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【マッチプレビュー】2022明治安田生命J3リーグ第13節 いわきFC対ギラヴァンツ北九州

2022明治安田生命J3リーグ第13節。いわきFCは6月19日(日)、Jヴィレッジスタジアムにギラヴァンツ北九州を迎える。
 
ギラヴァンツ北九州は、福岡県北九州市をホームタウンとするプロサッカークラブ。この試合の見どころについて、詳しく紹介しよう。

■「ニューウェーブ北九州」として船出。

クラブ名称の「ギラヴァンツ(Giravanz)」は、イタリア語で「ひまわり(=北九州市の花)」を意味する「Girasole」「前進する」という意味の「Avanzare」を合わせた造語だ。

前身は、1947年に創部され、九州リーグ優勝7回の実績を持つ三菱化成黒崎サッカー部。2001年4月、Jリーグ入りを目指す市民サッカークラブ運営母体「北九州フットボールクラブ」が設立。三菱化学黒崎FCの運営を引き受ける形で、チームは「ニューウェーブ北九州」として船出する。

2007年に九州リーグ優勝。全国地域サッカーリーグ決勝大会で準優勝してJFL昇格。2009年に名称を「ギラヴァンツ北九州」に変更。JFLで4位に入り、J2への参入を決めた。

2010年はリーグ戦31試合連続勝ち試合なしのJリーグワースト記録を更新するなど最下位に沈むも、翌年から復調。2014年にはクラブ最高位である5位に入る。

だが2016年に再び最下位に沈み、J3へ降格。翌2017年は新スタジアム「ミクニワールドスタジアム北九州」がこけら落としとなるも成績振るわず、2018年はJ3最下位となる17位と低迷が続いた。
 
しかし2019年に小林伸二監督兼スポーツディレクターと天野賢一コーチが就任し、復調。前年最下位から優勝という快挙を成し遂げ、見事J2に返り咲いた。そして2020年はJ2で5位に入る。しかし2021年は主力選手の流出もあって21位に沈み、再びJ3に降格してしまった。
 
このようにJ2、J3で激しいアップダウンを繰り返してきたギラヴァンツ北九州。今年は天野賢一監督のもと、J2への返り咲きを目指す。
 
ベースは4-4-2。CB陣はほぼ総入れ替えとなった。鹿児島ユナイテッドFCから加入した藤原広太朗を軸に、長谷川光基、伊東進之輔ら若手中心。MFは西村恭史、針谷岳晃らボランチ陣が残留しており、安定感を示す。目玉となるのは攻撃陣。FW佐藤亮、MF前川大河ら若手に加え、FW高澤優也、上形洋介らJ3トップレベルのストライカーが居並ぶ。
 
ただし、現状の戦績は芳しくない。
 
第12節を終えて2勝4分け6敗の勝ち点10で15位。第11節の福島ユナイテッドFC戦を1対1で引き分け、現状で8試合未勝利と苦境を脱せずにいる。
 
ただし「勝ち方」を知り、J2でも長く戦ってきたチーム。決してあなどることはできない。上位進出とJ2返り咲き、そして目標として掲げる2030年のACL 4強入りに向け、首位・いわきFC打倒を虎視眈々と狙っていることは間違いない。

■DF日高、FW有馬のゴールで逆転勝ち。

ここまで3位につけていたいわきFCは、6月12日の第12節、アウェーでカマタマーレ讃岐と対戦。2試合連続のアウェーゲーム。第11節のY.S.C.C.横浜戦は6対0で大勝。勢いを持って敵地へと乗り込んだ。

しかし、暑さも手伝って思うように試合を運べない。讃岐攻撃陣に左サイドの突破を許し、33分に先制されてしまう。しかし後半開始早々、DF日高大がJリーグ初ゴールとなる見事な直接FKをニアサイドに決めて同点。流れを引き戻す。

 その後は一進一退の攻防が続き、引き分けかと思われた後半アディショナルタイム。CKからの流れでDF嵯峨理久が上げたクロスをFW有馬幸太郎がヘッドで決め、劇的な決勝ゴール。2対1で見事な逆転勝利を挙げた。

■「相手は登り調子。決して侮れない」村主博正監督

「前節は暑さもあり、特に前半は思うようなゲームができませんでした。選手全員の意思がそろわず、バラバラになっていたところがありましたね。暑さはもちろん想定していましたが、まだ慣れきっておらず、身体が動きづらい時間帯が多かった。そんな印象です。
 
ギラヴァンツ北九州さんはポゼッションサッカーを展開するチームですが、ここ6試合でなかなか得点が取れていなかった。でもここ2試合はロングボールなども使い、ゴールに直結するプレーが増えるとともに点が取れ始めており、チームとしては上り調子。隙を見せれば間違いなくやられてしまうでしょう。
 
警戒しているのは高澤選手、前川選手、佐藤選手など。J2で十分に戦える力を持った前線の選手達は非常に怖い存在です。
 
第10節のY.S.C.C.横浜戦でKF山口大輝が戦列に復帰し、アタッカーの控えメンバーに変化が出てきました。ただし、山口は完全にフィットするまでにはもう少し時間が必要。山口や永井颯太など『時間を作れる』がいてくれると非常に助かりますので、あせらずになじませていってあげたいですね。
 
J3は約3分の1を終えて、監督が交代するチームも出てきています。どのチームも必死で勝ち点を取りに来ており、各チームの力量差はほとんどありません。
 
そんな中で選手達に言っているのは『勝っても負けても、すべてが日々のトレーニングだ』ということ。毎日のトレーニングを相手よりも頑張っているから、結果的に勝ちが転がり込んでくる。常に100%以上のトレーニングをしてゲームに向かうことが、勝利の確率を高める。その結果、前節のような苦しい試合で勝ち点3を持って帰ることができている。

でも、ほんの少しでも気を抜いたら、すぐに落ちていきます。日々のトレーニングで積み上げていくことがメンタルを強くしますし、それが目に見えない力を生み出す。そのために日々、できることを精いっぱいやっていくしかありません。
 
各選手が前節の讃岐戦で出た反省点を意識して、今節の試合に臨むことでしょう。しっかりと内容の伴ったゲームを見せ、なおかつ結果を残したいと思います」

■夏場を控え、激しい戦いが続く。

前節の勝利でいわきFCは3連勝。戦績は8勝3分け1敗の勝ち点27となった。首位を走っていた鹿児島ユナイテッドFCがFC岐阜に敗れたため、勝ち点で1ポイント上回って首位に再浮上している。

だが、リーグはあくまで3分の1が終わっただけ。3位松本山雅FCとの勝ち点差は2。その下にはホームで引き分けたカターレ富山が勝ち点22、藤枝MYFCが勝ち点20、そして天皇杯で悔しい敗北を喫した福島ユナイテッドFCが同じく勝ち点20で続く。さらには戦力の充実がささやかれ、前評判の高かったFC岐阜がここ5試合負けなしで調子を上げてきているのも見逃せない。

例年になく厳しい戦いが続くJ3は、いよいよカギとなる夏場を迎える。J2昇格枠「2」を巡る激闘はまだまだ終わらない。J2から降格してきた難敵を相手に快勝して、勢いをつけたい。
 
明治安田生命J3リーグ第13節・ギラヴァンツ北九州戦は6月19日(日)13時より、Jヴィレッジスタジアムにてキックオフ。試合の模様はDAZNにてライブ配信される。
 
 熱き戦いに、ぜひご注目を!



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