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【葬送のフリーレン】魔法について:魔力②

漫画「葬送のフリーレン」では、魔法を出力するために必要な物や概念が幾つかあります。それら全体については、以下にまとめていますので、御一読ください。

本記事では、その中でも魔力について、関連する記述を整理し考察していきたいと思います。なお、議論は人類の魔法が中心であるため、女神様の魔法や魔物・魔族の魔法には当てはまらない箇所もあることをご留意下さい。

対象は単行本全10巻97話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。


本記事は以下リンクの続きになりますので、ぜひご確認下さい。


魔力を発する物

葬送のフリーレンの世界では、魔力を発する物と発しない物が存在します。主に魔力に敏感な隕鉄鳥の挙動を元に、それらの境界線を考察していきます。

無生物は魔力を発しない

まず、無生物は魔力を発しません。下の場面では、水の上に立つ隕鉄鳥が描かれていますが、他にも土の地面やティーポットの上に立つ姿も確認されており、それら無生物が魔力を発していないことが示唆されます。

水の上に立つ隕鉄鳥 第5巻9ページ

なお、魔導書や魔導具などにある魔力については、製作過程にて後付けで魔力をこめられた可能性が高く、自ら魔力を発しているとは言えないため、今回の事例には含めませんでした。

魔導書は魔力を発している 第6巻18ページ

植物は魔力を発しない

生物の中でも、植物は魔力を発しません。下の場面では、木の枝に留まる隕鉄鳥が確認されており、そのことから植物は魔力を発していないと考えられます。

木の枝に留まる隕鉄鳥 第5巻26ページ

唯一抜け道として考えられるのは、植物が植物特有の魔力を発していて、それを隕鉄鳥が判別している、という可能性ですが、魔力①の記事にて、魔力に種族特有の差はないことを考察しているので、植物特有の魔力がある可能性は低いのかなと推察しています。

動物は魔力を発する

生物の中でも、動物は魔力を発します。人類・魔物・魔族以外で、魔力の有無に言及されている動物は、おそらく隕鉄鳥のみで、魔力を発する生物の境界に一番近い存在だと言えます。

隕鉄鳥はわずかだが魔力を発する 第5巻22ページ

ちなみに、隕鉄鳥が魔物ではないことは、下の場面の"鳥を捕まえる魔法"の適用範囲に関する会話で示唆されています。

隕鉄鳥は魔物ではない 第5巻24ページ

また、はっきりとは言及されていませんが、以下の場面でゼンゼが、魔法における蟻と竜を対比として出しており、イメージできないまでも、蟻が魔法を使える可能性があることを示唆しています。ただ、あくまで比喩的な表現なので、魔力を発する事例には含めませんでした。

蟻も魔力を発する? 第6巻128ページ

魔力の発生源

魔力がどこから発生しているかについては、はっきりとした記述はありませんが、断頭台のアウラが使う服従の天秤にて、対象の魂を乗せて魔力の大きさを比較する場面があります。

そこから、魔力の発生源は魂だと推察できますが、あくまで魔法のイメージの中での話なので、実際に魂から魔力が発生しているかは疑問が残ります。

魂が魔力の発生源? 第3巻76ページ

ちなみに、葬送のフリーレンの世界では、魂の存在は否定されていません。下の場面は、あくまで死後の魂が観測できないことを言及しており、生きている生物の魂は実在すると思われます。フランメも魂の研究について言及してましたし。

死後の魂は観測できない 第1巻169ページ

魔力操作について

魔力操作についての定義は、特に漫画の中で記述はありませんが、体内から発生する魔力を任意の場所に操作すること、といったん定義します。

魔力操作は魔法なしでもできる

まず始めに、魔力操作は魔法なしでもできます。下の封魔鉱に魔力をこめる場面にて、魔法が使えない状況にもかかわらず、意図的に魔力を操作しているのが確認できます。少なくとも魔法なしでも、身体付近の場所へ魔法を意図的に移動させることはできると考えられます。

魔力操作は魔法なしでもできる 第7巻65ページ

魔力操作の種類

魔力操作は主に3つに分類できます。

魔力制限

1つ目は魔力制限です。体外に漏れ出る魔力を制限することを指します。下の場面は、漏れ出る魔力をゼロにするものです。熟練度の差はあれど、存在の隠匿に使えるので、大抵の魔法使い・僧侶は習得しています。

体外に漏れ出る魔力を消す 第5巻52ページ

また、下の場面では、体外に漏れ出る魔力を、ゼロではなく一定量に制限する技を行っていて、通常は制限特有の魔力の揺らぎが発生します。揺らぎが無くなるまで習熟するには途方もない時間が掛かるので、ほとんどの魔法使い・僧侶は実践していません。

魔力を制限すると特有の揺らぎが見られる 第6巻175ページ

魔力集中

もう一つは、魔力集中です。自身の体やその近辺に魔力を集中させることを指します。下の場面では、フリーレンが首に魔力を集中させて、相手の攻撃を防いでいます。

第2話152ページ

前の章で例に出した、封魔鉱に魔力をこめる動作も、手に魔力を集中させているという点で、この分類に当てはまります。

また、強力な魔法を放つ前に、魔力を一箇所に集中させることも、この分類に入ります。

魔法による魔力移動

最後は、魔法による魔力移動です。魔法を用いて、自身の体よりも遥かに離れた場所に魔力を移動させることを指します。魔力操作とは別の概念かもしれませんが、一応本記事では同じ概念とします。

下の場面では、フェルンが攻撃魔法を遠くに飛ばそうとしていますが、魔法の中にある魔力が離散して上手くいきません。自身の体から魔力が遠く離れると、上手くコントロールできず、魔法によって制御する必要があるようです。制御を習得するのにも、それなりの時間が掛かります。

技術がないと魔力が離散して上手く移動できない 第1巻52ページ

戦士と魔力操作の関係

意識的かどうかは別として、戦士も魔力操作をしています。下の場面では、魔力を読むのが得意なリーニエが、人間の動いている時の体内の魔力の流れを読み取っています。

体内の魔力の流れを読むリーニエ 第3巻46ページ

戦士が魔力操作をするのは、身体強化のためだと考えられます。将軍という魔族の戦士には、魔力で身体強化をしているものもいます。

将軍は魔力で身体強化する 第8巻91ページ

人類の場合では、魔力で身体強化をしていると直接言及されている場面はありませんが、下の場面にて、防御を意識していなければ、簡単に致命傷を負うとのことなので、人類の場合でも、意識することで魔力が集中し身体強化される、と推察されます。

人類も魔力が身体強化に関係しているかもしれない 第4巻100ページ

魔力探知について

魔力探知については、以下記事にまとめました。

まとめ

本記事では、葬送のフリーレンに登場する魔力というものについて、役割や性質、発生源などの観点でまとめてみました。今後も魔法に関する記事を定期的に投稿していく予定です。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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