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【葬送のフリーレン】魔法について:魔法の構成要素

漫画「葬送のフリーレン」では、魔法を出力するために必要な物や概念が幾つかあります。

それらに関する記述を整理し、各々の役割について考察していきたいと思います。

なお、議論は人類の魔法が中心であるため、女神様の魔法や魔物・魔族の魔法には当てはまらない箇所もあることをご留意下さい。

対象は単行本全10巻97話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。


魔法はイメージの世界(脳)

魔法というのはイメージの世界だ。人の体にどう水が配分されているのか想像できるか?それらを取り出して操るイメージは?大量の魔力に守られている魔法使い相手にどうやってそれをやる?イメージできないものは魔法では実現できない。

リヒター、第5巻120ページ

身体や脳の構造などの生物的な違いから、人類には決して扱えない魔法。それが七崩賢の魔法。

ソリテール、第10巻187ページ

まず始めに、葬送のフリーレンの世界において重要な魔法の原則があります。

それは「魔法はイメージの世界」です。

術者がイメージ出来ないものは魔法でも実現できません。

そのハードルを超えない限り、他の要素がいかに優秀であろうと魔法は出力できません。

また一般的に考えて、イメージを行う脳は魔法の出力に必須と言えます。

根源的な要素であるため、大きな制約条件になる場合もあります。

魔法の出力に使用する要素

上記の原則に加えて、魔法に必要と思われる要素を以下に列挙します。

  1. 魔力

  2. 術式・魔法陣

  3. 魔導具・杖

  4. 魔導書

  5. 聖典

  6. 魔法の原理の理解

各要素の役割・必要/補助的な要素

上記の要素の役割と、それが魔法の出力に必要かどうかを、それぞれ考察します。

魔力

正面から行くのか。もう魔力なんか残っちゃいないぞ。
わかっているだろう。それは相手も同じこと。腹を括れ。男だろうが。
・・・おい。冗談だろ。
殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!

リヒター・デンケン、第5巻147~148ページ

魔力とは、文字通りの意味でいうと、魔法を行う能力のことだと考えられます。

フリーレンの世界では定量性があり、魔力が切れると魔法が使えません。

上記の引用では魔力が残っていなくても体は動きますが、体が動かなくなるケースもあるので、体または脳の活動とも多少は関係しているかもしれません。

繰り返しますが、魔力が切れると魔法が使えないため、魔法の出力に必須の要素と言えます。

術式・魔法陣

・・・あれ?火の魔法が出ませんね。
これは封魔鉱っていってね。魔法を無効化する力を持った鉱石だよ。

フェルン・フリーレン、第7巻63ページ

この石にめっちゃ魔力を込めるとね。めっちゃ光るんだよ。

フリーレン、第7巻65ページ

・・・そうか・・・膨大な魔力に阻まれたんだ・・・魔法も技術も、培ってきた鍛錬も、強大な魔力の前で理不尽にねじ伏せられる。

フェルン、第10巻177ページ

まず、おそらく魔法陣という言葉が葬送のフリーレンでは出てこないため、補足します。

下の場面の、杖の先の方にある円形の模様を魔法陣と呼ぶことにします。

魔法陣は術式の一種と推察しています。

長距離魔法を使うフェルン、第1巻66ページ

術式・魔法陣の役割については、本記事では仮説として、魔力や物質の移動や変質を指示するアルゴリズムのようなもの、と設定します。

この仮説検証は別記事にてまとめたいと思います。

術式・魔法陣の必要性については、術式はほぼ必須、魔法陣は補助的だと考えています。

まず術式が必須の理由としては、封魔鉱での記載が論拠となります。

魔法が無効化される石の前では、火の魔法が使えませんでしたが、魔力を込めることが出来るため、この状況でも体の周りの魔力操作は出来ると考えられます。

それでも火の魔法が使えないのは、魔力以外の要素が足りないからで、それが術式ではないかと考えています。

そういう文脈で、術式は必須だと言えます。

「ほぼ」必須と言った理由としては、体から漏れ出る魔力で魔法を防ぐことが出来ることは、実質防御魔法と同等と言えるので、魔力のみでも魔法が出力できる例外もあるとして、「ほぼ」という表現を使いました。

魔法陣については、それが無くても魔法が出力できている場面が多数あるため、補助的なものだと考えています。

魔導具・杖

支配の石環。神話の時代に賢者エーヴィヒが作り上げた、この世界で唯一の魔族の心を操る魔導具。そのレプリカだ。…このレプリカは効力は発揮しないが術式は忠実に再現されている。

レルネン、第9巻105~106ページ
杖無しで魔法が出せないカンネと魔法が出せるフリーレン、第5巻14ページ

魔導具の役割は、術式を予め刻み込むことで、魔法の発動速度を早くしたり、自分のイメージを超える複雑な魔法を扱ったりできることだと考えています。

杖も魔導具の一種だと考えると、魔法初心者にとっては必要なアイテムかもしれません。

必要性については、魔導具も杖も、無くても魔法は出力できるので、補助的なものだと考えられます。

ただ、現代では取り扱えない魔法が刻まれている場合があるので、特殊な場合には必須と言えます。

魔導書

魔導書があるでしょ。あれ探していたやつなんだよね。
相変わらず好きですね・・・でもなぜあんなところに・・・
竜は魔力の籠もった物を営巣の材料にするからね。

フリーレン・フェルン、第2巻42~43ページ

魔導書の役割は、他者へ魔法を継承することと、魔法習得期間を短縮することが考えられます。

魔力が籠もっている理由は分かりませんが、伝承の役割があるので、紙の劣化を防ぐ魔法が掛けられているのかもしれません。

魔導書はあくまで補助的な役割で、魔法の出力に必須の要素ではありません。

聖典

女神様の魔法は聖典に記されていて、聖典の所持者にしか使えない。そのほとんどは魔族の魔法と同じで原理がわかっていないんだ。だからあまり面白味が無いんだよね。

フリーレン、第4巻64ページ

聖典の役割は、そこに女神様の魔法が記載されていることから、その魔法を継承することと、習得を補助することが考えられます。

魔導書の役割とほぼ同じですが、魔法使いにとっては面白味のない記述内容のようです。

また、女神様の魔法を使うときのみ、聖典の所持が必須の要素になります。

ただし所持と言っても、以下の場面にあるように、聖書に直接触らずに、しかも鍋敷きにしながら、女神様の魔法を使っている場合もあるので、所持というのはもう少し広い意味で捉える必要がありそうです。

聖書を鍋敷きにしながら女神様の魔法を使うフリーレン 第4巻155ページ

魔法の原理の理解

人類が使っている飛行魔法は魔族の魔法術式をそのまま転用したもので---
小難しいことはいいから俺にも分かるように話してくれ。
原理がわからないまま使っているから応用ができないってこと。人より大きなものは僅かな時間しか飛ばせない。

フリーレン・シュタルク、第4巻45ページ

なるほどね。君って感覚で魔法を使うタイプなんだ。その魔法がどんな原理で動いているかも知らずにそのまま使っちゃうタイプ。僕、そういう頭の足りない子嫌いなんだよね。

ラント、第5巻161ページ

魔法の原理を理解するメリットは、応用ができるとのことです。

飛行魔法の場合は、人の大きさ以上のものを浮かせることですが、一般攻撃魔法だと、軌道を曲げたり、速射に特化したりすることかと推察されます。

魔法の原理を理解していなくても術式の転用などで魔法は使えますが、元々の適用範囲を超えると魔力消費が激しくなったり、メガネ君にバカにされたりします。

その他

魔法の技術・コントロールなどの言葉も登場しますが、曖昧な表現であり、かつ魔法の精度に必要な要素と考えられるため、上記の項目からは外しています。

まとめ(一覧表)

魔法の要素と役割、必要性の一覧表

まとめ

本記事では、魔法の出力に必要な要素、その役割と必要性について整理・考察しました。

今後は各要素について、詳細な考察を別記事でまとめたいと思います。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。


魔力の構成要素の詳細

魔力

魔法陣


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