑の戦略です(笑)。次節のHonda FC戦にたくさんの方にご来場いただきたい、いわきFCにもっと興味を持っていただきたい、という思いからのようです。

では振り返ります。今節、選手に伝えたのは、

継続して
・走行距離(準備と予測、ポジショニング)
・スプリント力(切り替え、アプローチ力、追い越す動き、走るスペース、パス&ゴー)
・チャレンジすることと、ハードにタフに闘うこと

サッカー的なことを少し言うと

・コンパクトフィールドの形成。いい距離感でのチャレンジ&カバー+プレスバック
1)前線の守備(奪う所の共有)→前に入れさせない守備→クロスの守備(逆サイドのSBの役割)
・テンポのいいビルドアップ。前にボールを入れる、運ぶ、前を見る
1)優先順位とサイド攻撃
2)ダイナミックランと前向きのサポート、関わり

最後にデータを載せますが、この試合では今年一番のスプリントの数値が出ました。引き続き、このデータにはこだわっていきます。大切なのは、いつ、どのタイミングで、誰が、を明確にすること。チーム戦術に取り入れていきたいと思います。

(※試合のダイジェストは、以下をご覧下さい)

■実は、一番乗りで40点に乗せたかった。

昨年までアウェーの試合当日の朝にランニングしていましたが、今年はやめていました。なぜなら、ランニングをしない方が勝率がよかったからです。その代わりに、東近江市にある勝運の神様「太郎坊宮」まで大倉社長、川﨑とウォーキングしてきました。神頼みです。

試合ではMF宮本英治のスーパーシュート、FW鈴木翔大のおしゃれなループシュートなど素晴らしいゴールもありましたが、決めるべきところをもっと決めたかった、という思いです。そして実は最多得点チームも狙っているので、一番乗りで40点に乗せたかった気持ちもあります。

それと、負傷で長く戦列を離れていたDF田中龍志郎が試合に復帰しました。いい形でグランドに立たせてあげたいと思っていたので、よかったかなと思います。

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今節は前節と同じメンバーで挑みました。もちろん相手のことも考えますが、システムを変更したこともあり、選手同士の理解をより深めてほしかった。そして、途中から行くメンバーの役割も明確にしたいと思っていました。試合展開次第で、後方からのビルドアップをより安定させる可能性を考え、DF小田島怜をメンバーに入れていました。

CBの米澤哲哉、黒澤丈は、ともに課題は明確です。今節は、何回ミスをしても最後まで前向きにプレーしようとした米澤のメンタルをほめたいと思います。ミスしたから交代させるのは簡単ですが「ミスを恐れるな」「サッカーはミスのスポーツ」と普段から話しているので、そこはグッと忍耐。周りの選手もポジティブな声がけをしていたので、大丈夫だと思いました。彼らが自分とどう向き合っていくかを、これからも見ていきます。

■強いチームには優れた習慣がある。

今回は普段見えない選手の努力というか、意識の部分を紹介します。

コロナ禍のため入室制限をしていますが、十分な換気とマスクの着用、三密回避の上で、トレーニング前にクラブハウスを解放しています。

今年の始め、選手達に、ケガ予防のために筋温を上げるためのステップやジャンプ、ダイナミックストレッチなどを2~3週間かけて紹介し、彼らの自主性を促しました。今は10時からトレーニングする場合、30分前からランニングなど有酸素運動やストレッチを行う選手や、10分前ぐらいからダッシュやステップワークをする選手もいます。各選手がトレーニングに向けた準備をしてくれています。

私は常々、選手達に「トレーニング始まりの笛を鳴らし『今から紅白戦をやるよ』と言ったらすぐにできるよう、準備しておいてほしい」と話しています。だから、きっと彼らは必死なのだと思います。まだまだバラつきはありますが、とてもいい循環です。

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こんなことを書くと「厳しいクラブだな」「選手は大変だな」と思われるかもしれません。でも、これは「プロ」として当たり前のこと。「サッカー選手だから」ということではありません。

例えばサラリーマンも「その道のプロ」。働いている人は皆そうですよね。朝礼の前に、その日の業務に向けた準備をしますよね? メールをチェックしたり、1日のスケジュールを確認したり、訪問先にアポを取ったり。

サッカー選手も同じです。すべては準備。何も特別なことは言っていませんし、当たり前のことです。常に自分の身体と向き合う。トレーニングに100%で取り組むための準備を怠らない。いわきFCに、そんなカルチャーを作り上げたいと思います。「強いチームには優れた習慣がある」ということです。

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■全員が自分と向き合っているのが今年のいわきFC。

もう一つ、選手の食事について記載したいと思います。

いわきFCはスマホアプリを使い、毎食の写真をクラウド上で共有しています。選手が高タンパク・低脂肪の食事をできているか。体組成データを元に、メディカルチームから細かい指導が入ります。

これは、ある選手の朝食と夕食です。

210915_食事写真_アートボード 1

今年は特に、食事に対する意識が変わりました。身体を見れば一目瞭然ですが、成長サイクル(トレーニング→ケア→食事→睡眠)にこだわった結果が出ていると思います。内容には個人差もあり「できる」選手が先に行っている現実もありますが、全員が自分と向き合っているのが今年のいわきFCです。

そして最後に、今節のカタパルトデータ(走行距離とスプリント)をお見せします。

210915_カタパルトデータ_アートボード 1

今のところ日曜日の天気は晴れ。皆様のご来場をお待ちしています。ぜひJヴィレッジスタジアムで、選手の後押しをお願いいたします!

(終わり)


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