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【マッチプレビュー】2022明治安田生命J3リーグ第7節 いわきFC対ヴァンラーレ八戸FC

2022明治安田生命J3リーグ第7節。いわきFCは4月29日(金)、Jヴィレッジスタジアムにヴァンラーレ八戸FCを迎える。
 
ヴァンラーレ八戸FCは、青森県八戸市を中心とした3市11町2村をホームタウンとするサッカークラブ。この試合の見どころについて、詳しく紹介していこう。

■八戸と南郷の2チームが統合されて誕生。

 
ヴァンラーレ八戸FCの「ヴァンラーレ(Vanraure)」とは「デリヴァンテ(Derivante=起源)と「アウストラーレ (Australe=南の郷)という、二つのイタリア語を組み合わせた造語。「チームの起源は八戸と南郷(旧三戸郡南郷村=現在の八戸市南郷)」という意味が込められている。
 
誕生は2006年。八戸工業SCと南郷FCという二つのチームが統合されて生まれたクラブだ。旧八戸工業SCをトップチーム、旧南郷FCをセカンドチームとし、トップチームは八戸工業SCが所属していた東北社会人サッカーリーグ2部北リーグに参戦した。
 
2010年に青森県サッカー選手権大会で初優勝し、天皇杯に初出場を果たす。2012年にリーグ戦で2位となり、1部昇格決定戦を制して東北社会人サッカーリーグ1部に昇格。2013年にはリーグ2位に入った。
 
この時、2014年から発足するJ3リーグ入りを念頭にJリーグ準加盟の承認を受ける。だがJ3スタジアム審査の要件を満たせず、参入ならず。
 
2014から日本フットボールリーグ (JFL)に参戦。将来のJリーグ入りを念頭に運営法人・株式会社ヴァンラーレ八戸が設立された。2016年は年間順位7位に終わるも、スタジアム問題をついに解決。念願のJ3クラブライセンスの交付を受け、2018年シーズンを年間3位でフィニッシュ。J3昇格を決めた。
 

■今年最初の東北勢対決。負けは決して許されない。

 
2019年から参戦したJ3では上位進出を果たせずにいる。昨シーズンは7勝8分け13敗の勝ち点29で13位。シーズン24得点と攻撃力不足が目立ち、年間を通じてメンバーが安定しないシーズンだった。
 
2022年シーズンは14選手が新たに加入。DFにブラウブリッツ秋田からベテランの山田尚幸、いわてグルージャ盛岡から藤井航大とJ2、J3の経験豊富な2人が加わった。山田はキャプテンにも就任している。
 
MFは昨年躍進したテゲバジャーロ宮崎で5ゴールを挙げた渡邊龍が加入。エースが移籍したFWは鹿児島から経験のある萱沼優聖を獲得し、穴埋めを図る。
 
今季は第6節終了時点で1勝5敗の勝ち点3で17位。低迷が続いている。開幕2連敗でスタートし、第3節の藤枝MYFC戦で今季初勝利。だが第5節でFC今治に0対1、第6節でカマタマーレ讃岐に1対2、4月21日に行われた第4節の代替試合でアスルクラロ沼津に0対2で敗れ、3連敗を喫している。
 
いわきFCにとって、J3参戦後初めての東北勢対決。両チームとも前節に手痛い敗戦を喫しており、ともに負けは決して許されない。互いの意地がぶつかり合う激しい展開となるだろう。村主博正監督のコメントを紹介する。
 

■「自分達のスタイルをしっかりとぶつける」村主博正監督

 
「ヴァンラーレ八戸さんは直近の試合で勝てていませんが、決して油断はできません。得点が取れていないのですが、試合を見ると、チャンスはたくさん作れている。連敗中ですから、どうにかして勝ち点を取ろうと必死で来るでしょう。自分達のスタイルをしっかりとぶつけていかなくては勝てない。
 
ヴァンラーレさんは、2トップもしくは1トップ2シャドーに当ててどんどん前に出てくる。開幕から第3節ぐらいまではボールをつないでいましたが、ここ数試合はシンプルにゴールに向かうプレーをするようになった。ウチとはシステムは違いますが、しっかりと噛み合う展開になるでしょう。
 
まず注意すべきは、ロングスローも含めたセットプレー。DF38藤井航大選手など、CBに強みがある選手がいます。そして前線では、FW20萱沼優聖選手はモビリティが高く、思い切りよくゴールに向かってくる怖さがあります。
 
ここまで戦ってきたカターレ富山さんもFC今治さんも、つなぐよりもシンプルに蹴る時間を増やし、インテンシティの高いプレーで対抗してきました。



 
特に前節のFC今治さんは、早い出足で身体をぶつけて自由を奪いに来た。それに負けてしまう状況が多くあり、本来こっちがやらなければいけないことをやられてしまった印象です。また、意図が明確でないパスが多かったことも反省すべきでしょう。
 
今年、J3のレベルは明確に上がっています。何かしらの武器をプラスオンしていかないと、この先を勝っていくことは難しい。前に向かうプレースタイルはもちろん不変ですが、ボールを入れるタイミングや手段などに、工夫が必要と思っています。
 
敗戦からの出直しの一戦。連敗は許されません。しっかりと勝ちを取りに行きます」

 

■フィジカルと走力で上回られる厳しい結果。

 
前節、FC今治に手痛い今季初黒星を喫したいわきFC。上位進出へ意地を見せるFC今治に、フィジカルと走力で上回られる厳しい結果となった。
 
試合は前半から今治に主導権を握られ、後半開始早々の46分に先制を許してしまう苦しい展開。今治はその後もインテンシティの高いプレーを続け、球際の競り合いや身体を張った泥臭い守備でいわきを圧倒。「今季のベストゲーム」と橋川和晃監督が胸を張る、気持ちを前面に出す激しい戦いを見せた。



 
いわきが放ったシュートは合計4本のみ。開幕6戦で最低の数字を記録した。厳しい敗戦により、3勝2分1敗で勝ち点11の4位となった。
 
例年にない混戦ぶりを見せる2022年のJ3リーグ。第6節終了時点で首位を走るのは同県のライバル・福島ユナイテッドFC。そして両チームが激突する福島ダービーは、5月4日(水)にとうほう・みんなのスタジアムで行われる。決して負けられないダービーを前に、同じ東北勢に足元をすくわれることは、是が非でも避けたい。
 
明治安田生命J3リーグ第7節・ヴァンラーレ八戸戦は4月27日(金)13時より、Jヴィレッジスタジアムにてキックオフ。試合の模様はDAZNにてライブ配信される。
 
熱き戦いに、ぜひご期待を!


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