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I.G.U.P 検討委員会レポートvol.8 「第2回ユースフォーラム・現場レポート」

第2回となるユースフォーラムが10月15日午後、ラトブ6階いわき産業創造館・企画展示ホールで開かれました。小学生から20代までの子ども・若者世代が「いわきの未来」「スタジアムのある未来」をテーマに前回と同じ「ワールドカフェ」という手法を用いながら意見交換しました。各テーブルとも楽しくも白熱した議論が巻き起こる様子が印象的でした。今回は、その模様を、I.G.U.Pの北澤卓がレポートしていきます。

ラトブの6階に多世代が集まり、スタジアムについて楽しくおしゃべり!

いわきスポーツクラブの大倉智代表が「思ったことを勇気出して喋って、みんなと関わって色々な意見を集約していくことが、この2時間で出来たらと思います」と挨拶したのに続き、検討委員会座長を務める上林功先生が「自分が大人になった時に、こんな街になったらいいな、その時にはこんな場所があったらいいなということをいわきFCと一緒に考えてほしいです」とフォーラムの趣旨を説明しました。

このあとファシリテーターを務める田坂逸郎先生が、フォーラムの進め方について説明を行ったあと、実際のワークショップに移行しました。

ファシリテーターの田坂先生の軽妙なナビゲーションで、子どもたちの話も活性化

田坂先生の説明の中で触れられた「若者が集まったら何かが生まれるぞ、という期待感を込めてこの会場が用意されています。とにかく集まった、ワイワイやろう、楽しくやろう。やっている間にふと何かが出てきた時に『それいただいた!』というのが、関わっている大人たちの考えです」「スタジアムの未来が、スタジアムがいわきにある未来が必ず実現します。さあ、そこに向けてたくさんおしゃべりしましょう」という言葉がとても前向きで印象的でした。

スタジアムについて議論する時間が、多様な人たちの対話の時間になっています
若い人たちが真剣に楽しく議論。こんな場面、なかなか見られません!

私は各テーブルを回りながら、どんな意見が出てくるのか、どんな議論になっているのかを客観的に見るつもりだったのですが、田坂先生の言葉に楽しい気持ちが一気に高まり、子どもを引率してきた保護者の方のテーブルで議論をスタートさせてしまっていました。

田坂先生の言葉にも現れているように、ユースフォーラムは単に「子どもたちの意見も聞きました」という実績づくりの場ではありません。将来スタジアムを使うであろう若い世代が、新スタジアムを通してどんな地域にしたいか、どんな未来像を描いていくのか、そしてどう使っていきたいかを楽しく議論することで、若い世代の豊かな発想をできる限り抽出し、スタジアム計画にしっかりと反映させていくことが重要なテーマだと考えています。

保護者チームも、若者チームに負けじと議論が盛り上がりました

私たちの保護者テーブルはいつもゴール裏で顔を見る3人が集っていました。「どんなスタジアムがいいだろう」という問いから、いわきのスタジアムってこうだよねと続く会話の中で「車椅子の来場者が増えた」という話題が上がり、同時に「障がいを持っていることや、医療支援を必要としていることで『いわきの試合を見たいけど見られない』という子どもたちや保護者もいるよね」という発言が飛び出します。

性差や障がいのあるなしではなく「誰もが安心して、居心地良く過ごせるスタジアムっていいよね」「じゃあ、みんなってどこまでの範囲なのだろう。選手も含めたいよね。当然、ビジターサポーターも含めなきゃ駄目だよね」。一度方向性が定まると、次々と出てくる意見の数々。こんな会話が各テーブルで行われています。

いわきらしい「おもてなし」ができるスタジアム、というビジョンが出てきました

15分間の話し合いが終了すると、1人だけを残して席替えタイム。残った1人は、そのテーブルであった議論やアイデアを新しく座った人に伝える役割。移動した人も、移動先のテーブルで「前のテーブルではこんなこと話したよ」ということを伝えます。

これによって会場全体が混じり合い、意見と意見が結びつき、集約されていきます。2回の席移動後には元のテーブルに戻り、テーブルを移動してきた=旅をしてきた参加者が、旅先での会話・議論を元のテーブルの人たちと共有し、さらに話し合いを続け、テーブルごとの意見をまとめていきました。

この中では「海中トンネルのあるスタジアム」「スタジアム内にアクアマリンふくしまや、とまとランド、スパリゾート・ハワイアンズなどを感じられる『ミニいわき』があり、ビジターサポーターの方が翌日実際にその場所を訪問してもらう」「海や自然にあふれゴミゼロスタジアム」「宿泊施設があるスタジアム」「再会の場所」など多種多彩な意見、言葉が飛び出していました。様々なアイデアに本当に感心させられっぱなしでした。

田坂先生に乗せられて、たくさんのアイディアが出てきます
I.G.U.Pの末永さん。検討委員会のメンバーもしっかり議論に参加しています
I.G.U.P金澤さんのグラフィックレポートも一挙展示。これまでの議論も確認できます
とっても盛り上がりました!

ワールドカフェ終了後には、各テーブルの代表者がまとめについて簡単に発表。田坂先生、上林先生が感想を述べられました。

田坂先生から

誰もが通っちゃうスタジアムを作りたいと思っていると感じました。色々なおもてなしがごちゃっと固まっているような、そんなスタジアムかもしれません。『スタジアムの中』に入っていく楽しさ、ワクワク感が大事なのかもしれないです。

上林先生から

いわきらしさは何かと考えた時に、おもてなし、外から来る人をどう受け入れるかという視点が多かったように思いました。新しいコミュニティバスなどが必要となってくるかもしれません。子どもからお年寄りまで使えるユニバーサルなスタジアム、おもてなしが収益化につながると思います。スタジアムの中という言葉を拡大解釈して、まち全体がスタジアム機能を持つというポイントを大事に出来れば、と思います。

最後に大倉代表から

この熱量とみんなが考えていることをどのように形にしようかという責任について思っています。スタジアムはお金がかかる問題。『出来るのかな?』と思っている人もいると思いますが、そう思った瞬間に出来ない。いわきFCは『Walk to the Dream』というスローガンを掲げています。この言葉をどう体現していくかをみんなに教えてもらい、勇気をもらいました。

第2回ユースフォーラムでは、どれもがワクワクさせられるような意見が出されました。そして参加したみんなが「いわきらしさ、この地域らしさ」って何だろうということを考えていたように感じました。サポーターや地域住民だけではなく、選手や相手クラブのサポーターまで視点を広げた意見の多さが印象に残るフォーラムでした。

I.G.U.Pは今後もユースフォーラムやスタジアムボイスを通して、多くの方からの意見を募集していますし、オンラインによる意見聴取もスタートしました。「地域の未来」「スタジアムのある未来」、ホームタウン各地でそんな議論が巻き起こり、地域全体がワールドカフェのような状況になったとしたら…。そんなことを思わずにいられない第2回のユースフォーラムでした。

※オンラインからあなたのスタジアムに対する思いも聞かせてください。こちらのリンクをクリックすると、googleフォームが開きます。そこからあなたのスタジアムボイスを聞かせてください!


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