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私的音楽アーカイブ70(チャーリーパーカーほか)

691.チェットベイカー:CHET BAKER PLAYS THE BEST OF LERNER & LOEWE
692.チャールスミンガス:MINGUS PLAYS PIANO
693.ユニコーン:I ♡ UNICORN FAN BEST
694.スタンリークラークトリオ:JAZZ IN THE GARDEN
695.尾崎豊:13/71 THE BEST SELECTION
696.チャーリーパーカー:BIRD AT St.NICK’s
697.ディジーガレスピー:GROOVIN’ HIGH
698.ケニードリュー:EVER GREEN
699.オーネットコールマン:NEW YORK IS NOW!
700.デュークエリントン:THE BEST OF EARLY ELLINGTON

⚫︎696.チャーリーパーカーはビパップの創始者のひとりとされ、モダンジャズ以降のジャズを形成した最大の功労者と言っても過言ではない。だが、実際のところパーカーの演奏をつぶさに聴いている人はジャズファンでも少なく、マイルスデイヴィスやジョンコルトレーンなどハードバップ以降のジャズジャイアンツに比べると人気はない。

その理由として、まず音源は大量にあるものの、あちこちに分散録音されていることがある。そしてそれらの曲もなんとなく似たような構造、フレーズの曲が多いという印象を持つ人が多いはずだ。活動期間が1940年代から50年代前半と戦争を挟み、音楽に取り組むべき環境があまりに悪い時代だったせいもあるだろう。なんと言っても、どれも録音の質が悪いのだ。

この作品もセントニコラスアリーナでのライブ録音だが、例に漏れずにとにかく録音がひどい。これだけで半分聴く気が削がれるという人も多いはずだ。ただこのライブでのパーカーのパフォーマンスはすさまじく、今聴いても信じがたいような強烈なフレーズを超高速で吹いている。まさに愛称である「バード」のごとき歌いっぷりである。

僕もパーカーについてはあまりにも「上手すぎる」ためにサックス吹きマシーンのような印象が強く、長らく敬遠気味だった。しかし、時代背景やジャズの歴史を踏まえた上で改めて考えると、パーカーはインプロヴィーゼーションの確立という、ジャズ史において前人未到のことをやってのけた。マイルスもパーカーと出会わなければこのようなジャズの帝王になっていなかったことを考えると、やはり偉大すぎるくらい偉大なのである。

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